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年金額下がりやすく 賃金・物価上昇でも据え置きも 4月から0.1%、3年ぶり引き下げ

2017/4/1

 4月から1年間の年金額がそれまでに比べ0.1%とわずかながら引き下げられることが決まった。引き下げは3年ぶりだ。公的年金の額は世の中の物価や賃金の変動に応じて毎年改定する仕組みになっている。これらが下がったことが年金額に反映された。ただ今後、物価や賃金が上がっても年金額はそう簡単に増えないとの声も聞こえる。どういうことなのだろうか。

 まず年金額の改定について基本を押さえておこう。

 年金は2カ月分をまとめて支給するのが原則。4、5月分は6月15日に指定の口座に振り込まれる。改定後の年金を受け取るのはそのときからだ。4月にも年金の振込日があるが、それは2、3月分なので金額はまだ変わっていない。

 日本年金機構は年金受給者に対し、5月から順次新しい年金額の通知書を発送する。自分の年金額がどうなるかをしっかり確認しよう。ただ、通知を見る際に特に注意が必要な人もいる。それは「現役時代に勤めていた会社に厚生年金基金という企業年金制度があった人」(同機構)だ。

 そうした人は、厚生年金の一部が基金から支払われる。その分は通知には記載されないため、通知額は少なく見える。そのうえ、0.1%の減額分を基金支給分からは差し引かず、日本年金機構が支給する分からすべて差し引く。このため通知だけ見ると減額幅は0.1%より大きくなる。

 では、支給される年金額はどの程度なのだろうか。

 自営業者などが加入する国民(基礎)年金は原則として、保険料を払った加入期間で金額が決まる。40年加入で満額を受け取る場合、その額は4月から月6万4941円。これが前年度比で0.1%減った額だ。

■天引き額を確認

 厚生年金は会社員時代の給料と加入期間で金額が決まる。一概に金額を示しにくいこともあり、厚生労働省は年金額を「モデル世帯」で例示することが多い。夫は平均賃金で40年間働き、妻は専業主婦などと想定したモデル世帯の年金額は4月から0.1%減り、月22万1277円となる。

 モデル世帯といわれてもぴんとこない人も多いだろう。年金制度に詳しい特定社会保険労務士の東海林正昭氏によると、大卒で37~38年ほど会社に勤めた男性の場合、65歳から受け取る年金額は厚生年金と基礎年金を合わせて月16万~17万円程度の人が目立つ。

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