ライフコラム

立川談笑、らくご「虎の穴」

酒は飲まずに肉を食うべし 師匠宅での失敗談 立川笑二

2017/3/12

PIXTA

 師匠、立川談笑と兄弟子の立川吉笑とともに連載させていただいているまくら投げ企画。18周目。今回の師匠からのお題は「肉。肉。肉。」

 毎年、談笑一門では12月24日の夜に師匠のお宅で一門だけのクリスマスパーティーが行われている。

 このクリスマスパーティーでは、七面鳥からローストビーフ、から揚げ等々、大変豪華な肉料理を食べさせていただくことができる。

 今回はそんな師匠宅でのクリスマスパーティーで大失敗をしてしまった、私が前座のころのお話。18投目!えいっ!

 現在、師匠の弟子は吉笑と私のほかに、笑ん(しょーん)、錦笑(きんしょう)、談洲(だんす)という3人の前座がいるのだが、私が前座のころは師匠の弟子は吉笑と私の2人だけだった。

 そんな前座のころに弟子の私たちは師匠からのお誘いをいただき、師匠のお宅で一門だけのクリスマスパーティーが行われることになった。

 基本的に前座修行中の身分というのはお酒を飲んではいけないというルールはあるのだけれど、この日は特別ということでお酒をいただきながら師匠のご家族といっしょに肉料理メインのご馳走(ちそう)をいただいていた。

 そんななか、ハイボールを作るときに使っていた炭酸水がなくなり、私は師匠から近所のコンビニへお使いを頼まれた。

高座に上がる立川笑二さん(東京都武蔵野市) 

 「ソーダを買ってきて」と1000円札を渡され、師匠宅のマンションを出て、コンビニでの買い物を済ませて、師匠のマンションの前に着いたところで私はスマートフォン(スマホ)を持たずに買い物に出ていたことに気がついた。

 師匠の住んでいるマンションは高層マンションでフロアごとの部屋数も多いため、なかなか覚えられないという理由から、私はスマホのメモ機能に師匠の部屋番号を記していたのだ。

 そのスマホがないということは、師匠の部屋が何号室か分からなくなってしまったということなのだ。

 さらにそのマンションはオートロックで、部屋の住人にエントランスのドアを開けてもらわないと、建物の中にすら入ることができない。

 これには困ってしまったのだが、その場で考え込んでいても仕方がない。

 師匠が6階に住んでいたのはなんとなく覚えていたので601号室から順番にチャイムを鳴らすことにした。

 まず、601号室からだ。

 チャイムを鳴らし、相手の部屋のインターフォンのモニターに映っているはずであろうカメラに笑顔を向ける。

 ピーンポーン♪

 住人さん「……はい?」

 私「あの、笑二ですけど」

 住人さん「はい?」

 私「すみません、ここじゃないですよね?」

 住人さん「……はぁ」

 私「私のこと、知ってます?」

 ブツッ!

 間違えた。

 たとえインターフォン越しであろうと夜の9時ごろに、いきなり笑顔で「私のこと知ってます?」と言うやつに訪ねてこられたら相手も相当な恐怖だったに違いないだろう。申し訳ございません。

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