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エドガー・サリヴァンが語る、「ロックは日常を超越」

2017/3/21

男女3人組の音楽ユニット、エドガー・サリヴァン

 こんにちは。トレンドコラムニストのヨダエリです。このコラムでは、横道に入ってみたらこんな花が咲いてたよ!という気持ちで、注目しておいて損はなしとワタシが保証するエンターテインメントを紹介していきます。

 さて前回、ワタシが大注目している男女3人組の音楽ユニット、エドガー・サリヴァンの魅力について語りました(新世代音楽ユニット、エドガー・サリヴァンの切実な音)。今回は彼らのインタビューをお届けします!

 ヴォーカル佐々木萌、ギター坂本遙、ベース高木祥太。彼らが1994年および95年生まれだと知ったとき驚きました。えっ、そんなに若いの!?と。いや、音が枯れているわけではなく、むしろ若い情熱や青春のきらめきは炸裂(さくれつ)しています。でも、演奏や歌唱などから、年齢にそぐわない音楽的経験値を感じるのです。

 音楽番組は減り、CDは売れず、ジャンルは細分化されているこの時代に、一体3人はどこで好きな音楽と出合い、どんな風に吸収してきたの? 新世代アーティストの歌心の出所を探ってみました!

 ――YouTubeであらゆる時代の音楽に触れられ、DTMも普及した昨今、多種多様な時代やジャンルの音を巧みに取り入れる若手バンドは増えていますよね。そんなバンドの中でもエドガー・サリヴァンは面白いなぁと。……今、22歳とか23歳とかだよね?

 全員 そうです。

 ――そんな年の3人が作る音じゃないんだよね。

「意志のない上手な人を選んでもバンドは面白くない」(ボーカル・佐々木萌)

 全員 あははは!(笑)

 ――人間どんなに濃く生きても10年は10年なので、限界ってあると思うんだけど。3人が出会ってから何年くらいたってる?

 高木祥太(以下、祥太) 4年? 

 坂本遥(以下、遥) 4年か。

 ――4年か……要は、すごく若いのに、それぞれの聴いてきた音楽が血肉になってる感がすごいあるのね。

 佐々木萌(以下、萌) うん! それはそうかも。

  祥太と萌ちゃんは、ほぼずっと音楽やってきたようなもんだもんね。

  それはね、あるし、化学反応って、別にボンって売れるってことじゃなくて、こういうことなんだなって。日ごろは無意識だけど、こうやって言ってもらえると改めて感じますね。

 ――この3人が一緒にやったからこそ、の部分はすごく大きいってことだね。

■恋をするように音楽に心を奪われる

 ――3人はどんな風に好きな音楽に出合ってきたの? 今って音楽番組は少ないし、ジャンルも細分化されていて、音楽との出合い方もさまざまだと思うんだけど。

  私は……好きな音楽にすっごい心を奪われるんですよね。恋をする、みたいな。

 ――METAFIVEに恋してるってTwitterにも書いてたもんね(笑)。

  今日も着てますね(笑)。……小さい頃から、音楽を聴いて「あ、生きてる」って感じてて。「なんていい曲なの」って。それが小学校のときにはディズニーだったり。中学のときはロキノン系。音楽を評論するブログをやってて意識的にディグるようになって。それを通じてネットで友達もできて。

「生まれたときから音楽がそこにあったからか、特定の誰かに憧れたことがない」(ベース・高木祥太)

 ――ネット仲間の口コミで色々な音楽に出合った。

  あとは街で気に入る曲が流れていたら、家に帰って調べて。昔はShazam(音で曲名を認識するアプリ)もないので。スペースシャワーTVで「何時にこのアーティストの特集やる」って確認して録画して。スペシャはすごい観てました。音楽雑誌も読んでました。音楽雑誌の編集者になりたかったので。

  萌ちゃん、Apple Musicすごい活用してない?

  そうですね、最近はApple Musicで量を聴いて……でも好きな音楽との出合い方は変わらないですね。

■アバンギャルド音楽一家

 祥太 俺は家が音楽一家で、周りが全員ミュージシャンなんです。

 ――そうなんだ!

 祥太 母親がクラシックのフルート、でも能の人と一緒にやったり、ちょっとアバンギャルド系。実の父親がフラメンコギター、継父はバイオリン。でも僕は英才教育を受けることもなく、ずっとサッカーをやってて。今でいうマイルドヤンキー層に合わせてはやりのものを聴いてました。FUNKY MONKEY BABYSとかGReeeeNとか嵐とか。

 ――うんうん。

 祥太 でも高校に入ったくらいから自我を持ち始めて。俺はスペシャも雑誌もメインストリームっぽいのは「ケッ、だせぇ」みたいに思っちゃってたタイプなんで、親つながりでノイズミュージックをやってる先輩とかからおすすめを聞いて、コアなものを結構早くから聴いて。……なので、音楽との出合いは人づてが多い。センスいいなと思う友達にきいたり。今だったらFacebookでつながってるミュージシャンの先輩がシェアしてる音楽をYouTubeで聴いて、めっちゃいいって思ったらApple Musicでアルバムをダウンロードする。

「ステージでは、つまらない日常をひっくり返せる存在でありたい」(ギター・坂本遥)

  ……祥太、中学にサッカー部入ってて良かったよね。心に音楽が染み込む時期に。

 祥太 それは間違いない。中3くらいまで嵐聴いて、でも平行して、サンタナとか、パコ・デ・ルシアとかも聴いて。だから超メインストリームと地球の裏側(笑)をずっと並行して聴いて。それがいい感じに混ざって、高校からベースを始めました。

■小中学の脳内BGMはエアロスミス

  僕は、Apple Musicとか定額系サービスは全くやってなくて。2005、6年頃、小学6年生の頃に我が家が買った中古車のカーステにエアロスミスのベスト盤が入ってて、「やばい」って。そっからです。当時野球をやってたんですけど、バッターボックスに入るたびに頭の中で♪デレレレッ、デレレレッデッ♪って「Walk this way」のイントロが流れてました。

 全員 (爆笑)

「3人とも、音楽がなければダメだった、っていうのは共通していると思う」(佐々木萌)

  ……今まで誰にも言ってなかったけど。

 ――面白い!

  面白い。そのとき「人より音楽好きだぞ」って思わなかった?感動の量がさ、多すぎて。

  いやもうあの曲のビートが良すぎて、バッターズサークルから12歩で三塁側から入るのがイチローばりにルーティンだった。で、ホームラン打ってホームインするときは♪ドンウォナ、クローズマイア~イズ……♪

 ――「I don't wanna miss a thing」ね(笑)。アルマゲドンの主題歌。

  ずっと脳内でエアロスミス流れてるっていう(笑)。そこから洋楽ロックかっこいいんじゃねって思うようになって。ギタリストのジョー・ペリーが出てるぞって「Player」ってギター雑誌を手に取ったり、あと「YOUNG GUITAR」とか「BURRN!」とか。で、モトリー・クルー、ストーンズ、エアロがカバーしてるつながりでビートルズ、クイーンとかを聴くようになって。中2、3くらいまでそんな感じでした。

 ――今、好きな音楽とはどこで出合う?

  僕はラブ人間ていうバンドもやってて、年間にライブ130本以上やってるんです。なので対バン(バンド同士の競演)で観て気に入るとか、口コミはデカイですね。あと行く地方の先々にハードオフがあるたびに必ず入って100円や150円の中古盤をチェックする。この間はB'zの初期アルバム10枚買いました。生で観て物を買う、っていうのは良い悪いにかかわらず愛着がわくんで。そういうのは大切にしたいです。

  あとは皆で音楽を共有することもありますね。

  3人ともラジオで音楽に出合うことがあるのは共通していて、『トーキョー・ネイチャー』はラジオでかかるときに一番かっこいい音にしました。

 ――YouTubeで聴くことを意識して作る人が多いであろう時代に、あえて。

  ヨダさんもラジオで知ってくださったんですもんね(笑)。

 ――そう! 見事にひっかかりました(笑)。

 ……音楽の好みも出合い方もバラバラ、でもそれぞれが音楽とのエモい(エモーショナルな)時間を生きてきて、それが曲や演奏に出ている。だからエドサリの音楽は胸に響くんだなぁと再認識。ともあれ百聞は一聴にしかず。彼らの音でしかとご確認を!

ヨダエリさん
<プロフィール>
ヨダエリ トレンドコラムニスト。東京都目黒区出身。慶応義塾大学文学部卒業。イマ・ヒト・ココロにまつわるテーマで新聞からウェブまで幅広い媒体で執筆。ドイツ在住時の思春期に洋楽に心酔して以来、ポップカルチャーに目がない。特にロックは大好物。恋愛アナリストとしてコラム執筆や電話相談も行っており、著書に『その恋、今のままではもったいない!』(情報センター出版局)などがある。

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