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談笑流「串なし☆焼き鳥(たれ)」 お試しあれ

立川談笑

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NIKKEI STYLE

肉だ。肉だ! もっと肉を食わせろおー!!! ってことで、今回のテーマは「肉」です。

科学的な確証なんてこれっぽっちもありませんが、肉をたっぷり食べることは荒々しい気分をさらに高揚させる気がします。野菜は上品で大人しい。肉は野蛮で力強い。もちろん私の勝手なイメージです。あくまでも個人の感想です。当社比。諸説あります。そんな、肉にまつわるあれやこれやをつづる雑談マクラ、スタート!

肉といえば、昔の悪役プロレスラーを思い出します。オックスベーカーっておじさんがいました。スキンヘッドの巨漢で、胸毛とあごひげがものすごい。若い人にもわかりやすくたとえるなら、格闘ゲームのストリートファイターに出てくるザンギエフ。あのキャラクターみたいな感じです。登場するときにはでっかい肉のかたまりを持ってきてリングの上で「んがあー!」ってかぶりついてみせる演出が強烈でした。名前からしてオックスベーカーです。雰囲気のままに名前っぽく訳すと「あぶり 牛太郎」。わはは。すごすぎ。でも考えてみたら、かじりついていたのは生肉。ベーカーって名前のわりにBake(焼)してないのね……と思って、ちょっと調べてみました。本名がダグラス・アレン・ベーカー。うわっと、そこは本名だったのか。ジャッキーチェンの映画「バトルクリークブロー」にも出演するほどの人気者でした。

どこかの地方の言葉なのか「にぐ」と濁って発音する若者がいて、あれは面白かった。

「にぐっすか! あは、あは。食いましょうよ、にぐ。食いたいなあ、にぐ!」

うんうん、いっぱい食わせてやりたいよ、にぐ。

話は料理に移ります。肉を料理するとき、私の場合まず下ごしらえとして酒をふりかけます。日本酒だったりワインだったりで30分でも半日でも漬けておく。肉質がやわらかく、ふんわりしっとりとなります。高級なお肉ならそんな必要はないのでしょうが、安いお肉でもおいしくいただくための工夫です。

シチューやカレー用に牛スネ肉を軟らかく煮たいときなどは、圧力鍋の時間よりもその前にじっくりとワインに漬けておく時間を気にします。通常使う酒は市販のいわゆる「料理酒」。なまじっか飲む用の高級な日本酒を使ったりすると、できあがったときに日本酒独特の匂いが残ることがあるのです。原因は私の手際のせいかもしれないけど、専用の料理酒の方が安心して使えます。何より安いし。同様に、ホイコーローやチンジャオロースなどの中華なら中国酒、ラフテーなど沖縄風なら泡盛と、使い分けています。

さらに、そんな肉料理の隠し味。意外なところで、こんぶ茶がおすすめです。たとえばジンギスカンの羊肉に下ごしらえとして酒と一緒にこんぶ茶の粉末をちょっともみこんでおくと、ぶったまげるくらいおいしくなります。「イノシン酸かけるグルタミン酸」といううまみの方程式の一環です。ぜひぜひ、おためしあれ。

さて後半は私が作る肉料理の、定番中の定番。「串なし☆焼き鳥(たれ)」をご紹介します。

厳選された地鶏だけを使い、職人技の串打ちをほどこして備長炭でみごとに焼き上げた逸品……なんてのが食べたかったら、そんな焼き鳥屋に迷わず直行しましょう。こっちは、そこらのスーパーで買った安い鶏肉をそれっぽくいただきたいだけなんだ。それも手間をかけずにおいしく大量に食いたいだけなんだ……ってことで考えた料理です。

調味料の分量などは適当に想像してください。もしも料理に自信のない人なら、調味料を少なめ少なめに使いましょう。できあがりの味が薄くっても大丈夫。あとからテーブルの上で塩でも醤油でもかけていくらでも調整ができます。困るのは、しょっぱすぎる、濃すぎる場合です。リカバリーが困難、あるいは不可能だったりします。

なお、フライパンは焦げ付き防止の表面加工をしたものを使っています。

では、作ります。まず鶏肉(ももでも、胸でも)をそれらしいサイズにカットします。切った鶏肉をボウルに投入して料理酒をドバドバっとかけておく。

しばし漬けたのち、鶏肉の水気(酒)を切って、それらしいサイズに切った長ネギと一緒にフライパンに生のまま並べる。これで準備完了。酒の工程を省くこともあります。

「いただきます」から逆算して10分前に点火。冷え切ったフライパンの下から、いきなり強火で攻めます。トップギアでガンガン加熱。

そこそこ火が通ったら食材の天地を返して焼き進めます。強火。当然ながらたっぷり酒を含ませた鶏肉から、さらには長ネギからもじわじわと水が出てきます。フライパンの底に水気がたまってきたら、「甘ったれるんじゃねえ」とばかりにその水気を飛ばしきるほど強火のままで攻め続けます。

さてその後、水気がなくなるとそろそろ肉もネギも焦げ始める。ここからが微妙。すでに中まで加熱されているから出来上がりっぽく見えますが、この段階で仕上げてしまうと「鶏肉と長ネギの甘辛煮」になってしまい、ものすごくガッカリします。こっちが目指しているのは、あくまでも焼き鳥なんだ。串はいらないけど「焦げ」が欲しいんだ。「焦げ」をくれい!

肉の表面の「焦げ」つまり「焼き目」はこの時点でしかつきません。仕上がりの焼き色をこの段階で達成する必要があるのです。ということで、ハイカロリーの強火の能力を出し切るつもりでさらに全力で加熱し続けます。目標はあくまで「みごとな焼き目」。わずかな心のゆるみは「しっとりとした煮物」と「黒焦げ台無し」と背中合わせです。微妙な境目を強火で攻める、まさにチキンレース! って、これは大げさ。

よーし、いい感じに焦げ=焼き色がついた。手早く仕上げにかかります。

目の前で焦げつきそうに煙を上げ始めている鶏肉や長ネギの上、フライパンの真ん中にどさっと砂糖を入れます。そしてすぐさまその砂糖の山を目がけて醤油を一気にかける。

じゅわわーーーーー!

むせかえる甘辛い香りとともに湯気がたち上ります。さっきの砂糖の山が、茶色く大きい泡になって激しくはじける。ビバ、キャラメリゼ! カラメル万歳!

砂糖をカラメル化させながらタレと全体がなじむように、手早くよく混ぜます。ざっと皿にうつして、はい。できあがり。

うーん、ここまで書いてて砂糖の焦げる香ばしさを想像していたら、猛烈に焼肉のカルビが食いたくなりました。牛肉かいっ!

☆     ☆     ☆

長らくこのコーナーの編集に携わってきた苅谷くんが、転勤のため担当を離れることになりました。プロレスと鉄道とそれから家族を愛する、私の大学時代の後輩です。新天地での活躍を祈ってるよ~! (←ありがとうございます。m( )m)

さて、次回のテーマは「ヘアスタイル」。笑二から、元気にいってくれ!

(次回、4月2日は立川笑二さんの予定です)

立川談笑(たてかわ・だんしょう) 1965年、東京都江東区で生まれる。海城高校から早稲田大学法学部へ。高校時代は柔道で体を鍛え、大学時代は六法全書で知識を蓄える。93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。96年に二ツ目昇進、2003年に談笑に改名。05年に真打昇進。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評がある。十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。
<今後の予定>吉笑(二ツ目)、笑二(同)、笑坊(前座)の弟子らとともに開く一門会は3月29日、4月28日の予定。独演会は4月5日の予定。

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