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お酒を飲むと脳が縮む では休肝日を設ければ大丈夫?

日経Gooday

2017/3/20

 正解は、(2)ウソ です。

■飲酒歴が長い人ほど脳の萎縮は進んでいる

 「アルコールの脳への直接的なリスクは、適量であればそれほど高くないと考えられています。しかし、お酒を頻繁に飲む人の脳を調べると、あまり飲まない人に比べ、年齢以上に萎縮している傾向が見られます」。そう話すのは、自然科学研究機構生理学研究所の教授で、医学博士の柿木隆介氏です。

 一般的に脳の萎縮は、30歳を過ぎた頃から始まるとされ、避けられない加齢現象の一つです。主に、脳内の白質(はくしつ)と呼ばれる神経線維が集まる領域が死滅し、脳が小さくなっていくために起こります。萎縮による代表的な自覚症状の一つが記憶力の低下で、急速に進むと認知症にまで進展してしまうこともあります。

 「同じ年代でお酒を『飲む人』と『飲まない人』の脳をMRI(核磁気共鳴画像法)の画像で比べると、前者の脳は後者に比べ10~20%ほど萎縮していることが多い」と柿木氏は話します。最近では、飲酒量と脳の萎縮の程度は正の相関にあり、飲酒歴が長い人ほど進行が早いとの研究も発表されているのだそうです。

■縮んだ脳は二度と元には戻らない!?

 「脳の萎縮には、“休肝日”の有無など飲酒の頻度や、蒸留酒、醸造酒といった酒の種類とは関係がなく、『生涯のうちに飲むアルコールの総量』が強く影響していると考えられており、つまり、酒を飲めば飲むほど萎縮が早く進むということです」と柿木氏。

 しかも、恐ろしいことに、脳内の神経細胞は、一度死滅すると、そのほかの臓器に備わる幹細胞のように再生することはなく、元の大きさに戻ることは二度とないとされているのです。

 お酒好きには背筋が寒くなるような話ですが、「アルコールは脳を確かに萎縮させますが、記憶に関わる『海馬』や身体のバランス機能を担う『小脳』のように、脳内でも重要な領域が急激に変化しない限り、日常生活に支障を来たすことはありません。飲み過ぎない、適量を守るというルールを決めれば、脳の委縮が少し進むこと以外、あまり心配する必要はありません」と柿木氏。

 お酒は、飲み過ぎない程度に、ほどほどに楽しむことを心がけたいものです。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday 2017年2月27日付記事を再構成]

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