激安か高性能かで割り切る お薦めA4ノート他11選
モバイルノートの注目度が高まっているとはいえ、パソコンの中でいまも一番売れているのは、15.6型ディスプレーを搭載した据え置き利用向けのノートパソコンだ。A4ノートやスタンダードノートとも呼ばれ、重さは2.5kg前後でバッテリー駆動時間は3~6時間ほど。モバイル用途には向かないが、使わないときに収納できるので場所を取らず、社内や自宅内でなら好きな場所に持っていって使える。
価格は5万~20万円と幅広い
画面サイズが大きめで拡張端子が多く、インターネットの利用、マイクロソフトオフィスの利用、写真や動画の編集など用途を選ばない万能性が魅力だ。価格帯は5万円前後の激安モデルから、20万円を超える高級機まで幅広いので、スタンダードノートを選ぶときは、まず自分の使い方を考えて適切な機種を絞り込んでいこう。
テレビの視聴や録画・再生にも使いたいという場合は、液晶ディスプレー一体型のデスクトップパソコンという選択肢もある。24~27型で、有名オーディオブランドのスピーカーシステムを搭載するものもあり、自分の部屋でパソコン兼テレビとして使うのに適している。
なお、モバイルノートと同様、各PCメーカーの直販サイトでスペックやマイクロソフトオフィスの有無を変更して購入できることが多い。メモリー容量などスペックが一部が物足りない、マイクロソフトオフィスを付け足したい(あるいは外して安くしたい)など店頭販売モデルが物足りないと思ったら、直販モデルをチェックしてみよう。
安くても十分使える激安ノート
インターネットの利用、マイクロソフトオフィスの利用がメインなら、処理性能はさほど必要ない。5万~10万円前後の低価格モデルで十分だ。CPUはCore iならベストだが、Celeronでも間に合う。メモリーは4GB以上、ストレージのHDDは容量500GB以上が目安となる。安さで選んで問題ないが、モデルによってマイクロソフトオフィスの有無、ディスプレーの見やすさ、サウンド機能へのこだわり、デザインやカラーバリエーションの有無などが異なるので、それらに注意して選ぼう。
日本HP「HP Pavilion 15-au100エントリーモデル」
●モデルau100エントリーモデル: (最小構成の場合)直販価格6万9800円・Core i3-7100U・メモリー4GB・HDD 500GB・15.6型(1920×1080ドット)・DVDスーパーマルチドライブ ※写真は英語キーボード。実際の製品は日本語キーボードになる
「HP Pavilion 15-au100エントリーモデル」はフルHD液晶搭載ノートとしては安く、有名オーディオブランドのスピーカーを搭載している。重さが2.14kgと軽めで自宅やオフィスの中で持ち運びやすいのも特徴だ。キーボードはバックライト付きで暗い場所でも見やすい。マイクロソフトオフィスは付属しないが、注文時に追加できる。低価格でも音と持ち運びやすさにこだわりたい人に向いている。
富士通「FMV LIFEBOOK AHシリーズ」
●モデルAH45/A3: 実売価格11万8500円前後・Core i3-6100U・メモリー4GB・HDD 1TB・15.6型(1920×1080ドット)・BDドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
「FMV LIFEBOOK AHシリーズ」(AH45/A3)は、富士通のスタンダードノートシリーズの低価格モデル。2016年秋冬発表モデルが継続販売されているものだが、2017年春モデルに発売されたエントリーモデルのAH42/B1に近い価格まで下がっている。スペックを考えるとかなりお買い得だ。フルHD液晶搭載でOffice Home & Businessが付属する国内メーカーのスタンダードノートが欲しい人に向いている。
NEC「LAVIE Note Standard」(NS150/GA)
●モデルNS150/GA: 実売価格11万8300円前後・Celeron 3855U・メモリー4GB・HDD 1TB・15.6型(1366×768ドット)・DVDスーパーマルチドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
「LAVIE Note Standard」(NS150/GA)は、NECのスタンダードノートの低価格モデル。スペックは低いが、インターネットにつないだり、マイクロソフトオフィスを使うだけなら必要十分だ。下位モデルのNS100/G2Wもあるが、主な違いはHDD容量が1TBで大量のデータを保存できることと、ヤマハ製オーディオエンジン搭載でサウンド機能が優れていること。価格差が小さいので、購入するならこちらを選ぼう。
東芝「dynabook Tシリーズ」
●モデルT45/C: 実売価格10万5000円前後・Celeron 3865U・メモリー4GB・HDD 1TB・15.6型(1366×768ドット)・DVDスーパーマルチドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
東芝のスタンダードノート「dynabook Tシリーズ」の中でも、「T45/C」は低価格モデル。Office Home & Business付属パソコンとしては、NECや富士通の同クラスのものより安い。一般的な1年保証ではなく、2年保証が付くため安心感が高い。3色のカラーバリエーションの中から選べる。
VAIO「VAIO C15」
●モデル 個人向け標準仕様モデル: 実売価格9万円前後・Celeron 3215U・メモリー4GB・HDD 1TB・15.5型(1366×768ドット)・DVDスーパーマルチドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
VAIOのスダンダードノートシリーズの店頭販売モデルで、2016年8月に発売されたモデル。Office Home & Business付属パソコンとしては非常に安く、コストパフォーマンスは抜群。4種類のカラーリングから選べるのが特徴で、サブウーファー付きで音質にもこだわっている。10万円以下で音やデザインにこだわりたい人に向いている。
デル「New Inspiron 15 3000 スタンダード」
●モデル3000 スタンダード: (最小構成の場合)直販価格4万9980円・Core i3-6006U・メモリー4GB・HDD 1TB・15.6型(1366×768ドット)・DVDスーパーマルチドライブ
デルのスタンダードノートの低価格シリーズ。Core i3搭載で5万円を切るのは激安価格で、Celeron搭載ノートよりもネット閲覧などが快適にできる。HDMI出力や3つのUSBポートなど必要十分な拡張端子を備える。マイクロソフトオフィスは付属しないことに注意。オフィス付属モデルもあるが、このシリーズの上位モデル(6万4980円)を買うなら、もう少し予算を増やして上位シリーズ「Inspiron 15 5000」のオフィス付きモデル(9万9980円~)を買うほうがいい。処理性能も高く、カラーバリエーションもそろっている。
スペックとAV機能で選ぶ高性能3機種
10万円前後~20万円以上するモデルは、Core i、4G~8GB以上のメモリー、1TBのHDDといったスペックの高さに加えて、有名オーディオブランドのサウンド機能、高画質なディスプレーなどを搭載するのが低価格モデルと異なるところだ。サクサクとした動作で快適に使いたい、デジカメ写真の編集や動画編集もしたいといった処理性能の高いパソコンが欲しい人、パソコンを音楽や動画を楽しむAV機器としても使いたい人に向いている。
デル「Inspiron 15 5000」
●モデル プレミアム・フルHD: 直販価格8万4980円・Core i5-7200U・メモリー8GB・HDD 1TB・15.6型(1920×1080ドット)・DVDスーパーマルチドライブ
デルのスタンダードノートの上位シリーズ。モデル数が多いが、すべてCore i5以上のCPUと8GB以上のメモリーを搭載し、コストパフォーマンスの高さは抜群だ。これはマイクロソフトオフィスなしモデルだが、付属モデルもある。光学ドライブがBDドライブでないことと、NECのような有名オーディオブランドのサウンドシステムを搭載していないことに注意。そうした機能が不要なら非常にお買い得だ。
富士通「FMV LIFEBOOK AHシリーズ」
●モデルAH53/A3: 実売価格14万8000円前後・Core i7-6700HQ・メモリー8GB・HDD 1TB・15.6型(1920×1080ドット)・BDドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
2016年秋冬発表モデルが継続販売されているもの。Core i7、8GBメモリーなど高いスペックとOffice Home & Businessが付属する。上位モデルのAH77と比べるとタッチパネル液晶でなく、NFCがないことが大きい違いだが、それらが不要ならお買い得。国内メーカーのハイスペックノートを安く手に入れたい人に向いている。
NEC「LAVIE Note Standard」(NS750/GA)
●モデルNS750/GA: 実売価格21万3000円前後・Core i7-7500U・メモリー8GB・SSHD 1TB・15.6型(タッチ対応、1920×1080ドット)・BDドライブ・Microsoft Office Home & Business Premium付属
Core i7や8GBメモリーといった高いスペックに、ウーファー付きのヤマハサウンドシステム搭載が特徴の高級スタンダードノート。タッチ対応液晶や、USB3.1 Type-Cも備える。様々な用途と快適にこなせるハイスペックな万能ノートが欲しい人、音楽や動画をいい音で楽しみたい人、タッチ操作で使えるノートが欲しい人に向いている。
テレビが見たいならデスクトップが最適
据え置き利用向けのパソコンとしては、液晶ディスプレー一体型のデスクトップパソコンもある。ノートのように持ち運びや収納はできないが、24~27型という画面の大きさが魅力だ。基本スペックのポイントはスタンダードノートと同じだ。
いくつかのメーカーが発売しているが、人気があるのはNECと富士通の製品だ。テレビチューナー内蔵でテレビの視聴や録画・再生ができるものが中心で、有名オーディオブランドのスピーカーシステムなどを搭載し、オーディオ機器としても使えるものが多い。テレビ機能目当ての人、自室でパソコン、テレビ、オーディオ機器をひとまとめにして設置場所を節約したい人に向いている。
NEC「LAVIE Desk All-in-one」
●モデルDA770/GA: 実売価格22万7000円前後・Core i7-7500U・メモリー8GB・HDD 3TB・23.8型(1920×1080ドット)・BDドライブ・地上/BS/110度CSデジタルチューナー×2・Microsoft Office Home & Business Premium付属
Core i7や8GBメモリーなど高いスペックを持つうえ、ハイレゾ対応のヤマハサウンドシステムを搭載、3TBのHDDで大量にテレビ番組を録画できるなど、AV機能にもこだわったデスクトップパソコンだ。ネットの利用から写真編集までさまざまな用途に使いたい、迫力のあるサウンドでテレビや音楽も楽しみたいなど、これ1台で全部済ませたい人に向いている。
富士通「FMV ESPRIMO FHシリーズ」
●モデルFH77/B1: 実売価格17万9000円前後・Core i7-7700HQ・メモリー4GB・HDD 1TB・23.8型(1920×1080ドット)・DVDスーパーマルチドライブ・地上/BS/110度CSデジタルチューナー×2・Microsoft Office Home & Business Premium付属
最近のトレンドである、液晶ディスプレーのフレームを狭くした狭額縁デザインを採用したシンプルなデザインが特徴だ。3波対応テレビチューナーを2基搭載し、裏番組の録画も可能。スピーカーはパイオニア製。CPUはCore i7でUSB3.1 Type-Cも備えるが、メモリーが4GBと、20万円クラスのパソコンとしてはやや物足りない。画面が大きく、スッキリとしたデザインのパソコンが欲しい人向きだ。
(IT・家電ジャーナリスト 湯浅英夫)
[日経トレンディネット 2017年3月27日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。