小さな習慣から時短術まで 読者の仕事効率化アイデア
働く女性にとって、「仕事の効率UP」は永遠の課題ですね。仕事の効率を上げれば、より大きな仕事を任されたり、心に余裕ができたり、プライベートな時間が充実したり……といいことがたくさんあります。日経ウーマンオンラインの読者の皆さんに。仕事の効率化についてお聞きしました。
[調査概要]
調査期間:2017年2月1日(水)~2月28日(火)
有効回答数:468人
調査に集まった多彩な声は、大きく四つのカテゴリーに分類できました。
(1)通勤時や午前中、退社前の習慣で効率を上げる
(2)ノートやパソコンを活用して段取りを計画する
(3)ちりも積もれば大きな効果に……小さな心掛け
(4)社内のコミュニケーション力やアピール力を磨く
ちょっとした習慣から具体的な仕事ノウハウまで、「なるほど!」「面白い!」というアイデアが満載です。まねできるものがあるはず。ぜひ参考にしてください。
(1)通勤時や午前中、退社前の習慣で効率を上げる
通勤時のイメージトレーニングから朝時間の有効活用、退社前のチェックまで、ルーティンとして取り入れられる効率UP術が寄せられました。一度習慣化してしまえば、無理なく続けられそうな内容ばかりです。
・ 通勤電車の中、今日の仕事の流れの確認や気を付けることなど、目をつむってイメージトレーニングをしています。忘れてはいけないことなどを何回も頭の中でイメージしていると、簡単に思い出せるので、スケジュール帳は確認で使っています。(32歳、金融・証券・保険、一般事務・営業事務)
頭がさえている午前中の使い方がカギに!
・ 早朝出勤をしています。残業は力が残っていないので非効率ですが、早朝は電話がかかってくることがなく、効率よく進められます。(33歳、金融・証券・保険、総務)
・ 夜の残業はダラダラしたり、おなかがすいて間食をしたりとよくないことばかりなので、朝早く行き、誰もいないオフィスで仕事しています。(25歳、公務員、経理・一般事務)
毎朝のタスクチェックで1日を見通す
・ 毎朝スケジュール表を基に「今日やることリスト」を作成します。さらに、その中で必ずやることを三つ決め、赤印を付けます。(25歳、金融・証券・保険、一般事務)
・ タスクをカレンダーに落とし込み、毎朝チェック。上司の承認や確認が必要な案件は朝イチで対応。会議がある日は通勤中に、質問事項や要点を職場メール宛てに送信。15時のティータイムには周囲に声掛けをして、早めに忙しい同僚のフォローに回り、予定通り定時で上がる。(31歳、金融・証券・保険、秘書・営業事務)
帰る前の一手間が翌日につながる
・ 毎日帰る間際に手帳を確認し、たまっている仕事やその週のうちに片付けなければいけない仕事を確認している。忙しいときはついつい抜けがちになるので、一息つくタイミングで進捗を把握するようにしている。(24歳、サービス、総務・人事・受付)
(2)ノートやパソコンを活用して段取りを計画する
書き出すことで客観視したりミスを防いだりする方法は、自分なりに工夫して実行している人が多いようです。さらに携帯電話やメールの活用、会議の設定など、細やかなアイデアがたくさん挙がりました。
リストやメモで「見える化」して頭を整理
・意外と簡単なことでも忘れてしまうので、たいしたことでなくてもメモ帳やノートに書き留めておくようにしています。(29歳、営業)
・ やらなければならないことは、期限とともに付箋に書き出し、見えるところに貼っておきます。(26歳、教育、専門職)
・ 仕事を四つのグループに分けて、取り掛かる順序を分かりやすくしています。緊急度の高低、重要度の高低で座標軸をノートに書き、仕事が発生したときや始業前、前日の終業時にやることを付箋に書き起こし、ノートの座標軸に貼っていくのです。仕事に取り掛かるときは、重要度が高く、緊急度の高いものから。優先順位が視覚的にはっきりし、分量も分かるため頭の中もスッキリ。あれこれやらなくてはという変な焦りが消えます。付箋が消えていくのも爽快です。(39歳、製造、研究開発)
パソコンや携帯電話をうまく活用する
・ 漢字変換の辞書登録機能を活用して、メールの返信にかける時間を短くしています。「おつ」→「お疲れさまです。」、「あり」→「ありがとうございます。」などを登録しています。(27歳、金融・証券・保険)
・ 営業先や外出中に「あれもやらなきゃ!」と思い出したことは、その場で携帯メールで単語だけ簡潔に打って、会社メールアドレス宛てに送信します。会社に戻ったらまずはメールをチェックするので、「そうだった!」と作業忘れの防止になります。(29歳、営業・営業事務)
・ スケジュール帳とスマホ、両方へ同じように予定を書き込むようにしています。少し面倒ですが、2度同じ作業をすることで今週はこれをやるといった振り返りができるため、ダブルブッキングや急に予定を思い出して焦るといったミスがなくなりました。(34歳、IT・通信、企画・広報)
自分の仕事と生活をしっかり振り返る
・ 自分だけの週報を書くようにしています。週報には、「予定」「実際」「朝」「アフターファイブ」「備考」の欄を設け、プライベートも仕事も合わせて見渡すことで生活にメリハリが付き、モチベーションアップになっています。また、必ず月曜の朝に週の予定をチェック、毎朝その日の予定をチェックすることをマイルールにしているので、その週・日の目標が明確。何をするか迷ったり困ったりしたら週報を見ることで、全体の時間短縮に取り組んでいます。(29歳、製造、技術職)
・ 残業癖があるので、毎日三つ、「このおかげで残業しなくて済んだ」という良い点、そして「これをやったせいで残業しちゃった」という反省点を挙げることにしました。ノートに書き出したりしなくても、就寝前や通勤中などの空き時間に自分の仕事の仕方を振り返るようになっただけで「もっと効率よく働く方法はないか?」と考えるようになり、少しずつ仕事のやり方が改善されてきている気がします。(32歳、製造、一般事務・営業事務)
仕事の段取りを一工夫する!
・ タスクは優先度別にアプリで管理。終わるごとに「完了」ボタンを押しています。仕事は、作業25分 → 休憩5分 → 作業5分――とリズムと区切りを持たせ、短期集中で済ませています。(24歳、商社・卸・流通・小売、人事・企画・マーケティング)
・ 話をする時間が欲しい相手には早めの時間帯に「今日、10分ほどお時間が欲しいのですが何時ごろなら大丈夫ですか?」とあらかじめ聞いておき、時間の無駄がないようにします。(38歳、医療福祉関連、一般事務)
会議の進め方と部屋の予約にもコツが!
・ 私が議長の会議はすべて事前に資料を配布し、事前に読んでおくことが前提です。資料を読むところから始めなくていいので、時間が短くなります。(31歳、建設・不動産、研究開発・専門職)
・ 会議が長引かないように、自分で部屋を取るときは前後に会議の予約が入っている時間にわざと予約を入れます。(35歳、IT・通信、専門職)
(3)ちりも積もれば大きな効果に……小さな心掛け
仕事そのもののやり方ではなく、仕事への姿勢や心掛けから効率化を図る方法もあります。自分でうまくモチベーションを上げたりリフレッシュしたりする工夫で、結果的に仕事がはかどるのかもしれません。
身の回りを整理してムダを省く
・ 週に一度、資料の整理をします。要らない資料は捨てて、必要な資料はファイリング。(28歳、製造、営業)
・ メールは不要なものはすぐに消去、書類も今後必要ないものはシュレッダー。情報が多過ぎないように、身の回りを整頓して動きやすくしています。(31歳、製造、研究開発)
早めに動くことで、後がラクになる
・ すぐできることは後回しにしないですぐに片付けます!(26歳、教育、専門職)
・ 言いにくいことなどは早めに環境・状況を判断し、よいタイミングで話すようにしています。(26歳、IT・通信、営業)
・ 仕事がきたら、すぐに着手することにしています。また、次から次へ、どんどん手を出さず、一つひとつ完結させてから、新たな仕事をこなします。そうすることでパニックにもならず、落ち着いて集中できます。(29歳、製造、営業事務)
「やらない」ことを潔く決める!
・ やらなくてもいいことに首を突っ込まない。(34歳、製造、一般事務)
・ 自分の得意なことを常にアピールし、得意でないこと、無駄な仕事は受けないようにしています。(40歳、製造、研究開発)
気分をリフレッシュすることも大切!
・ 好きなカラーの文具を使用することで、気持ちの切り替えを素早く行うことができます。(25歳、IT・通信、SE・技術職)
・ パソコンの通知アプリを使って、どんなに忙しくても1時間に5分程度は休憩(歩く、ストレッチをする)を入れるようにしている。ずっとイスに座る生活をすると、寿命が縮まるとニュースで知ってから、自分ルールにしています。(34歳、公務員、人事)
・ 仕事の効率化について、いろいろ試しました。その中で一番効果があったのは、十分に睡眠を取ること。頭がクリアになり、作業の効率が上がり、ミスがなくなりました。気持ちにも余裕ができて、ストレスもなく、体調もよく風邪をひかなくなりました。家に帰ってから2時間後に寝られるように、洗濯はタイマーを使って帰宅時には洗い終わっているようにする、お料理は30分以内で作る、テレビは見ない、といった工夫をしています。(35歳、建設・不動産、専門職)
(4)社内のコミュニケーション力やアピール力を磨く
どんな仕事も、基本的には一人ではできないもの。同僚や上司との付き合い方が、仕事の進捗に大きく影響する場合があります。残業しないためのさりげないアピール法や心の持ち方などもご紹介します。
いざというときに頼れる人脈をつくっておく
・ 困ったときにヘルプをお願いできる人を探しておきます。「しょうがないな」と言いながらも助けてもらえることが大変ありがたいです。(27歳、IT・通信、SE)
・ ずうずうしいのですが、他部署の飲み会に可能な限り呼んでもらっています。一人でできる仕事はたかが知れているので、何かあったときに頼れるように人脈を広げるためです。(27歳、サービス、経理)
上司への接し方にも効率UPのポイントあり
・ 上司が優先順位を意識しないで仕事をするタイプでしわ寄せが来ることも多いので、何か対応してほしい仕事がある場合などは、優先順位、一、二、三など書いてメモして渡すよう心掛けています。(30歳、商社・卸・流通・小売、販売・接客・一般事務)
・ 上司から資料の直しが入るのはいつものことなので、7~8割のときに見せるようにしています。前と言っていることが違ったり、人によって言っていることが違ったりはよくあることなので、そこに憤りを感じずに、素直に聞き入れると、長くかかりません。(32歳、製造、研究開発)
・ どんなに忙しくても上司の雑談とジョークとダジャレには付き合い、大ウケするようにしています。聞こえていないのかと思って何度も同じことを言うし、だんだん声は大きくなるしで、最終的には聞いてあげることになるからです。長引くし、最初に即反応して大笑いして早めに終わらせるのが得策です。(38歳、製造、一般事務)
周りの人に状況をアピールする
・ 自分で時間までにこなせそうになかったら早めに周りの人に言って一緒に考えてもらう。一人で抱え込まない。(35歳、金融・証券・保険、一般事務)
・ 退社前1時間は打ち合わせを入れないようにしています。(35歳、IT・通信、企画)
・ 残業をしないためには、夜の予定をつくることが私にとっては一番です。人と会わなくても、欲しい物のウインドーショッピングをしようとか、気になっていたDVDを見よう、ジムに行こうなど、簡単な予定でも決めておくと退社時間の目安ができて仕事がはかどります。(34歳、教育、総務・人事・一般事務)
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働く女性の仕事の効率UP術は、いかがでしたか。みなさんにとって、何かしらの「発見」があったのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてくださいね。
(ライター 佐々木恵美)
[nikkei WOMAN Online 2017年3月13日付記事を再構成]
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