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3月期末 私が思い起こす運用者の心得(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2017/3/21

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「3月期末はファンドマネジャーにとって重要な区切り。成績評価でドキドキする」

 毎年、桜の季節になると「また年を取ってしまったなあ」という思いが強くなります。桜の記憶が入学や卒業の記憶と重なるからでしょう。日本人は1年の終わりが3月で4月がスタートという感覚が体に染みついていると思います。

 読者の皆さんも入学、卒業、部署異動、引っ越しなど、さまざまなイベントに直面されているのではないでしょうか。ハッピーで仕方がない人、別れの寂しさで落ち込んでいる人、新しい職場が必ずしも本意でない方もいらっしゃるかもしれません。

 私はファンドマネジャーという仕事をしていますが、引退しない限りこの仕事には原則終わりがありません。相場はいつまでも続きます。とはいえ、やはり区切りはあります。四半期ごと、年度末などで成績は評価されます。その意味で3月期末は重要な区切りになるので、私も今、ドキドキしています。

■仕事では何事もメリハリが大事

 私がファンドマネジャーとして、区切りの季節に改めて思い起こす3つの心得を紹介します。

 1)五感を駆使して全力を尽くすこと

 私が考える「全力」は、単に長い時間働くことではありません。自分の持っている「感覚」を駆使して、与えられた「時間」を精いっぱい使い切ることです。五感をフルに活用し、働くこと、遊ぶこと、休むこと、寝ることを全力で行います。

 「寝食を忘れて」は良くないことだと思います。最近、ウェブサイト運営会社を株式上場した著名コピーライターの糸井重里さんも「ちゃんとメシ食って、風呂入って寝る人にはかなわない」とおっしゃっていました。何事もメリハリが必要だと思います。そのようにして全力を尽くしていれば、それほど後悔はしないものです。まずは後悔をしないように生きていくことが大事です。

 2)所詮は運だと思うこと

 私の仕事は資産運用です。運用とは「運を用いる」と書きます。資産運用を「ギャンブルにしないようにする」というのが私の考え方ですが、株式の値動きは短期的にはギャンブルの要素を排除することはできません。

 だから私は全力を尽くして、もし結果が出なかったとしても「所詮、運だから」と思って落ち込まないようにしています。もちろん反省すべきところは反省するのですが、落ち込みすぎないようにしています。長期的には全力を尽くし、努力をしている人がうまくいくことが多いと分かっているからです。

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