ライフコラム

立川談笑、らくご「虎の穴」

丸坊主 失敗した時は心から素直に謝ろう 立川笑二

2017/4/2

PIXTA

 師匠と兄弟子の吉笑と共にリレー形式で連載させていただいている、まくら投げ企画。20周目。今回の師匠からのお題は「ヘアスタイル」。

 私は小学4年生の頃に少年野球チームに入ったのをきっかけに丸坊主にして以来、今日にいたるまでヘアスタイルはずっと丸坊主にしている。

 中学校に入ってからはバリカンを購入し、自分で髪を切っているので美容室や床屋さんと呼ばれるようなところに行くこともなくなった。

 バリカンというのは3週間に1回ぐらいのペースでしか使用しないため、なかなか壊れることがない。購入してから5年間ぐらいは普通に使えるのだが、買い換える時期を間違えると、とんでもないタイミングで壊れてしまうことがある。

舞台袖から学ぶ立川笑二さん(東京都武蔵野市) 

 今から7年ほど前、私が大阪のよしもとクリエイティブ・エージェンシーでお笑い芸人をやっていた頃のお話。20投目。えいっ!

 当時、芸人としての収入がゼロに等しかった私は難波駅の近くのコンビニで深夜の時間帯にアルバイトをして生計を立てていた。

 そのアルバイトの出勤前。お風呂に入るついでに風呂場で髪を切っていたらバリカンが壊れてしまったのだ。

 そのバリカンは5年間ほど使っていたもので、髪の毛を切るパワーが落ちてきているのは気づいていたのだが、まだ使えるだろうと油断してしまっていた。

 私が坊主にする時は、まず、おでこからうなじにかけてセンターラインにバリカンを入れ、右半分を完全に切ってから左半分を切るという手順で行っている。この右半分を切り終えたところでバリカンが動かなくなってしまったのだ。

 充電器に差し込んでみても全く反応してくれない。部屋の中で焦っているうちに気づけばバイトの出勤時間を過ぎてしまっていた。慌てて私は頭を隠すためのニット帽をかぶり出勤した。

 バイト先のコンビニに着いた時には30分の大遅刻。お店のバックヤードに入るなり店長さんから

 「なにしてんねん! お前が遅いから俺が帰られへんやろ!」

と怒鳴られてしまった。

 普段は温厚な店長さんだっただけに、怒った時はものすごく怖い。

 「すみませんでした!」と私が謝りながら頭を下げると更に怒られた。

 「お前バカにしとんのか! ひとに謝る時は帽子をとれ!そんな事も知らんのか!」

 今にも殴りかかってきそうな勢いだ。

 一瞬、躊躇(ちゅうちょ)したものの言われてしまったら仕方がない。

 「本当にすみませんでした!」

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