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「NO」と言えない自分 上手に脱却するには

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

上司や先輩に新しい仕事や雑務を頼まれると、自分の仕事で手一杯なときでも断れず、仕事もストレスもたまる一方……。こんなとき、どうしたら断れるようになるだろう。帝京平成大学現代ライフ学部教授の渡部卓さんに伺いました。

◇   ◇    ◇    ◇

断りたいことがあっても「NO」と言えない、自分の気持ちをはっきり伝えられずに抑えてしまう。その結果、感情と行動に矛盾が生じて、自己嫌悪に陥ったり、ストレスがたまったりしてしまう……。そんな悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。

なかなか「NO」と言えない背景には、断ると相手を傷つけてしまうかもしれない、断ることで人間関係が悪くなってしまうかもしれないといった不安があります。

私自身も会社員時代は、上司や同僚、取引先などに気兼ねして、「NO」と言えず、周囲に同調して無難にやり過ごすことがありました。しかし、米国の企業で働くうちに、さまざまな場面で「あなたはどう思う?」と意見を求められることで、次第に鍛えられ、自分の考えや気持ちをはっきりと伝えられるようになっていきました。

「断る」「伝える」ためには小さなトレーニングを積み重ねる

海外では、ビジネスの場で相手の要求を断ったり自分の要求が断られたりしても、良い意味でドライなので、その後の人間関係に影響することはまずありません。経験としてそれが分かってくると、気兼ねなく断ったり、反対意見や懸念を伝えたりできるようになってきます。ですからまずは、「断る」「伝える」という小さな経験を積み重ねていきましょう。

私は企業研修や大学の講義などで、そうした「断る」「伝える」体験をするためのワークショップを実施することがあります。例えば、こんな体験です。

・講義中に、受講者の1人にわざとボールペンをカチカチと鳴らして気が散る状況を作ってもらい、ほかの受講者に注意させる。

・食堂の列に見立てて受講者に行列を作ってもらい、そこへ横入りした別の受講者に対し、ちゃんと列の後ろに並ぶように促す。

「そんなことは簡単だろう」と思われる人も多いでしょう。でも、実際にやってみると、シミュレーションだと分かっていても、なかなか言い出せない人も少なくないのです。そうした人でも、練習をしていくうちに、だんだんと注意できるようになっていきます。

自分を優先しつつ、他者への配慮も忘れない「アサーション」

断り方のスキルの1つとして参考になるのが「アサーション」です。アサーションは米国の心理療法の1つで、日本では臨床心理士で統合的心理療法研究所顧問の平木典子先生が、「適切な自己表現」「さわやかな自己表現」として紹介されています。

このアサーションの考え方では、なかなか「NO」と言えない人は、自分よりも他者を優先して考える「ノン・アサーティブ(非主張型)」な自己表現をしていると考えられます。これを、自分をまず優先し、かつ他者にも配慮する「アサーティブ(自他尊重型)」な自己表現ができるように意識していけるといいでしょう。

自己表現の3つのタイプ

【ノン・アサーティブ(非主張型)】自分よりも他者を優先するタイプ。自分のことは後回しにしがちで、自分の言いたいことや気持ちも抑えてしまう傾向がある

【アサーティブ(自他尊重型)】自分のことをまず考えるものの、他者へも配慮するタイプ。アサーションは、このアサーティブタイプの自己表現を指す

【アグレッシブ(攻撃型)】自分のことだけを考えるタイプ。他者の意向は無視しがちで、攻撃的な表現で周囲を傷つけてしまう可能性が高い

では、アサーティブな断り方を具体的に考えてみましょう(図1)。自分の仕事で忙しいときに、上司に新たな仕事を頼まれたとき、これまでは何も言えずに引き受けていた人は、まず自分の状況や気持ちを伝えます。そのうえで、今は引き受けられないと断る。そして、相手への配慮を示すことも大切です。

このように、自分の状況や気持ちを伝えた上で断れば、上司自身がどうするかを判断するはずです。あなたが提案したようにほかの人に頼むかもしれませんし、状況が分かったうえでもあなたに任せたいと思えば、今抱えている仕事のスケジュールを調整してくれるかもしれません。上司の仕事のスケジュールに余裕があれば「×日以降で構わないよ」と言ってくるでしょう。状況や気持ちを伝えなければ、互いにアサーティブなコミュニケーションをとることはできません。

私がかつて外資系企業に勤務していたとき、こんなエピソードがありました。その企業では、正月三が日に米国本社の事業部長が来日して会議をする習慣がありました。日本では三が日は多くの企業や官公庁が休みとなりますが、米国の企業にはそのような習慣がありません(1月1日だけ休んで、2日からは通常通り働きます)。外資系の企業なので、本社の都合に合わせなければならないとあきらめ、私たちは幹部の来日を断れずにいました。

ある年、人事異動があり、新しい事業部長がいつものように三が日に来日しました。そのとき、雑談中に「日本の企業は今、正月休みなんですよ」と話したところ、彼はこう言ったのです。

「なんだ、そうだったのか。早く教えてくれていたら、せっかくの休みの日に会議なんてしなかったよ」。さらに、「だったら先に中国に行って、正月休みが明けてから日本に来ることにしよう」と提案までしてくれたのです。このとき私は、「断りにくいことがあっても、まずはこちらの事情を伝えてみなければ分からない。黙って我慢していたら何も変わらない」と実感したのです。

あなたの「アサーション度」はどれくらい?

最後に、「アサーション度」のチェックリストをご紹介しておきます(図2)。これは、平木先生の著書などを参考に、私が簡易的に作成したものです。「断る」「伝える」練習や経験を重ねながら、時々このチェックリストで自分の言動を振り返ってみると、アサーション度の確認・向上に役立ちます。

ただし、これは簡易的なものなので、あくまでも目安として活用してください。アサーション・トレーニングに興味のある方は、平木先生の『改訂版 アサーション・トレーニング ―さわやかな〈自己表現〉のために』(金子書房)などが参考になります。

いかがでしたか。×や△がついた項目では、「断る」「伝える」練習を重ねて、アサーション度を少しずつ向上させていきましょう。

【まとめ】

・断る不安を払拭するために、「断る」「伝える」練習をする

・「アサーション」を身につけ、「非主張型」の自己表現を変えていく

・断るときは、状況や気持ちを伝えて、相手への配慮も示す「アサーティブ」な方法を心がける

・チェックリストで自分の言動を振り返り、アサーション度を向上させる

渡部卓
 帝京平成大学現代ライフ学部教授、ライフバランスマネジメント研究所代表、産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ。1979年早稲田大学卒業。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBAを取得。複数の企業勤務を経て、2003年会社設立。職場のメンタルヘルス対策、ワークライフコーチングの第一人者として活動する。著書に「折れない心をつくる シンプルな習慣」(日本経済新聞社)など。

(ライター 田村 知子)

[日経Gooday 2017年3月21日付記事を再構成]

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