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白河桃子 すごい働き方革命

未婚の営業女性が「ママ」に挑戦 その驚くべき結果は キリン「なりキリンママ」プロジェクト(前編)

2017/4/13

チームメンバーは5人。前列は右から井尻綾夏さん、河野文香さん、後列は右から金田亜弥香さん、加藤ますみさん、樋口麻美さん(写真:吉村永、以下同)

 こんにちは。ジャーナリストの白河桃子です。私は政府の「働き方改革実現会議」で有識者議員を務めています。

 今、多くの企業が「働き方改革」への挑戦を始めています。長時間労働の是正、テレワークの導入、副業の解禁など、様々な取り組みが行われている中、私が注目している活動の一つに「エイジョカレッジ(エイカレ)」というものがあります。「営業職の女子」──略して「エイジョ」たちの働き方を異業種で見直すプロジェクトです。日本IBM、KDDI、三井住友銀行、日産自動車、リクルート、サントリー、キリンの7社とコンサルティング会社のチェンジウェーブが始めました。

2月10日に開催された「新世代エイジョカレッジ・サミット」にて(写真提供:キリン)

 営業という仕事は、内勤やスタッフ業務に比べて時間の融通が利きやすいという利点がある一方で、「短時間勤務では顧客に迷惑がかかる」「長時間労働で、営業という仕事は好きだけど、子育てとの両立は難しい」と認識されています。実際、営業職の女性は10年間で10分の1に減ってしまうというデータもあります。エイジョたちが、様々なライフイベントの後も営業職を続けられるようにするためには、どうしたらよいのか。これは全社にとっての課題です。

 そこでエイカレでは、参加企業15社から選出された営業職の女性社員たちが、ディスカッションや実証実験を経て、「働き続けるためには具体的にどのような改革をすべきか」といった提言をまとめ、プレゼンしています。今年は私も最終プレゼンの審査員をさせていただきました。

 今回は、2017年2月10日に開催された「新世代エイジョカレッジ・サミット」にて、労働生産性を上げる実証実験で、15社31チームの中から優勝したキリンの「なりキリンママ」チームの皆さんにお話を伺いました。実験当時、5人の年齢は20代後半から30代前半、いずれも子どもがいませんでした(うち3人は未婚)。

■営業女子が突然、「1カ月間ママになります!」と宣言した

金田亜弥香さん キリンビール 関信越流通支社 北関東流通部主任、娘:はなちゃん

――「なりキリンママ」は、どういった経緯で始まったんですか?

金田亜弥香さん(以下敬称略) 今回の実験に至った背景は、私たちの「営業は楽しいし、活躍もしたいけど、ママになっても続けられるだろうか?」「そもそも周りに営業ママがいないから、将来のイメージができない」といった漠然とした不安を解決したいというところからスタートしました。

 キリン全社の女性比率は約22%、営業部門の配属はそのうち1割程度。もともと営業職の女性が少ないことに加え、子どもを育てながら外勤の営業職を続ける女性は、グループ全体で7人くらいしかいません。

 そこで、当社のグループ会社に所属する私たち5人が、「営業ママの働き方がイメージできないのなら、実際にママになるシミュレーションをしてみよう!」と立ち上がりました。

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