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キンコン西野 話題の絵本は100万部狙い、秘策明かす

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漫才コンビ「キングコング」として、相方の梶原雄太と活動している西野亮廣。彼が絵本作家として手がけた『えんとつ町のプペル』(2016年10月発売)の発行部数が27万部を突破した。外の世界から隔絶された「えんとつ町」を舞台に、「汚い、臭い」と嫌われるゴミ人間に、えんとつそうじ屋のルビッチが出会う物語をオールカラーで美しく描いている。

レギュラー出演していた『森田一義アワー 笑っていいとも!』で西野が描いたイラストを見たタモリから、絵本を書くことを勧められ、筆を取ることに。09年に『Dr.インクの星空キネマ』で絵本作家としてデビュー。今回が4作目となる。クリエーターとしてだけでなく、プロモーターとしても才能を発揮する彼に作品に込めた思いを聞いた。

「まず、今作の発売に当たって、今、一番売れているものの共通項を探しました。よくモノ消費からコト消費へと言われますが、体験型の感動を付加したものが売れているのかなと……。単にコンテンツを受動的に受け取るのではなく、ユーザーが参加し感動し、思いをみんなで共有するタイプのものです。アーティストのライブ会場でグッズが飛ぶように売れていますよね。

それには、私をこれまで応援してくださっているファンの方々を巻き込むことが大切かなと。そこで今回、みなさんに『作り手』になってもらいました。内容と画の見本をネットで公開し、クラウドファンディングで出資金を募ろうと。1人2000円でも3000円でもいい。制作費の目標を1000万円に設定し、募りました」

ファンを作り手にする

「次に、さらなる『作り手』として、絵本の共同作業をしてくださる作家を募りました。絵本作家の卵や、CGアーティストたちを、ボクが直接、1人ひとり面接をして35人選びました。今作の高精細な画をこの短い時間で完成させるためには、この35人のアーティストの力が絶対に必要だったので。何より、ボク1人でなく、"みんな"で作ると決めていました。そして、このプロジェクトの進捗状況はブログで公開しました。ちなみに、各アーティストへのギャランティーですが、まずは販売数に左右されない買い取り報酬式でお支払いし、増刷ごとにボーナスを出しています。次回作への協力も依頼済みです。

作品が完成したら、次は、体験型の消費として、全国各地で原画展を開くことに。原画展の開催費用もクラウドファンディングで賄いました。当初180万円を設定していましたが、6000人以上から、5000万円近い金額を調達できたんです。展示にも一工夫が必要と思い、原画自体が光るように、LED照明装置付きの額に。ギャラリーの部屋の電気を消して会場を真っ暗にしても鑑賞できるので、幽玄でロマンチックな個展が可能になりました。

個展に足を運んだら、記念品や思い出になる品が欲しくなりますよね。そこで、会場でサイン入りの絵本を売りました。地方創生の機運が各地で高まっているということもあり、ありがたいことに、原画展のオファーが今でも引きも切らない状況です」

体験をリアルに共有できることを念頭に置いた、そのひらめきで、今作は27万部を突破した。だが、絵本としては異例とはいうものの、初版3万部だった売れ行きが、どこで一気に加速したのだろうか?

「ある小学生からSNSで『今作を買いたいけど、2000円は高すぎて手が出せない』というコメントが寄せられたんです。夜、飲みながら、知り合いたちと話しました。結論として、『絵本は子どものためにある。無料公開してしまおう』と……。もちろん、関係各所にはお伺いをたてましたが、調整する間もなく、ほぼクーデターでした(笑)。ボクはすぐ思いつきで行動してしまうので、周りにご迷惑がかかることも多いです(笑)。でも出版元である幻冬舎の見城徹社長と、吉本興業の大崎洋社長が、最終的にGOサインを出してくれたので助かりました。

こうして1月に、ウェブで無料公開したわけですが、ボクから見て、賛成と反対の意見は、ちょうど真っ二つでした。出版や絵本業界の方々からは、反対の意見が強かったように思います。

一方、好意的だったのは、キングコングをデビュー時から追っかけてくれていたファンの女性たちでした。もう結婚して、小さな子どもがいる人も多いです。そんな方々から、お礼のコメントをもらいました。絵本は安い買い物ではないので、図書館や本屋さんで最後まで立ち読みして『これなら子どもに何度でも読んで楽しんでもらえる』と思える本だけを買うんだそうです。だったらボクの絵本も、スマホで何度でも立ち読みしてもらって、確認してから買ってもらえばいいじゃないかと……」

小説版、そして映画化?

「ピコ太郎さんの『PPAP』も、無料公開が先にあってこそ、カラオケやCMで売れました。だから、無料公開自体は、もう珍しいことではないと思います。

次はどうしたらいいかな……。なんせ、100万部突破を目指していますので(笑)、仕掛けは多いほうがいいですよね。例えば、ボクの絵本は、1作目は偶然でしたが、2作目からは、あえて形を正方形にしています。それは、正方形の画像がうまく収まるインスタグラムでどんどん本の紹介をしてもらうためです。ネットで注文を受けて、サイン本を発送する作業も自らやっていまして、これでも2万部まで売りましたが、このやり方ではミリオンは行かないなと……(笑)。ミリオンのハードルを超えるには、まだまだ仕掛けがもうひとつふたつ、必要だと思い、準備しています。100万部という数字は、なんとなくノリがいいから言っているだけで、ミリオンにこだわるわけではありません。でも正直、100万って、もっと簡単に行けると思っていました。

さらに幅広い人に『えんとつ町のプペル』を知ってもらうため、今、小説版を書き始めています。なぜ『えんとつ町』が生まれたのか、『ゴミ人間』『ルビッチ』『プペル』とは何か、といった、絵本だけでは分からない背景を書いています。絵本と一緒に読むともっと楽しめるものにしたい。最終的には、世界観を俯瞰できる映画にできたらいいなと。アニメか実写か……、かなえたい夢ですね」

(ライター 麻生香太郎)

[日経エンタテインメント! 2017年4月号の記事を再構成]

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