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「変化疲れ」が五月病の原因に 注意すべきはこんな人 こちら「メンタル産業医」相談室(7)

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2017/4/20

「変化疲れ」を制する人はストレスや五月病を制す。「連休の過ごし方」が肝になるので、連休前に記事を読んで準備を(c)gajus-123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

 こんにちは、精神科医の奥田弘美です。やわらかな新緑と陽光に包まれる季節となりましたが、あなたの心と体はお元気でしょうか?

 5月の連休も目前に迫ってきて、あれこれレジャーや旅行の予定を立てていらっしゃる方も少なくないと思います。そんなときに水を差すようで申し訳ありませんが、精神科医・産業医としてお伝えしたいのは、「連休はくれぐれも疲れを残さないように過ごしてください」ということ。なぜならば5月の連休明けからは、メンタルヘルス的には一つの大きな鬼門ともいえる要注意時期に突入するから。そう、いわゆる「五月病」が発生しやすくなるのです。

 五月病とは正式な名称ではなく、医学的には「抑うつ状態」(気分が落ち込んで気力や行動力が乏しくなった状態)というものです。一般的には5月の連休が明けたころから夏ごろにかけて、特に新入社員や新入生を中心に起こりやすいとされています。

■変化が多かった人、大きかった人は五月病になりやすい?

 しかし五月病になるのは、新入社員や新入生だけではありません。新人ではない人も五月病になる可能性はあります。私の経験から申し上げると、次のような方は五月病が発生するリスクを十分に抱えているといえます。

〈五月病のリスクが高い人〉

●この春に自分自身が異動になった人、転勤になった人、転職した人

●もしくは自分ではなく上司や同僚、部下が異動するなどして職場の雰囲気や人間関係、仕事の進め方がかなり変わった人

●この春(もしくは昨年秋ごろから)昇進して新たな責任が加わった人、または新しいプロジェクトや仕事を任された人

●子どもが受験、卒業、入学などでプライベートがかなり慌ただしかった人(特に女性)

●この冬から春ごろにかけて、家族や自分自身の病気やけがなどによって、日常生活のリズムが乱れていた人

●メンタルや体の不調で復職して半年以内の人

●1~3月あたりが繁忙期で月45時間を超えるような長時間残業を月単位で行っていた人

 いろいろなシチュエーションを列挙しましたが、これらの状況をシンプルに表すと「変化が多かった人」「大きな変化を経験した人」ということになります。

 いわゆる五月病と呼ばれる「抑うつ状態」になると、次のような症状が出現します。

〈抑うつ状態の症状〉

●何となく気分がめいる日や時間が増える

●体がだるくて気力が出にくい

●今まで気軽にできていた日常的な家事や趣味的な活動が面倒くさい

●他人に会うのが何となくおっくう

●やる気が湧かず、会社に行くのに抵抗を感じる

●原因不明の体調不良(頭痛、胃腸の不調、めまい感)がちょくちょく起こる

●寝つきが悪い、もしくは眠りの途中で何回も起きる、早朝に起きるなどの睡眠不調が出現し、熟睡できない夜が増えてくる

●いつもよりイライラしたり怒ったり落ち込んだりと感情が不安定になる

 こうした症状は、ごく軽くて生活や仕事にさほど支障がないレベルから、仕事や生活に悪影響が出たり、欠勤や遅刻が増えて勤怠が乱れたりといった病的なレベルまでさまざまです。症状が重い場合は「抑うつ状態」「適応障害」「うつ病」などの病名のついた診断書を提出して自宅療養となる人もいます。

 ちなみに適応障害とは、「ストレスが原因で引き起こされるメンタル面や行動面の症状で、社会的な機能が著しく障害されている状態」を指します。

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