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ETFなら少額で国際分散投資 積立には向かず QUICK資産運用研究所 高瀬浩

2017/3/15

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 ETF(上場投資信託)は特定の指数に連動した値動きをし、取引所で売買される投信だ。対象となる指数はバラエティーに富んでいる。個人投資家はETFを利用することで少額で国際分散投資が可能となる。だが、中には流動性の低さなどから指数連動性に乏しいETFもある。本格的に長期投資に取り組む前に、留意点や利便性を体感する実践練習の意味合いも込め、小遣い程度の範囲でETF投資をしてみるのも一案だ。

■ETFを動かす3つの価格

(注)ETNの場合、連動証券の1口当たり償還価格が投信の基準価格に相当する

 ETFはその名の通り、取引所に上場している投資信託だ。2月末時点で東証にはETF205本とETN21本、計226本が上場している。ETN(上場投資証券)とは、現物資産を保有せずに指数に連動する金融商品のことだ。

 通常の投信は当日夕方以降に公表される基準価格で売買するのに対し、ETFの場合、一般の投資家は上場株と同様に日中時々刻々と変動する市場価格で売買する。少額投資非課税制度(NISA)口座でも売買できるが、通常の投信と異なり、購入時に目論見書の閲覧は必要ない。

 ETFおよびETN(以下、双方あわせてETF)の市場価格の値動きは特定の指数(海外指数は円換算値)と連動する。そのメカニズムは「市場価格と指数値、そして基準価格」の3つの価格が結びついて働いている(図A)。

 まず、運用会社は指数と基準価格、両者の変動率が一致するようETF投信を運用する。一般のインデックスファンドと同様に、基準価格が指数値とかけ離れていても、変動率がほぼ同じであれば問題ない。

 次に、ETFの市場価格は投信の基準価格に一致して動く。仮に市場価格と基準価格の間に乖離(かいり)、つまりズレがあると、裁定取引というサヤ取りの機会が生じ、お互いのズレは解消する。株価指数先物と現物指数との間の乖離が小さいのと同じ原理だ。

 ただし、市場価格は売り手と買い手がいて決まるので、取引が成立しないときもある。2月の最終日は薄商いで39銘柄が取引なしだった。

 ETFは指数との連動を維持するため、組み入れ銘柄の配当金は運用経費を除いて、決算日にすべて分配するが、為替差益や値上がり益は分配しない。投資対象が配当なしのため、これまで分配していないETFもある。分配金を自動再投資する仕組みはない。

 分配金は株式の配当金と同じように課税対象で、通常の投信と異なり、非課税の元本払戻金(特別分配金)は存在しない。

■1000円台で買える銘柄も

 ETFの対象指数はバラエティーに富んでいる。日本および先進国、新興国などの株式や債券、世界の不動産投資信託(REIT)に加え、金や原油、穀物などの商品まで、長期の国際分散投資に役立ちそうな金融商品を代表する指数がそろっている。指数は市場平均だけではなく、ハイリスクのブル・ベア型や市場平均を上回るパフォーマンスを目指すスマート・ベータ型などもある。

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