ブロックより速乾 じか塗り制汗剤にビオレが参戦
ここ数年、縮小する制汗剤市場のなかで、ロールオン式などのじか塗りタイプが伸びている。そこに、老舗スキンケアブランドの「ビオレ」(花王)が、新商品「薬用デオドラントZ」で参入した。
●実勢価格/各750円(税込み)
●容量/30g(ビオレ エッセンス)、40g(メンズビオレ エッセンス)、40ml(ビオレ ロールオン)、55ml(メンズビオレ ロールオン)
●香り/せっけんの香り(ビオレ)、アクアシトラスの香り(メンズビオレ)、無香性(両方)
「Zという名称には、わき汗対策の最終手段という思いを込めた。最後発だが、数年後にはトップシェアを狙う」と、ビオレのブランドマネジャーを務める花王の小林恵美氏は語る。
大量に汗をかくシーンを狙う
この市場のけん引役は、2014年発売の「Ban 汗ブロック」(ライオン)シリーズだ。制汗成分が汗腺に蓋をする構造で、においではなく汗そのものを抑える機能性をうたい、「汗ジミ対策」という新しいジャンルをつくった。
薬用デオドラントZは、こうした商品でも太刀打ちできないほどの、大量に汗をかくシーンを狙う。汗を止めるのではなく、かいた汗を素早く乾かすという発想で新技術を導入した。肌上に多孔質粉体が連結した塗膜を作り、表面積を大きくすることで汗が乾きやすくなるという仕組みだ。さらににおい防止を徹底。殺菌剤を汗の中に溶解させる新技術を使い、においのもととなる菌の増殖を防ぐことができるという。
ロールオンタイプだけでなく、指で塗るエッセンスタイプもあり、足の指に塗り込む用途も想定。女性向けの「ビオレ」と、男性向けの「メンズビオレ」で、異なるテクスチャーや容器を採用している。
実際に使ってみると、肌にしっかりと膜が張られる感覚のある「Ban 汗ブロックロールオンプレミアムラベル」と比べると、化粧水のようなサラッとした感触。それでも、汗が服に残りにくくなり、においも気にならないなど、機能性は十分感じられた。
一方、ライオンは液剤が乾くのを待たずにすぐ服を着られる「Ban 汗ブロックスティック プレミアムラベル」を17年2月に発売した。高機能の制汗剤が真っ向勝負する市場に注目したい。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディネット 2017年3月24日付の記事を再構成]
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