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堀北真希さんの引退決断 働く女性が拍手をする理由

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NIKKEI STYLE

いよいよ桜前線が日本列島を縦断するシーズンとなりました。卒業や入学・入社と重なるこの時期は、学生も社会人も歓送迎会を兼ねてお花見を楽しむ人たちで街や公園がいっぱいになります。

お花見にかこつけて、ワイワイ楽しく騒ぎたいというのもありますが、そもそも私たち日本人は桜が大好きであり、桜の花には特別な美しさと風情を感じるもの……。それは、咲き誇る時間が限られ、たった1週間ほどで散ってしまう美しさやはかなさや潔さに心引かれるからかもしれません。

そのなかの一人である私も、すでに桜の開花を待ちきれず、先日『一足早いお花見FLOWERS by NAKED 2017 -立春-』デジタルアートフラワー展(会期は終了)に足を運びました。

神秘的な光と音楽に包まれ、デジタルの桜の花びらが舞い散る様子を眺めながら、なぜかその場で私の頭のなかをよぎったのは「女優・堀北真希 引退」の文字でした。堀北さんの女優人生の幕引きは、この桜の美しさ、はかなさや潔さに通じるものがあるのかもしれない……と。

皆さんもご存知の通り、女優の堀北真希さんは2月末で事務所を退社し、芸能界を引退することを発表しています。

堀北さんが公表した直筆のコメントには

「この度、これまでやってまいりましたお仕事から離れることを決意致しました。

(中略)

いつも応援してくださったファンの皆様、

お世話になりました関係者の皆様、

素晴らしい14年間を本当にありがとうございました」と記されていました。

普通に考えれば、28歳での女優引退は早い方でしょう。ですが、堀北さんの幕引きの報道を受けて、世間からは「残念だが、潔い」「しっかりしていて好感が持てる」「意志がはっきりしていてかっこいい」など、彼女の決断を称賛する意見が多く聞かれます。

若いころの堀北さんとの出会いの記憶

私自身も、堀北さんの決断力にあっぱれだなぁ……と感じるとともに、今から12年前にお仕事をご一緒した頃の事を思い出すと、感慨深い気持ちにもなります。

堀北さんの女優人生を桜の花にたとえるならば、まだつぼみの16歳当時、主演の映画やドラマの経験はなく、お名前も世間に浸透していなかった頃、トークショーで対談させていただきました。

トークショーでは、10代半ばとは思えない凜(りん)とした姿勢で、私の一つひとつの質問にしっかりと向き合い真面目に答えて下さる姿がとても印象的でした。

トークショーの終了後には、私あてに直筆のお礼メッセージを添えた写真集をプレゼントしてくれました。仕事相手に対する思いやりや気配りが満点で、若さゆえのふわふわ感が感じられず、地に足をつけている姿には、すでに女優の貫禄すら感じました。

これまで、映画情報番組を通じて数多くの新人俳優さんを取材してきました。「堀北真希さんは突出している。きっと映画やドラマで主役を演じるスターになるだろう」と確信したことを覚えています。

その後、堀北さんは17歳でテレビドラマ『野ブタ。をプロデュース』(2005年)に出演、すぐに人気者となり、同年に公開された映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2012年にはNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』で主演を果たし、NHK『紅白歌合戦』の紅組司会にも抜てきされました。

私も一ファンとして、つぼみから1分咲きになり、3分咲き、5分咲き、8分咲きと、その咲き誇っていく姿を楽しみにしておりました。

当然、ママになってより色艶も増し、華やかな満開の姿をいずれは披露してくれるだろうと期待していた矢先の引退宣言。桜が一気に散ってしまったような気持ちになりました。

ですが、逆に、そのはかなさと潔さに心地よさも感じます。多くの人たちに見守られながら咲き誇ってきたから、引退という決断に至ることができたのでしょう。

読売テレビの情報番組「あさパラ!」のなかでAKB48の峯岸みなみさんが次のような感想を述べていたことがネットで報じられました。

「私はちょっとでも長くテレビに出たいので。(引退する人に)逆に憧れますね。潔くてカッコイイなと。トップの人はこうなんだなと思って」とコメントしたそうです。

AKB48からの卒業が常に話題になる峯岸さん。そのコメントには、(テレビの仕事人として)まずは花を咲かせたい。咲き誇れるまで現役を続け、結果を残し、自分の意志で進退を決断できる姿は羨ましい、という思いがにじんでいるのかもしれません。

自分の現状を変える決断は難しい

今回の決断は、はた目には「仕事を辞めて専業主婦になる」という選択をしただけに映るかもしれません。それでも私は、「周囲の声に流されることなく、人生の転機を自らの意志で鮮やかに決めてみせた」ところに堀北さんらしさを感じました。

峯岸さんだけでなく、堀北さんの引退を惜しみつつも、拍手を送る人がとても多いのはこの鮮やかさによるところが大きいのだと思います。

今の場所で自分が花を咲かせている実感がない、もっと自分を輝かせる場所があるかもしれない、現状を変えたい……、そう思っていても、決断できない人の方が多いのです。

日経ウーマンオンラインの記事によれば、アンケート調査で「転職を希望している働く女性」が7割にも上ることがわかりました。ただ、その7割の回答者のうち、実際に転職活動に取り組んでいる人は2割ほどしかいません。その理由で最も多かったのが「今の仕事内容や職場環境に満足していないけれど、我慢できるから」(33%)「転職する時間がないから」(25.3%)「転職する勇気がないから」(23.6%)となっています。

「現状に満足はしていないが、決断する勇気を持つことができない」そんな実情が浮かび上がってきます。そういう心情背景があればこそ、堀北さんに拍手喝采を送る人が多いのかもしれません。

芸能界では女性の鮮やかな決断が続いています。乃木坂46の橋本奈々未さんも2月にグループを卒業、自身の強い意志で引退しました。「ももち」の愛称で親しまれたアイドルの嗣永桃子さんも6月末をもって引退し、幼児教育の道に進む意向を発表しています。

いずれも、まだアイドルとして活躍中にもかかわらずの引退宣言です。引退と表現すると、仕事(キャリア)の世界から離れるイメージになりがちですが、特に嗣永さんの場合には、潔く全く別のキャリアを選択しています。

今や、女性が持つ選択肢は多様化し、何が正解、不正解ではなく、「働き続ける」ことも「主婦になる」ことも「母親になる」ことも、いずれもいくつかある選択肢のなかの一つでしかありません。

堀北さんを三浦百恵さんになぞらえ、「働くことを辞めて主婦になる」という昭和的な価値観にあてはめる人もいます。しかし、女性がキャリアを構築し、結果を残した上で、誰に指図されることもなく、社会的風潮に流されることもなく、自律的に1つの決断を下したのです。その現代的な決断に対して、同性から高い支持があるのだと、しっかり押さえておきたいと思います。

鈴木ともみ(すずき・ともみ)
 経済キャスター、ファイナンシャル・プランナー。日本記者クラブ会員。多様性キャリア研究所副所長。TV、ラジオ、各種シンポジウムへの出演の他、雑誌やWeb(ニュースサイト)にてコラムを連載。主な著書に『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。株式市況番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重TV・ストックボイス)キャスターとしても活動中。

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