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パラオで魚が増加 海洋保護区の効果が実証

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

海を守れば生態系が繁栄すると考えるのは当然のことだ。そして科学者たちは今、太平洋の島国パラオにある海洋保護区を包括的に調査したデータを通じて、これを証明した。

パラオ政府が約50万平方キロメートルの海を海洋保護区に指定したのは2年ほど前のこと。この水域は完全に保護され、漁業や採掘は一切許可されていない。パラオの陸地面積は米ニューヨーク市よりも小さいが、この海洋保護区はカリフォルニア州よりも広く、同種の保護区の中でも世界6番目の広さを誇る。(参考記事:「日本の国土より広い海洋保護区を可決、パラオ」)

パラオのトミー・レメンゲサウ・ジュニア大統領は当時の声明で、「こうした聖域を作るのは思い切った一手です。しかしパラオの人々は、生活に欠かせないことだと考えています」と述べていた。

そして今回、科学が海洋保護の効果を実証した。米ハワイ大学水産生態学研究所の研究員らによる論文が2017年3月30日、科学誌「PLOS ONE」に発表された。論文には、このような海洋保護がもたらす好影響をモニタリングした結果がまとめられている。

この研究が着目したのは、パラオの保護区に存在する生物量、すなわち魚や海底に生きる底生生物の量だ。これら海の生き物たちにできるだけ影響を与えないよう、標本の採取は一切行わず、写真を視覚的に評価するという方法で調査されている。

明らかになったのは、保護されていない水域に比べて、保護された水域には魚が2倍多く、肉食の魚については5倍多く存在するということだ。魚は他の捕食動物の主な食料となるため、魚の数は生態系の繁栄度を測る指標になる。

今回の研究に参加したナショナル ジオグラフィックの協会付きエクスプローラー、エンリック・サラ氏は次のように話している。「今回の測定結果から、いかなるものも持ち出せない海洋保護区を設けることによって、魚の生物量が増加することが確認できました。世界中の他の水域でも、同じような結果が出ています」

保護区ができることによって、パラオの魚の数は増え、やがて地元の漁師たちにもさまざまなメリットがもたらされる。保護区内の生物量が増えれば、そこから保護区外に出てくる魚も増える。論文は、地元の漁獲量が増加する可能性にも触れている。

成功の要因は

保護区が成功を収めている要因は、パラオ政府の政策だけではないようだ。サラ氏は、パラオの島民たちに根づいている自然保護文化による影響も大きいと考えている。

パラオには取り締まりを行う軍隊は存在しない。しかし、「ブル」と呼ばれる千年の伝統に基づく自然保護の風習がある。魚が邪魔されずに繁殖、成長できるように、パラオの首長協議会が一部の礁への立ち入りを制限するのだ。一定期間魚を獲らないことによって、その後も、人々を十分養えるだけの魚を獲ることができる。

パラオの将来は、健全な海洋生態系を維持できるかどうかにかかっている。この海域は世界でも類を見ない生物多様性に恵まれた場所であり、パラオの経済収入の大半は、こういった環境を生かした観光業によるものだ。

もちろん、豊かな海洋資源からメリットを得られるのはパラオだけではない。世界の海のうち、保護されているのはわずか1.6%。この研究に携わった科学者たちは、他の国々にも保護区がもたらすメリットに気づいてもらいたいと考えている。

「人がいる場所もいない場所も、広い場所もそうでない場所も、できるだけ多くの場所を保護する必要があります。無駄にできる時間はありません」。サラ氏はそう話している。

(文 Sarah Gibbens、訳 鈴木和博、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年4月6日付]

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