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食べ物 新日本奇行 classic

千葉県の名物「鉄砲漬」 ウリの中にはトウガラシ 漬物(6)

2017/3/19

 前回登場した「鉄砲漬け」。なぜ鉄砲か?

きゅうりの鉄砲漬=PIXTA
ご意見 鉄砲漬というと、私は今まで地元[千葉県北東部]の鉄砲漬(瓜にトウガラシをはさんだもの。古漬風)だけを指すものだと思っていました。何かの中に何かをはさんだもの全般を鉄砲漬と呼ぶのでしょうか?
 千葉県内にはタケノコの鉄砲漬(筍の中にトウガラシ)、菜の花の鉄砲漬(瓜の中に菜の花。トウガラシなし)などなどいろいろな鉄砲漬があるようです。
 鉄砲漬自体は他の地域にもあるものなのでしょうか? 他の地域ではどんなものを鉄砲漬と呼ぶのでしょうか?
 また、ぬかみそ漬には地域性があるのでしょうか?(千葉県出身ななさん)
たけのこの鉄砲漬 これは中に菜の花

 茨城県との県境にある千葉県の小見川町に行ったことがある。地元のスーパーを覗くと各種鉄砲漬けが並んでいた。もちろん買わなかった。赤い殺意が入っているからである。

デスク抗議 恋人!

 清水圭一編『たべもの語源辞典』を開いて鉄砲漬けを探す。残念ながら収録されていない。しかし「鉄砲焼き」の解説がある。「魚・鳥の肉に唐辛子味噌を塗って焼いたものである」。「鉄砲和え」は「ぶつ切りにしてゆでたネギと、魚・貝などを辛子酢味噌であえたものである」とし、「唐辛子がきくとか、辛子がきくということで、『鉄砲』の名をつけたのである」と書いている。

 ということは鉄砲漬けもトウガラシがポイントであろう。昔の人はなぜトウガラシを「鉄砲」と呼んだのであろうか。それはトウガラシが生命にもかかわるキケンなものであることを知っていたからに外ならない。昔の人は偉い! この辞典に収録されている項目は、相当歴史がある食べ物ばかりなので、あるいは千葉以外にも鉄砲漬けがあるところが存在する可能性がある。ご当地鉄砲漬けについてメールを。

こんにゃくの鉄砲漬

デスク猛抗議 ぬれぎぬだ! 赤い恋人に謝罪せよ! ネットで調べる限り、「鉄砲=トウガラシ」ではありません。銃砲と銃弾の関係、つまりは筒状のものに別の小さな素材を入れた漬物の総称として鉄砲漬けと呼ぶようです。うりを銃身にうど、わらび、ふき山菜などを詰めたもの、たけのこの芯の部分をくり抜いて菜の花を詰め込んだもの、メロンの中にゴボウやニンジン、ナンバンを詰め込んだもの、さらにはイカに野菜を詰めた「鉄砲漬け」などが多数あります。

ベティー隊員 デスクのお腹にはタバスコがいっぱい詰まってるような気がする。

野瀬 さっきの辞典ではデスクの言う説について「という説もある」のひとことで片付けている。もしそうなら「鉄砲焼き」「鉄砲和え」の説明がつかないじゃん。

デスク素朴な疑問 じゃ、通販で売ってる赤い恋人抜きの「鉄砲漬け」はすべて経歴詐称?

野瀬 知らん。

 ここで前回、エミーによる「パンタグラフのない電車」発言についてデスクが言及していたが、それに関してメールをいただいている。

懐かしいディーゼル列車
ご意見 そうそう、北海道では電車は「汽車」です。いまだにそう呼ぶ人も結構いる。エミーさんと逆ですね。やはり、つい最近までディーゼルが走っていたからなようです。若いオンナノコが「汽車で帰るの」なんていうと、カワイイったら(札幌のちろこさん)

 ここで終わったら、ちろこさんは怒るであろう。だって、漬物に関するお話が山のように書いてあるのに、ここしか紹介しなかったら何のために貴重な時間を使って書いたんだってことになる。で、ちろこさんメールの続き。

青菜漬=PIXTA
ご意見続き 青菜のつけもの、山形では「青菜漬け(せいさいづけ)」って言いますね。山形人に、なんで「あおな」でなく「せいさい」なの?って聞いたら、「しらん、昔からそうだ」とのこと。さらに、じゃあ青菜(せいさい)ってなに?何科の野菜?って聞いたら、「しらん、せいさいって野菜」とのこと。さっぱりわからん…「福神漬け」、和歌山ではふくしんづけ。札幌ではどうやらふくじんづけ、らしい。それよりいま、「ふくしんづけ」を変換しようとしたら「腹心漬け」になってしまったことに驚いた…そうなの!?

 林みかん著『東北漬け物紀行』に青菜の説明がある。

山形青菜=PIXTA

「青菜は山形特産の野菜で、正式には『山形青菜』という。アブラナ科に属する菜類で、ルーツは中央アジア原産の芥子菜。中国で品種分化され、日本には9世紀に『タカナ』が、明治中期に『多肉タカナ』が入ってきた。現在、高菜と呼ばれているのは、タカナや多肉タカナが土着化したり交雑したりしたもので、産地によって少しずつ特性が異なる。山形県には明治41年に多肉タカナである青菜の種子が導入され、以降、交雑を避けて全県的に栽培されてきた」

 高菜と青菜は親戚筋らしい。

 半ライス大盛りさんは、この青菜が好物なのだそうである。酒の友、ご飯の友として青菜と一緒に人生を歩いている。

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