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カルビーが「懐かし」菓子屋 業界横断で展開する理由

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NIKKEI STYLE

日経トレンディネット

三越伊勢丹と菓子メーカー大手のカルビーが協業で開催した期間限定店舗「Yesterday's tomorrow」」(以下、イエスタディズ・トゥモロー)が大きな話題を呼んだ。

イベントが開催されたのは2016年2月8日から14日までの1週間で、場所は伊勢丹新宿店2階の婦人服フロアのザ・ステージ2。フロアのほぼ中央に日本の"懐かし菓子"を集めたショップをオープン。ロングセラー菓子の量り売りコーナーや、パッケージをモチーフにしたグッズなどが販売された。また店内にミニファクトリーの包装機を設置。量り売りで購入した菓子を市販品のように封入加工し、ベルトコンベアーで受け取れる仕掛けも人気を集めた。

オープン2日目に同店を訪れたところ、女性客に混ざって男性客や子ども連れ夫婦など、幅広い層の客が次々に訪れ、大盛況。なかでも特ににぎわっていたのが、その昔、百貨店にあった量り売り菓子の回転台を思わせる「量り売りコーナー」。「かっぱえびせん」「チョコボール」「たべっこどうぶつ」など、百貨店では通常取り扱わない、いわゆる"流通菓子"が並んでいた。

同イベントを企画したのは、JR東日本で"エキナカの仕掛け人"として知られた、カルビー上級執行役員 事業開発本部 本部長の鎌田由美子氏。つまりこれは、カルビーが菓子各社のロングセラー菓子を集めて出店したショップなのだ。カルビーの狙いはどこにあったのか。

価格競争を脱するため、流通菓子の魅力を"拡散する"

カルビーが自ら出店に乗り出した理由は、値引き競争に悩む菓子メーカーの実態がある。「菓子メーカーはどこも、できる限り良質な原材料を使い、安全・安心を基本に、誰にも手に入りやすい価格でおいしいものを作る努力を重ねている。にもかかわらず、売り場では値引き競争が激化しているのが現状。お菓子の楽しさ、魅力をもっと効果的に伝えたいと思った」(鎌田氏)

鎌田氏が同店を企画するにあたってイメージしたのが、子どものころに体験した工場見学。「白衣を着たスタッフに焼きたてのビスケットをもらったときのうれしさは、今でも忘れられない。完成品を小分けにするところ、袋詰めするところなども。そこで働く人にとっては日常的な作業だが、自社の工場でも行くたびに心からワクワクする」(同)。また子供のころに百貨店で一番好きな場所だったのは、回る円形の量り売り菓子台。こうした流通菓子のワクワク感を集めたのが同店といえる。「エキナカを企画したときもそうだったが、私はずっと"場作り"をしてきた。楽しい場に興味があり、今回も日本の流通菓子のワクワク感を伝える場を作りたかった」(同)

最近、さまざまな業界で「モノ消費からコト消費」といわれるが、鎌田氏によると「今はさらにその先のシェア消費の時代」だという。そこで、お菓子を通じて新しいつながりが生まれる場を提供することで、流通菓子の消費拡大につなげたいと考えたそうだ。

例えば、量り売りコーナーにはレアなシリーズ菓子をあえて多数そろえた。「流通菓子には多くの種類があるが、多くの人はその一部しか知らない。量り売りコーナーで知らなかったお菓子に出合い、ファンになってもらえれば、『あのコンビニにはあった』『こっちのスーパーにはない』といった情報の交換が発生する。それが拡散され、消費者からの要望が伝わることで、コンビニやスーパーでもその商品が置かれるようになる」(鎌田氏)。つまり、SNSなどの口コミの拡散を通じて販路と売り上げの拡大をも期待しているのだ。

さらに、お菓子の楽しさ、魅力を伝える要素のひとつとしてピックアップしたのが、パッケージデザインだ。「メーカーは卸し売りが中心なので、最終的な販路は自分たちで決められない部分がある。しかし今回のイベントのように、ファッションの伊勢丹さんの中に店舗を置くことで、子供のころから見慣れたパッケージでも見せ方ひとつでファッショナブルになることを伝えたかった」(鎌田氏)。そこで、誰もが知っているロングセラー菓子のパッケージをデザインに取り入れたグッズも販売。なかには初日に完売してしまった商品もあったという。

伊勢丹との協業という形をとったのは、ファッション感度の高い売り場×日常の流通菓子という組み合わせが面白いと思ったから。さらに、流通のプロである百貨店が売り場作りでどのような点を重視しているかを学べる機会になるとも考えたそうだ。

菓子メーカーが集まるプラットフォームにしたい

また、カルビーの店舗であるにもかかわらず、多くの菓子メーカーの商品が並んでいるのも大きな特徴だ。「イエスタディズ・トゥモローは菓子メーカーが集まるプラットフォームであり、この店をステップにしてそれぞれのメーカーが自身の商品の魅力を再発見するきっかけにもなれば」(鎌田氏)

取り扱っている商品は、流通業では素人のカルビーが多くの同業他社と交渉して仕入れたもの。最終的に販売した菓子は約200種類だが、取り扱いを断られたもの、同社の取り扱い基準を満たさなかったものを含めると膨大な数になるという。「アイデアは考えたが、社内スタッフの知識と行動がなければ、短期イベントのためにこれだけ多くの菓子メーカーに協力してもらうことは不可能だった」と鎌田氏は振り返る。

今回は期間限定という形だったが、年内には常設のショップをオープン予定。キッチンを設けて作りたての菓子が食べられるようにするなど、着々と構想が進んでいる。現在10店舗あるアンテナショップ「カルビープラス」はメニューや商品が8割程度同じだが、イエスタディズ・トゥモローは今後、全店舗を異なる見え方にすることも検討中。全国展開したときに、その地域の菓子ブランドを生かす業態にするためだ。

「常設店になれば、いろいろな展開ができる。この店をきっかけに、見慣れたお菓子の新たな価値を多くの人に伝えていきたい」(鎌田氏)

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2017年3月22日付の記事を再構成]

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