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日テレ土屋氏 テレビ離れでも「視聴率30%」取る方法

日経エンタテインメント!

2017/4/11

 テレビ史に燦然(さんぜん)と輝く名バラエティー『進め!電波少年』(92~03年、日本テレビ系 ※1)のプロデューサーであり、数々の無名芸人を大スターへ押し上げた“T部長”こと土屋敏男氏。20年前、代表企画になった猿岩石の「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」で番組は全盛期を迎え、最高視聴率30.4%を記録した。企画や演出面において影響を受けた作り手は数知れず。テレビの潮流を変えた土屋氏に映ったこの20年の変化とは。

土屋敏男 1956年9月30日生まれ、静岡県出身。79年日本テレビ入社。92年より『進め!電波少年』のシリーズを演出、プロデュース。05年、「第2日本テレビ」を立ち上げ。現在は日テレラボ・シニアクリエーター(写真:佐賀章広)

 「『電波少年』は、松本明子と松村邦洋という、当時まだ二線級だったタレントを起用したアポなし企画から、ヒッチハイク企画でドキュメント系へと移行しました。96年頃は、“スターがテレビを作る”時代から、猿岩石のブレイクを機に“テレビがスターを作る”という大胆な仮説が証明された転換期だったと思います。

 一方で、視聴者が“タレント”と“企画”を一緒くたに考えるようになった節目でもあると感じていて。猿岩石のヒッチハイクは、猿岩石が面白かったわけではなく、普通の若者である彼らが異国を旅することがウケた。でも世の中は『猿岩石が面白い』ということになる。帰国後、彼らは引っ張りだこになったわけですが、しばらくすると案の定『猿岩石ってつまらない』と気が付く。ヒッチハイクをしている姿が面白かったんですから当たり前ですよ!(笑)

 その逆もしかりで、例えば今なら『フルタチさん』(フジ系)の視聴率が振るわないと、『古舘さんはつまらない』と世は解釈するんです。それは間違いなのに、テレビ業界の人間ですらそう認識している。”タレント”と”企画・演出”は別物であり、双方がきちんと掛け算になってないと見てもらえないと分かっているはずなのに。テレビはこの20年間、不可思議なロジックから抜け出せていないんですよ」

■黒船到来でテレビが変わる

 そんな歳月の中で土屋氏は05年、インターネット動画配信サービス「第2日本テレビ」の責任者に。国内外でHuluやNetflixなどの映像ストリーミング配信会社が勢いを増す現在の状況はどう見ているのだろうか。

 「第2日本テレビでインターネットとテレビの融合を考えたものの、制作費が地上波の10分の1以下という状況もあり、赤字が続きました。新しいコンテンツの見せ方を模索しましたが、結局は地上波の廉価版にしかならない。ところがHuluやNetflixは資本力を見た時に、『黒船が来た!』って思いましたね(笑)。ユーチューバーがテレビ局と同じ土俵で戦えないように、HuluやNetflix、Amazonは今までの相手と全く違うんです。Jリーグと10年間の巨額の放映権契約を締結したDAZNなんかは分かりやすい例です」

※1…『進ぬ!電波少年』『電波少年に毛が生えた 最後の聖戦』含む。

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