変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

PIXTA

PIXTA

世界でもトップクラスの教授陣を誇るビジネススクールの米スタンフォード大学経営大学院。この連載では、その教授たちが今何を考え、どんな教育を実践しているのか、インタビューシリーズでお届けする。今回からJ・D・シュラム氏が登場する。

2011年、自らの自殺未遂体験を語ったTEDトーク「自殺未遂者の沈黙を破る」で世界的に有名になったシュラム氏。2012年には、NHK Eテレ「スーパープレゼンテーション」でも放送され、日本でも大きな話題となった。スタンフォード大学の教員という名誉ある地位にいながら、なぜ自らの自殺未遂体験を公表しようと思ったのか。(聞き手は作家・コンサルタントの佐藤智恵氏)

スタンフォード大学経営大学院 J・D・シュラム氏 Courtesy of Stanford GSB

スタンフォード大学経営大学院 J・D・シュラム氏 Courtesy of Stanford GSB

自殺未遂体験語り、大きな反響

佐藤:シュラム先生が自らの自殺未遂体験を語ったTEDトーク「自殺未遂者の沈黙を破る」は、世界的に大反響を巻き起こしました。4分という短い時間に込められた深いメッセージに励まされ、自殺を思いとどまった人は多いと思います。日本では、2012年5月、NHKEテレの「スーパープレゼンテーション」という番組で放送されたのをご存知でしたか? おそらく100万人以上の視聴者が見たと思いますよ。

シュラム:それは知りませんでした!

佐藤:NHKEテレの番組で先生のことを初めて知り、ずっとお目にかかりたいと思っていました。TEDで自らの自殺未遂体験を語る、というのはどれほど勇気のいることだろうか、と思ったからです。現在、スタンフォードの人気講師として活躍されているシュラム先生を見て、励まされている人は多いと思います。

シュラム:自殺が未遂に終わったことに、今は感謝の気持ちでいっぱいです。生きているということがどれだけありがたいか。それだけで感謝です。毎日、朝起きるたびに、人生で二度目のチャンスを与えられたのだという喜びを実感しています。

佐藤:なぜあえてつらい過去を公表したのですか。

シュラム:私は今、「こんな素晴らしい人生を再び与えてもらったのだから、世の中に何かお返しがしたい」「人の役に立つことをしたい」という気持ちで日々生きています。私が、スタンフォードの教員という仕事をして、プライベートでは養子を育てているのも、次の世代を担う若者の役に立ちたいという一心からなのです。TEDでスピーチをしたのも、自殺する人が一人でも減ってほしいという思いからでした。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック