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少額分散投資だけじゃない 一歩進んだETF活用法 QUICK資産運用研究所 清家武

2017/3/29

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 上場投資信託(ETF)は機関投資家や証券会社から集められた株式の現物出資によって、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数の動きに連動するように運用するファンドだ。株式の現物出資によって投資信託を組成するので、ETFが組み入れ銘柄を買い付ける手間がなく、インデックスファンドに比べて信託報酬などのコストが低くなるのがメリットだ。

 また、ETFの受益証券は証券取引所に上場しているので、投資家はどの証券会社からでも通常の株式と同様、指し値注文や信用取引などの方法で売買することができる。

■大切な銘柄を持ち続けるために

図A

 このETFをうまく活用すれば、個別銘柄が下落したときのリスクヘッジが可能になる。

 例えば、保有銘柄が相場全体の下落に連れ安すると予測したとしよう。その場合はETFを信用売り(空売り)することで、資産全体の損失額を抑えることができる。個別銘柄とETFの値動きにある程度の連動性があるなら、個別銘柄の値下がりによる損失をETFの空売りの収益で相殺できるためだ。

 このように、ETFの空売りをうまく活用すれば、長く保有したい大切な銘柄を損切りしなくても済むケースがある。

 資産を守るリスクヘッジではなく、信用買いと空売りをうまく組み合わせて、積極的に収益獲得を狙う投資方法もある。プロの運用の世界では「ロング&ショート(買いと売り)」「マーケットニュートラル(市場中立)」などといわれ、ヘッジファンドがよく使う投資手法だ。

 個別銘柄の買いと同等金額のETFを空売りすることによって「マーケットリスク」(β)を排除し、個別銘柄の「独自のリターン」(α)の獲得を目指す(図A)。個別銘柄「JR東海」の株式を買って、日経平均連動型ETFを同等金額、空売りした場合をシミュレーションしてみよう。

■下落局面に強み

 相場が大きく上昇した2013年をみると、日経平均は57%程度、JR東海株は77%程度上昇した。一方、シミュレーションの結果、「JR東海株買い+日経平均ETF空売り」は2割程度上昇した。JR東海株の値上がりが投資シミュレーションの成績を押し上げた(グラフB)。

グラフB (注)QUICK資産運用研究所調べ、2012年12月末を100として指数化

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