うずらの卵は最強の串カツ? 揚げて食べる卵の美味
卵(4)
前回まで読んでいて、皆さんからいただくメールはどれもポイントを突いているなあとつくづく思う。なんか凄く勉強になる。こんなこと書いた本てないもんなあ。
さて目を国内に転じよう。生卵のずるずる感について。
旅館の朝食は卵が器に入っているではないですか。その器に白身を捨てて、茶碗のご飯にくぼみを作っておいて黄身を投入します。白身を捨てるための器だと思っていたら、学生になって旅行に行ったとき、友人が卵を割り、醤油を垂らし、卵をかき混ぜていて、そのために器があるのだと知ってびっくりしました(発射口@神奈川さん)
どれくらい責められるんですか? ハゲシク責められるんですか? 休日に早起きして黄身だけ卵ご飯をこっそり食べているあなたは健気。
卵は鶏卵だけではない。
そして、飲食するものはきっぱりと串カツとビールのみ! もちろんごはんも、サイドメニューもありません。非関西人は、まちがいなくその光景に目を丸くします。
で、その串カツの中で私が最もつおいと思っているのは「うずら玉子串」。変わり串や創作串はなくてもいいけど、メニューにこれがなかったらきっと大阪では暴動が起きるはず。うずら玉子の黄身って、揚げるととろ~んとしておいしいんですよねえ…。こんなこと書いてると串カツ食べたくなってきた(いけずな京女43歳さん)
長門市の焼き鳥について、概要を紹介する。
長門市は口1万人あたりの焼き鳥店舗数が日本トップクラスを誇る焼き鳥のまち。
焼き鳥といっても豚肉も魚介も野菜もまじる串焼きで、具の間に挟むのはタマネギ、基本は塩、ちぎりキャベツとともに出てくる。いわゆる北部九州型である。
ただ、長門特有の食べ方として「ガーリックパウダー大量振りかけ」「一味&ガーリック混合振りかけ」というのがある。ガーリックパウダーには意表を突かれた。
それと海が近いので新鮮な干物が安く手に入る。この干物が焼き鳥店の定番メニューなのである。串を焼いてもらい、干物をあぶってもらいして長門の飲み屋の夜が更けていく。昼は仙崎あたりで魚を食べ、夜は街中で串に干物。金子みすゞの童謡詩でも口ずさみながら…。
新世界の串カツ王国は大阪が真性アジアであることの証明である。私も大阪在勤時代にその虜になった。朝っぱらから立ち飲み食いのソース2度づけお断り。常連客の食べ方飲み方は芸術的だぜ。
デスク告白 今回も京都の帰り、阪急に乗って梅田に出て阪神百貨店の前の串揚げ屋でビールと串揚げを堪能してから帰京しました。前回の干物の時も。関西に行ったら串揚げ食わんで帰るわけにはいきません。生キャベツどか食い!
こういうの好き。
スーパーで買ってきた納豆を前に思案していると、幼少期を関東圏で過ごした父が「生卵を入れて卵がけご飯みたいにすると美味しい。鶏卵だと卵が多いのでウズラの卵2個ぐらいが適当だ」と教えてくれました。
確かに美味しい、ウズラの卵入り納豆の魅力に取りつかれた私は毎朝食べるようになりました。でもウズラの卵は鶏卵より高いのです。母は子供が好きなのだからと何も言わずにウズラの卵を冷蔵庫に常備してくれていましたが、気が引けた私は小遣いをはたいてペットショップでメスのウズラを買って来て「この鳥が産む卵を使って」とやらかしました。
ウズラはちゃんと毎日卵を産んでくれましたが、今から考えるとウズラを飼う手間よりもスーパーで卵のパックを買うほうが母も楽ができたのにと苦笑してしまいます。何も言わずにウズラの面倒を見てくれた母に感謝してます(通りすがりの関西人さん)
ラジオ深夜便のような味わいがある。このウズラも健気で愛おしい。
ベティー隊員 いいお母様ですねえ。
熱した油に卵を割り入れる? ほー。
揚げ卵と言えば、熊本の太平燕(タイピーエン)を思い出す。恐らくいちどゆでた卵を油で揚げたものが入っている。正体は春雨スープなのだが、この卵が加わることによって重量感が増す。おいしい。
3個持ってった若者(♂)が後日お店に来て、真っ赤な顔して曰く
若者「ま、参ったよマスター、ハバネロを甘く見てた!」
Martin 「だから、ばか辛いって言ったらぁ~!」
若者「ばか辛くて美味かったんだけど、ばか痛かったにぃ~!」
Martin「痛いって、どこがぁ~?」
若者「ハ、ハバネロ触った手を洗わずにト、トイレ行っちゃったの!」
Martinはその意味がすぐ分かった。実はMartinもハバネロ触った手で目をこすったことがあるからです。若者がどれほど痛い思いをしたかはご想像にお任せします(浜松のMartinさん)
だから私は以前から「赤い殺意」の取り締まりを主張しているらぁ~。危ないって言ってるにぃ~。
デスク反論 だから恋人だってばぁ。その痛さも良さなの。
これがその写真。
白いひも状のものがうどんで、見事に魚肉のなかに練り込まれ一体化しています。恐る恐る食べてみたのですが、ところどころに感じるぷにゃぷにゃしたうどんの食感が心地よく、あっさり味の練り物と意外にも調和していました。
この「うどん」、はたして他の地域にもあるのでしょうか。
ところでふと気づいたのですが、おでんの「具」と呼ぶか「種」と呼ぶか、「だし」と呼ぶか「つゆ」と呼ぶかは地域的な違いがあるのでしょうか(みんみん♂さん)
未見の物件である。おでん研究家の新井さんに救援を求める。
私は酢ですすぎ、市販の麺つゆをそのすすぎ汁と水で割って、うどんやそうめんのつけ汁にしています。水ではきれいにすすげないのですが、酢ならきれいにすすげますよ。あっ、引かないで~~。マヨネーズ命の麺好きとしては当然のことなんですから(オカピさん)
酢ですすぐという手があったか。こんどからそうして捨てよ。
チャンポンの麺は東京のどこで買えるのかというご質問をいただいている。大手スーパーで比較的よく見かけるので、スーパーに行かれたら麺売り場で血眼になっていただきたい。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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