マネーコラム

ヴェリーが答えます

リキャップCBとは? CBで自社株買い、ROE改善狙う

2017/4/11

 

「リキャップCBとはどういうもので、将来どういうデメリットがあるかを教えてください」(香川県、30代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 リキャップCBとは企業が新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行し、そこで得た資金で自社株を購入する金融手法のことです。狙いは自己資本利益率(ROE)の改善です。CB発行で負債を増やし、自社株買いで資本を圧縮することで、結果的に見かけ上のROEは向上します。

 ROEが改善すれば短期的に市場の評価は高まります。CBは将来株に転換できるという「おまけ付き」ですから、通常の社債と比べて金利は低く抑えられるため、企業にとっても使い勝手がいいのです。一切金利がつかない「ゼロクーポン」にする企業も多いようです。昨年は関西ペイント(4613)などがこの手法を採用しています。

 ただ、おいしい話ばかりではありません。CBの株式への転換が進むと当然負債が減り、資本が増えます。CBの転換には一定の株価水準を設ける会社は多いですが、ROEが改善すると株価は上昇しがちです。リキャップCBを実行した結果、最終的にROEが下がってしまうという残念な事態は十分あり得ます。また、社債発行で得た資金を設備投資などに回せないため、中長期の成長に影を落とす恐れもあります。

 リキャップCBによるROEの改善はあくまで数値上の話です。長期目線の機関投資家などからは批判も多く、東京証券取引所は企業がリキャップCBを実行する場合、資金の使途や株式転換が進んだ際の対応策などを投資家に説明するよう注意を促しています。ROE改善の本来の目的は利益を上げることだということを忘れてはいけません。

[日経ヴェリタス2017年4月2日付]

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