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いい銘柄を見つけた 「買い」決断のタイミングは? 億万長者がアドバイス・投資に勝つ知恵(6)

日経マネー

2017/5/19

イラスト:藤井龍二
日経マネー

 いい銘柄だと思っても、値動きを見ているうちに取引時間が終わってしまうことがあります。買いのタイミングはどう判断すればいいでしょう?

◇  ◇  ◇

■まずは少額で参入してみては

 質問を聞いて、まず言いたいことがあるというのは専業投資家の夕凪さんだ。「この質問者の方はトレードに対してすごい理想を持っているように感じます。底値で買って高値で売るなんて無理! 私はいつも底値も高値も逃してますよ、すいません」と笑う。絶好のタイミングで株を買ったり売ったりするのは億万投資家でも難しいのだ。

 いいと思ったらまずは買ってみるという意見は多い。AKIさんは「いいと思う銘柄に出合ったら翌営業日に買うことも多いです。まずは買って、色々なことはそこから考えればいい。怖いなら、その銘柄に入れようと思っている資金の3分の1くらいで買ってみてはどうでしょう。であれば値下がりしても大きなダメージは受けません。思った通りに値上がりしたなら、そこで改めて買い増しすればいいのです」と言う。

 v-com2さんも 「取りあえず100株買ってみることをお勧めします。本当にいい銘柄なら成功するし、いい銘柄でなかったら、何が間違っていたかが分かります。こういう経験を積み重ねることで自分なりの投資方法が身に付いていくのだと思います」と同意見だ。

■「いい銘柄」の精度を上げる

 いいと思う銘柄が買えないのは、「いい」の部分に確信が持てないからということもあるだろう。「いい」の精度を上げることも有効だ。

 「この銘柄なら50~100%の株価上昇も見込めると思うなら、足元の数%の値動きなど誤差に過ぎません。“株価”を見るのではなく“価値”を見ることを心掛けています」(v-com2さん)

 かぶ1000さんは買う前に銘柄のことを調べ尽くす。「いい銘柄、悪い銘柄という判断はせず、株価が企業価値より高いか安いかしか見ない。安ければ買い、割高になれば売ります。売った後に100倍になることもありますが、これが自分の投資スタイルなので仕方ありません。資産の見極めが重要なので、買う前に有価証券報告書などは読み込みます」

 しっかりしたストーリーを持つことでハードルを下げられると言うのは夕凪さんだ。「今は会社がどんな商品を出し、業績がどうなって株価はどうなるといったストーリーがないと株価は上がりにくい。それも誰もが思い付く内容ではなく、それ以上のものが出てこないと大きく上昇しない」

 夕凪さんは、いいと思う銘柄についてストーリーを描いてみる。決算は予想より良いはずだから株価は上昇するはずなので決算前に買いで入ろう、駄目だったら撤退しようといった具合だ。

 「いい銘柄でも現時点で描いたストーリーのどこの位置なのかで、(買いに)入る入らないの判断は変わります。入れないのはストーリーに自信がないということ。まずはストーリーの検証が先です」(夕凪さん)

(日経マネー 本間健司、小谷真幸)

[日経マネー2017年5月号の記事を再構成]

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