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3月期末 私が思い起こす運用者の心得(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2017/3/21

 一方で、短期的に成果が出ても「所詮、運だから」と思うようにしています。成果が出ても運の要素が強いのだから、有頂天になったり、努力をやめたりしてはいけないのです。多くの人は、結果が出ないとやる気をなくします。逆に結果を出せてもそこで努力の手を緩めてしまいます。それはもったいないことです。

■単調な作業をいかに楽しむか

 3)プロセスを楽しむこと

 山登りで山頂に立つというのはあくまで結果です。登頂に成功すれば快感だし、すがすがしいことです。しかし、その道中は苦しいものです。人によっては途中で挫折してしまうわけですが、私はファンドマネジャーの仕事ではなるべくプロセスを楽しもうと考えています。結果が出るのはだいたい一瞬で、時間のほとんどはプロセスです。途中で諦めず、成果を出すためには単調な作業をいかに楽しむことができるかが大切になります。

 大昔、ローマ法王になったある神父がこのようなことを言ったそうです。「若いころから細かい仕事が山積みで、もっと地位が上がったらこのような細かい仕事がなくなるだろうと思って一つ一つの仕事をしたら、いつの間にかローマ法王になっていた。そして理解した。そのような細かい一つ一つこそが私の“仕事”だったんだと」

 うまくいっている人にも、そうでない人にも春は訪れます。うまくいっている人はそのままたゆまず頑張ってください。うまくいっていない人はぜひ希望を失わずにいてください。地道に努力していれば、いずれ報われる日が必ず来ると思います。ファンドマネジャーの立場でお話ししましたが、これは人生にも通じると思います。

プロのポートフォリオは運用に精通したプロが独自の視点で個人投資家に語りかけるコラムです。原則火曜日掲載で、レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者(CIO)の藤野英人氏と楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジストの窪田真之氏が交代で執筆します。
藤野 英人(ふじの・ひでと)
 レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者。1966年生まれ。早稲田大学法学部卒。90年野村投資顧問(当時)に入社。ジャーディンフレミング投資顧問(当時)とゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、03年レオス・キャピタルワークス創業。15年10月社長就任。明治大学非常勤講師なども務める。

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