両親が高血圧だと、子どもが高血圧になる確率は?
この記事では、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)20%
(2)50%
(3)80%
正解は、(2)50% です。
高血圧は、特定の原因に絞り込めない「1次性高血圧(本態性高血圧)」と、臓器の病気などの明らかな原因が分かっている「2次性高血圧」とに大きく分類されます。1次性高血圧は原因の特定はできませんが、遺伝的なものと生活環境的なものが要因となっています。
1次性高血圧の発症には、遺伝に加え生活環境も関与しているため、親が高血圧だからといって子どもが確実に高血圧になるわけではありません。「両親ともに高血圧の場合は50%、どちらか一方の場合だと30%ぐらいの確率で、その子どもも高血圧になる傾向にあります」と、東京都健康長寿医療センター(東京都)顧問で高血圧のエキスパートである桑島巌医師は話します。
遺伝の場合も、対策の基本は「生活習慣の改善」
遺伝と生活環境のどちらが原因であっても、対策の基本は生活習慣の改善。親が高血圧の場合は特に、若い頃から薄味の習慣に慣れて、肥満を防ぐなど将来的に血圧を上げないような生活を心がけておくことを桑島医師は勧めています。
なお、臓器の病気といった明らかな原因がある「2次性高血圧」には、腎臓の上にある小さな臓器に腫瘍ができて、アルドステロンという血圧を上げるホルモンが過剰に分泌される「原発性アルドステロン症」や、副腎などの腫瘍からアドレナリンが過剰に分泌される「褐色細胞腫」、腎臓の動脈が動脈硬化のため狭くなり、レニンという物質が過剰に分泌される「腎血管性高血圧」などがあります。
重症の高血圧や薬ではうまくコントロールできない高血圧、若い人が急に高血圧になった場合などは、2次性高血圧の確率が高いといわれています。原因となる病気を治療すれば血圧も下がる可能性があるので、気になる場合は専門外来で相談してみてはいかがでしょうか。
(日経Gooday 編集部)
[日経Gooday 2017年2月13日付記事を再構成]
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