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人生を変えるマネーハック

新社会人は貯蓄を習慣づけ 目標「手取りの10%」 貯金をマネーハックする(2)

2017/4/10

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 今月のマネーハックは貯金のやりかたを考えています。しかも楽をしてお金をためるやりかたです。前回、気合や根性ではなく、自動的に積み立てられる「仕掛け」をつくることが最大のポイントだとお話ししました。今週は「いくら」積み立てるべきかというテーマを考えてみます。

■自動でためる目標はどれくらいが適正か

 毎月自動でお金を積み立てる「仕掛け」をつくるにあたって、その金額はどれくらいに設定するべきでしょうか。毎月の積立額が少なすぎれば、お金が増えるペースは遅くなります。逆に多すぎれば、残りのお金で生活することができませんので、結局解約してしまうでしょう。それでは意味がありません。

 毎月積み立てるお金をいくらにするかはさじ加減の難しいところです。第三者としてあなたに貯蓄目標額をアドバイスするなら、目標は「手取りの10%」でしょう。

 つまり、税金や社会保険料を引かれた手取り金額の10%をためるということです。これができれば、あなたの人生は大きく変わります。5年続けられたら、同僚とは比較にならないほどの貯蓄額を手に入れ、人生の選択肢は大きく増えることでしょう。

 新年度がスタートする今の時期は、新社会人にとって貯金を始めるいい機会です。ただし、親の家に住んでいるのか、一人暮らしをしているのかで「手取り10%」の難易度は変わってきます。

■自宅通勤なら貯金のチャンス大

 あなたが会社員で、実家(親の持ち家)から通勤している場合、これは貯金をするチャンスです。一人暮らしをしている同僚と比べれば、生活コストのすべてを負担せずともやりくりができる立場にあるからです。

 親に毎月、食事代などを入金をしたとしても、それでも一人暮らしよりお金をためる余裕があります。ぜひ「手取り10%」の積立貯蓄の手続きをしておきましょう。手取り16万円、毎月1万6000円ためると、年19万2000円、10年で192万円になります。

 ちなみに、人生でガンガンためられる時期は「結婚前」「結婚して子どもが生まれる前」「子どもが社会人になり学費がかからなくなる定年前後」くらいしかありません。今、「手取り10%」貯金を行ったことで数十年後に助かることになるかもしれません。

 手取り10%をためる生活に慣れてきたら、「手取り15%」を目指してみてください。もちろん、ボーナスからも頑張ってためていきましょう。

■一人暮らしなら手取りの5%+ボーナス

 一方、ちょっとためにくい立場にあるのは一人暮らししている社会人です。この場合、家賃や公共料金が大きな負担となるだけでなく、日用品から食費まですべてを自分で賄わなければならず、特に20歳代の収入では家計の余裕がないものです。家計は毎月赤字で、ボーナスでなんとか穴埋めしている人もいるはずです。

 だからといって「年収が増えたらためよう」と考えてはいけません。この発想で貯蓄習慣をつけずにいると、年収が上がった分、生活水準を上げるのでやっぱり貯金ができないことになるからです。

 そこで、一人暮らし社会人の場合はまずは「手取り5%」を目標としてみましょう。手取り16万円なら、月8000円ということになります。1週間あたり2000円相当の節約をするか、月に一回8000円相当の買い物をやめるかして、貯蓄目標を実現してみてください。

 一人暮らしの場合は毎月の手取り10%の貯蓄が難しくても、ボーナスを併用する形で実家暮らしの同僚に追いつく方法があります。先ほどの例でいえば、手取り10%貯金には月8000円が不足しますが、4万8000円分を年2回のボーナスのたび入金すれば追いつくことができます。

 先ほど紹介した、人生に3回だけやってくる「ため時」を、一人暮らししているため逃してしまうのはもったいない話です。一人暮らしだからと最初から諦めず、手取り10%貯金を目指してみてください。

■借金するくらいなら定期預金を部分解約してもいい

 ところで、「給料から自動的に10%先取り貯金したら、生活費が足らなくなった」という場合はどうすればいいでしょうか。

 節約は順調であっても、急な出費が生じてお金が足らなくなるということはしばしば起こります。こういうときは、定期預金をためらわずに部分解約してください。間違っても利息の高い消費者金融や銀行系のローンカードを使って借りてはいけません。クレジットカードのキャッシングやリボ払いでごまかすのもNGです。

 借金でその場をしのいだとしても、翌月や翌々月に返済期日がやってきますし、そのときは借りた額に利息が上乗せされた請求となります。

 片方に貯金が20万円あって、片方に借金が20万円あるなら、これは借金の方が今後かかる利息分重いマイナスになっています。借金は貯金と即座に相殺してしまうべきです。

 もちろん、安易に貯金を崩してほしくはないのですが、ローンを抱えまで貯金残高を増やす必要はないと覚えておいてください。「ためる人生」に切り替えるとき、「借りる人生」とはさよならしなければならないのです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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