月見そばの「正しい食べ方」 卵は混ぜるか、沈めるか
卵(2)
卵について話題が尽きない。卵焼きが甘いか甘くないか問題は、実は「日本の甘味処」で既報である。過去にさかのぼって読んでみるのもおもしろい。
さて、こんな卵の食べ方も。
それと、疑問に思ってたことがありまして。サンドイッチの具にする卵はどんなものでしょう? "ゆで卵とマヨネーズを混ぜたもの"がメジャーだと思うのですが、私が小さいころ(…25年前か)我が家では"いり卵をマヨネーズで和えたもの"でした。
私が家庭科で習ってきたか、友達の誕生会で食べてきたかでゆで卵版も加わりました(Native関西人さん)
ゆで卵で作るより手間はかからないのではないだろうか。ちょっと砂糖で味付けしたらおいしいかも。
ずるずる感なき卵かけご飯。どんなんだろう。
デスク宛のメール?
ニワトリの卵20個分くらいの量です。大きめのホットプレートにあふれんばかりのボリューム。厚みがありすぎて、焼きあがるのにも時間がかかりました。そして、その味は…卵の味…。多少濃厚な感じはありましたが、普通の卵とほとんど変わらない。あんなに苦労したのに、とかなり拍子抜けしたのでした。
ヘルシーなお肉として注目のダチョウは北海道でも飼育されています。雪の中を走るダチョウの姿というのはなかなかシュールですよ(札幌生まれ札幌育ち道産子三代目 雪あかりさん)
ダチョウの卵より、鵡川のししゃもが食べたい。デスクって久留米のやきとりフェスタでダチョウかなんと格闘してなかった?
デスク 卵は食べてないんですが、以前JR北K道が養殖しているというダチョウをごちそうになりました。砂肝が美味しかったです。あと肉がちょっと牛肉っぽい赤身で、それを土佐造りにしたものをいただきました。牛の味わいで、鳥のカロリーなのだそうです。
新たな党派ができるか?
月見や天玉を注文しあつあつを手にしたとき、まず、生卵をそばの下に沈めて温まるのを待ち、白身が適当に煮えて周りが白っぽくなったのを熱いそばつゆをすするときの火傷よけにしながらすすり、黄身のみ残ったものを再度そばの下にしのばせます。
そしてそばが終わりに近づいて、再び黄身を崩さずにすすると半熟とはいいませんが、適当に温まった黄身の味が楽しめる上に、黄身でそばつゆが甘くならずに最後まで出しの味を楽しめるという、卵ひとつで複数の楽しさを味わうことができるのです。
ところが、温泉卵が来てしまうと、私のような生卵かきまぜない党にとっての微妙な白身や黄身の温め加減が楽しめないのみならず、反動分子である生卵かきまぜ党の甘いそばつゆ趣味さえもうばわれてしまうのです。
ぜひ、このような温泉卵エイリアンの侵入をふせぐべく論争を立ち上げていただけませんでしょうか(チキンラーメンだけは生卵をかきまぜて卵とじで食べてしまうので党首に立候補できない「生卵かきまぜない党」党員:宮島 愛知在住さん)
過去最長のハンドルネームである。
で、論争を立ち上げろ? いやだ。立ち上げない。だって私は反動分子の生卵かきまぜ党なんだもん。東京のそばつゆは味が濃すぎて飲めないので、生卵をぐちゃぐちゃにかき混ぜてマイルド化を図ったのち、塩分糖分過剰気味のつゆをごくごくやるんだもん。こんな甘いつゆはとーぶん飲まないぞ、などと言いながら飲んじゃうの。ケケケ。
これって論争を立ち上げてしまっているのでしょうか。
デスク乱入 僕は中間派です。宮島さん同様に、最初は麺の中に生卵を埋めて白くなるのを待ちます。その間に麺と汁と本来の具を楽しみます。半分ほど堪能した後、そっと黄身を壊します。なるべく黄身が汁に溶け出さないよう、麺に絡めて黄身を味わいます。ほんのり白くなった白身はあくまで具として食べます。
卵でいただいたメールではあるが、この部分が面白かったので。
素ラーメンがタンメンに昇格している。面白い。
メール本文はジュネーブに出張で行った折、泊まったのが邦人に人気のホテルで、レストランにはなんと生卵が。嬉し恥ずかし、4泊6日の出張中、毎朝卵かけご飯を食べていたというお話であった。
名古屋出身アメリカ在住30年余という方が、懐かしい名古屋の食の風景をつづってくださった。その中から。
近所に、家内工業的なケーキの製造屋さんがあって、デコレーションケーキから出る端切れをビニール袋いっぱいに入れたものが、子供の小遣いで買えました(洋子Gulde 米国オレゴン州ポートランド市在住さん)
どこの地方都市だったか、スーパーの食品売り場を歩いていたら、ケーキ屋さんの売り場の隅に、ケーキの切れ端だけを袋に入れて売っていた。ロールケーキの端っこが多かったようだが、私などはあれで十分である。せんべいの耳も、硬くないなら好き。
八戸のせんべいの耳は別売りされるくらい人気がある。先日、八戸に取材に行ったベティー隊員は帰りの新幹線でずっと耳をかじり続け、とうとう晩ご飯を食べられなくなってしまった。そして後日、八戸に耳を注文していた。
(特任編集委員 野瀬泰申)
[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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