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REIT投資の勘所

REIT価格は新年度入りで上昇か 利益確定優先で臨む

日経マネー

2017/4/7

日経マネー

 2016年12月末から年始にかけてREIT価格は上昇相場を演じたが、年明けすぐに反落。その後、東証REIT指数は、17年3月中旬時点まで1800ポイント台のボックス圏で推移している。

注:投資口価格は2017年3月9日時点

 決算期を控えた金融機関が、REIT投資を拡大しにくくなっていることが、足元の値動きの大きな理由だとみられる。ただ、この後、3月下旬から4月にかけてREIT価格は短期的に持ち直すと考えている。

 黒田東彦氏が日銀総裁に就任してからの4年間、第1四半期(年度ベースで4~6月)の投資部門別売買状況を見ると、金融機関のREIT投資は買い越し2回、売り越し2回だった。

 売り越しだった2回は13年と16年だが、この2年はREIT価格が前年度末時点で大幅に上昇している。一方、買い越しだった14年と15年は、今年同様、前年度末のREIT価格はボックス圏で推移していた。この法則に従うなら17年はREITが買われる可能性が高い。

 加えて金融機関の16年度のREIT売買金額は、1月末時点の累計で差し引き8億円にすぎない。つまり金融機関は、買い越しのポジションを持たない状態で17年度を迎えることになるのだ。

 以上2つの点から、4月以降、REIT価格は上昇する可能性が高いと考えている。

■4月以降は利確優先で臨む

 ただ、一般の投資家は、たとえ新年度入りしてREIT価格が上昇に転じたとしても、第1四半期は利益確定を優先すべきだろう。その理由は、17年のREIT価格は15年と同じ傾向をたどる可能性が高いとみられるからだ。

 15年がどんな年だったか振り返ってみよう。前年14年の10月末に日銀が追加金融緩和を決定。さらなる緩和期待からREIT価格は大幅に上昇し、15年1月16日には東証REIT指数がリーマン・ショック後の最高値となる1990ポイントを付ける。

 しかし15年に金融緩和は実施されず、夏場には中国経済の先行き懸念が広がったことを背景にREIT価格は大幅に調整する。結局15年は、黒田日銀体制となってから初めてREIT価格が陰線を引いた年となってしまった。

 17年度は、日銀がREIT価格を大幅に上昇させるような金融緩和政策を行うとは考えにくい。またトランプ米大統領の政策次第で日本の長期金利が上昇するという懸念や、欧州の政治情勢によっては海外市場が混乱し、その余波がREIT価格に及ぶというシナリオは十分考えられる。

 一方で、REITの1口当たりの分配金は増加基調が続いており、この点での投資妙味は増している。

 従って17年度の戦略としては、まずは利益確定を優先して現金の比率を高めておき、海外発の要因で価格が急落した時にREITへ投資できるような余力を蓄えておくのがよいのではないだろうか。

関大介
 不動産証券化コンサルティングおよび情報提供を手掛けるアイビー総研代表。REIT情報に特化した「JAPAN-REIT.COM」(http://www.japan-reit.com/)を運営する。

[日経マネー2017年5月号の記事を再構成]

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