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投資を始めたい けど最初の一歩が踏み出せない… 億万長者がアドバイス・投資に勝つ知恵(1)

日経マネー

2017/4/21

イラスト:藤井龍二
日経マネー

 株式投資を始めてみたいとは思うのですが、「何十万円も損するかもしれない」と思うと、なかなか踏ん切りが付きません。背中を押してください。

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【皆、もうかるからやってるんです】 JACKさん

 株は怖いというイメージを持っているのかもしれませんが、最初に考えていただきたいのが、「なぜ、多くの人が株式投資をしているか」ということです。理由は簡単です。もうかるからです。皆が損するだけだったら誰も株式投資なんてしません。

 だまされたと思って株主優待と配当があり、投資金額10万円以下で買えるような銘柄を買ってみてください。資金も虎の子のお金ではなく、1カ月のお小遣い分とか、飲み会を何回か我慢した分とか、失っても困らないような余裕資金を使いましょう。

 1回でも上がれば「怖さが好きになる」と思うはずです。たまたま2回、3回と下がって嫌になったら、やめていいと思います。損も大した額にはならないでしょう。

 株が向いていないと思ったら、投資対象が物として残る不動産投資はどうかとか、FX(外国為替証拠金)取引なら24時間できるからこっちがいいとか、方向を変えればいい。投資は株だけではありません。ただ、どんな投資でも利益を得るには、損をするリスクが伴うことをお忘れなく。

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【最初の一歩は年齢次第】 かぶ1000さん

 株式投資もある程度の経験が必要ですから、始める時の年齢によって最初の一歩は変わってきます。20代の方なら失敗してもリカバリーのチャンスはいくらでもあります。むしろ、若いうちに失敗を重ねた方がいいかもしれません。まずは株を買ってみましょう。多くの投資資金は用意できないでしょうが、例えば虎の子の100万円を1つの銘柄につぎ込むような投資だって悪くないと思います。

 一方、50歳前後の方から株式投資を始めたいという相談を受けたら、最初は確定拠出年金を使ってのインデックス投資をお薦めします。サラリーマンなら税の優遇分だけで20~30%の確実なリターンが見込めますし、積み立て投資を実践できます。

 本当のところは自分が50代になってみないと分かりませんが、多くの資産があったとしても大きなリスクは取れませんし、取らない方がよい。

 要は株式投資にどのくらいの時間をかける覚悟があって、どのくらいの収益を期待するかによって最初の一歩は変わってきます。

 株の収益を主な収入源にする気がないなら、配当利回りが高く、消費者に密着した事業を展開するような会社の株を買ってみてはどうでしょう。40代、50代の方なら、それまでの人生で培ってきた専門分野の知識を活用して銘柄を探すのもいいと思います。

 また、株を始めておけば、定年後も株主総会やセミナー、オフ会などで社会とのつながりを維持できます。お金の損得以外の株式投資のメリットにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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【お金以外の利点にも注目を】 槙谷健吾さん

 投資は失敗を経験し、そこから色々と学ぶことで成功が生まれます。最初から失敗を恐れることはありません。ただし、重要なのは挽回可能な失敗をすること。いきなり大きな金額で勝負するのではなく、小さな金額でトレードに慣れていくのがいいでしょう。

 投資は始めるのが早ければ早いほど、経験を積む時間も失敗を取り戻す時間も確保できます。ためらっている暇があったら、とにかくやってみましょう。3~4回分の飲み代で投資は始められます。

■仕事などにもメリットが

 投資をする理由は、お金を増やすことだけではないという意識を持つと、一歩を踏み出しやすくなるかもしれません。投資には、お金以外にも様々なメリットがあります。

 まず政治や経済、企業の最新情報を得ることが欠かせませんから、ニュース番組を見たり、雑誌や新聞、ネットなどの記事を読んだりする機会が自然と増えます。情報に敏感になると知識や話題もどんどんと増えて、仕事や交友関係にもいい影響が出てきます。

 また、自分の投資したお金が世の中でどう使われるのかを学ぶことで、社会の仕組みやお金の流れをつかめます。社会の構造や税金、社会保障などの仕組みは今後どう変わっていきそうか、といったことを予想し、そのための備えをしていけば、将来的に生活に困るリスクを減らせます。

 自分の“世界”が広がる、人生設計に取り組めるというのは、見逃せない投資のメリットです。

 またお金に関連したことでも、私の場合、仕事とは別の収入源を確保できたことで本業へのプレッシャーやストレスが減り、仕事の方もうまくいくという副次的なメリットも感じています。

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【始めてみなきゃ分からない!】 v-com2さん

 私が投資を始めたきっかけは、株主優待制度を知ったことでした。最初はもう単純に、優待券でお得に食事をしてみたかった。あと、多少は経済の勉強にもなるかなと思いました。それなら、早いうちに始めた方が有利だよねと思った記憶があります。

 株式投資は10万円や20万円で十分に始められます。「取りあえずやってみる」くらいの軽い気持ちが必要です。仮に少しくらい損したって、働いて取り返せばいいじゃないですか。そう思えるような金額で始めましょう。

 どんな投資家に聞いても、「投資は始めてみないと分からないことがたくさんある」と言うでしょう。どのようなニュースや材料が株価に影響し、どの程度のインパクトがあるのか。実際に投資していないと、実感としてつかめません。だからこそ早いうちに小さく始めて、知識や経験を少しずつ積み重ねていくことが大切です。

 投資には物事を柔軟に考えられる頭が必要だと思いますが、この点でも若いうちほど有利です。

 優待をきっかけに始めた私も、やってみて初めて分かったことが多くありましたし、知識や経験が増えるにつれて投資の楽しさも膨らんでいきました。そういう楽しさが分かれば続けられますし、自分に向いていないと思えばいつでもやめられます。

 絶対に失敗したくないとか、元本割れは耐えられないという人は、そもそも投資に向きません。投資はやはり、失敗してなんぼの世界。なかなか踏み出せない人は、「失敗は悪いことじゃない」という意識改革をまずしてみましょう。

(日経マネー 本間健司、小谷真幸)

[日経マネー2017年5月号の記事を再構成]

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