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投資で負け気味… 強いメンタルをつくるには 億万長者がアドバイス・投資に勝つ知恵(5)

日経マネー

2017/5/15

イラスト:藤井龍二
日経マネー

 負けが込んでくるとなかなか立ち直れません。証券口座を見るのも嫌になります。負けに負けないメンタルをつくるにはどうすればいいのでしょうか?

◇  ◇  ◇

■まず含み損は実現損にすべし

 リーマン・ショック直前の2008年6月、私は株で800万円以上の損を出しました。損をする前の全財産が約3600万円ですからこれは本当に痛かった。

 ある銘柄を信用を使って仕込んだのですが、悪い決算が出て株価はストップ安の売り気配。もちろん私も投げましたが、引け後に比例配分で約定したのは、投げた111株のうちのたった1株。翌日は金曜日でしたが、どうしても会社に行く気が起きず、頭が痛いと言って休んでしまいました。

 一日中、パソコンの画面を眺めながら寝ていましたが、やられた時は本当に重力が増したような気がするもので、はうようにトイレに行ったことを覚えてます。結局、翌月曜に損が確定します。

 この時も含めて何度もやられていますが、損をすれば心はダメージを受けます。これは仕方ない。立ち直るには投資のモチベーションを引き出すしかありません。

 私の場合、買値から10%下がった銘柄は問答無用で売ります。その銘柄の復活を信じている時は、一旦売って含み損を解消、その日のうちに買い直します。損出しクロス取引です。下げ局面では何度もやる。これは含み損が実現損より心をむしばむからです。

 心の面だけでなく技術的にも利点があります。例えば含み損を抱えた銘柄が上昇し、株価がわずかでも買値を超えると、人はどうしても売りたくなります。含み損を解消しておけば、冷静に上値を追える可能性が高くなる。

■悪い情報を見ず、投資意欲をかき立てる

 市場全体が下げている時はスクリーニングも投資意欲をかき立ててくれます。例えば配当利回り3.6%以上、PBR10倍以下、ROA10%以上といった厳しい条件を設定しても、相場が悪い時は銘柄がたくさん引っかかってくる。これはこれで楽しいです。

 証券口座の確認を続けることもモチベーションの維持に欠かせません。売買せずともMRF口座への入出金指示など、何でも構わないので操作する。心が弱っている時に何もしないと株から興味が離れてしまいます。

 悪い情報から距離を置くことも心掛けています。日経平均株価が7054円を付けた09年3月、株式市場は暗黒時代で、本屋さんには大恐慌本や1ドル=50円時代が来るなんて本が平積みになっていました。私は手に取らないようにしていましたが、当時、あの手の本を読んでいたら、確実にメンタルをやられていたと思います。

 小さなことですが、投資ノートや家計簿を付け続けることも効果的です。資産管理をしっかりすることで自分は間違ったことをしていないという確信が持てます。

 私は株が大好きで、株で資産を築く以外に成功への道がないと考えてきました。負けたからと言って落ち込んでる暇はなかったという事情もあります。追い詰められれば人間、立ち直れるものです。

(日経マネー 本間健司、小谷真幸)

[日経マネー2017年5月号の記事を再構成]

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