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福井でたくあん煮、新潟で野沢菜煮 全国各地に漬物煮

漬物(5)

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NIKKEI STYLE

盛岡のお豆腐屋さん、といっても大手メーカーだが、そこから秋に穫れた新大豆で作った豆腐が送られてきた。以前、豆腐の取材で盛岡にお邪魔した折にそこの社長にお話を伺ったのである。

盛岡は全国で一番豆腐を食べる町として知られている。海との交通を北上山系で遮られ、昔から海の物が入って来にくい場所だった。そこで、たんぱく源として大豆を重用し豆腐をたくさん食べてきたということである。

「ある物がその土地で食べられるには理由があり、食べないことにも理由がある」というけれど、盛岡の豆腐は「食べる理由がある」代表的な食べ物かもしれない。

その豆腐はさすがに新豆、しっかりと甘やかな豆の味がする。絹ごしは冷ややっこでいただいた。別に高い醤油を使っているわけでもないのに醤油の味まで引き立って嬉しかった。木綿は味噌汁に入れた。木綿といっても舌触りは滑らか。豆腐激戦地のものはさすがにレベルが高い。

残るがんもは煮物にしよう。揚げはネギとともに味噌汁にする予定である。

前回、たくあんを煮る地方がどこであったか思い出せないと書いたら、思い出させてあげるよというメールがいくつも寄せられた。

ご意見 野瀬さんが思い出そうとしていた"たくあんを煮て食べる地域"が福井のことだったのかどうかはわかりませんが、私のおばあちゃんは、よくたくあんの古漬けを煮ていました。福井のスーパーのお惣菜売り場でも見たことあります。
 おばあちゃんは生まれも育ちも福井県です。これがすっごくおいしいんですよね。私の大好物です。といっても、おばあちゃんが年を取ってたくあんを自分で漬けなくなってからは食べたことがありません。母は買ったたくあんを煮てもおいしくないと言ってます。というわけで、今となっては、私にはまぼろしのごちそうです(福井県福井市育ち、今は根無し草さん)
ご意見 福井県はそのひとつです。少なくとも北部(嶺北地方)では。
 冬に漬けたたくあんが季節が暖かくなって酸っぱくなったら、水に漬けて塩出しした後、醤油ベースに赤トウガラシをちょっと入れて煮ます。軟らかく煮たのが好きと言う人や、しゃきしゃきしてなきゃと言う人もいる模様。ちなみに、煮てるとたくあんのすごいニオイが家中にたちこめるんだな~。
 スーパーの惣菜売り場にも定番で置いてあります。名前はあるようなないような。たいてい「たくあん煮」とか「たくあんの煮物」とか「たくあんの煮たの」とか、そんな風な安易な呼び方をされる食べ物です。
 同じ作り方の食べ物を京都のおばんざいでは「ぜいたく煮」(大根をわざわざ漬物にしてから煮物にするので)と呼ぶというのも聞いたことがありますが、本当でしょうか?(あっちゃこっちゃさん)

福井だったか。うーん、そうだったかなあ。記憶をたどってみる。

思いだした。金沢だ。金沢で食べた。居酒屋だった。福井の人がやっていたのだろうか。

当時は食べ物に特段の興味があるわけではなく、「うちの方ではたくあんを煮てたべるんですよ」「へえ、そんなところがあるんですか」みたいな会話しか交わしていなかったと思う。店の人が福井出身だった可能性が高い。

私は皆さんからのメールの束、ときに山を読んでいていつも思う。この人たちどっかで談合してない?と。

ご意見 「おこうこ(たくあん)のぜいたく煮」と言えば京のおばんざいのひとつです。別名「大名煮」とも言います。なんでかと言うたら、そのままでも食べられるもんにわざわざ手をかけるから。ただし、もともとは禅寺で貴重な食材を最後まで食べきるために考案されたというお話もあり、今ならエコロジー料理と言えましょう。
 作り方は、古漬けのたくあんを水に漬けて塩出しし、だしじゃこ・鷹の爪と調味料と一緒にことこと炊きます。お酒のつまみにもええもんですよ(いけずな京女43歳さん)

あっちゃこっちゃさん、そういうことのようです。何ともタイミングがいいメールではある。本当に談合してない?

煮る漬物はたくあんだけではない。

ご意見 新潟県十日町市辺りでは、夏の終わりになるとみんな畑に菜っ葉の種をまきます。菜っ葉はぐんぐん生長して1メートル近い巨大な青菜になります。みんなそれを自宅で漬けます。そう、野沢菜です。漬け菜とも呼びます。
 長野が近いので文化も共通している部分があるのですが、これほどまでに生活にとけ込んでいるとは思いませんでした。この時期には野菜を売る店(スーパーでも)の店頭にも漬け菜が並びます。巨大です。
 漬かった菜っ葉は料理にも利用します。炒めてお焼きに入っていたり、「あんぶ」(米の粉をこねて蒸して作る)に入っていたりするとこれまた長野文化圏の味わいです。
 中でもびっくりしたのは、漬けた菜っ葉を煮込んだ料理です。煮菜(「に~な」という発音に聞こえる)と呼ばれます。一度塩出ししてから醤油味で煮込むようです(最近漬け物好きなアメリカ人と知り合いになって驚いた颱風4号さん)
ご意見  はるかむかし、初めてふるさとを離れて『地方』に住んだのが新潟県の山んなか。そのころはまだ雪が降れば交通が途絶して食料も何も補給ができなくなるのが当たり前の時代。そんな文字通りの雪国の冬、野菜の補給に確か『煮菜』って料理があった。
 塩漬けにしてとっておいた菜っ葉(どんな種類だったか記憶になし)と大豆を潰したシャゲマメを一緒に炊いたもの。美味い…というには語弊がある。若かった私はちっとも嬉しくなかった記憶があります。けれど今思い出すとあれも漬物を煮て食べる料理でした(さんさん)

新潟の山間部、しかも雪深いところで菜っ葉の漬物を煮るようである。その菜っ葉は恐らく野沢菜。

福井でたくあんを煮るのに新潟では煮ない。というより漬物の主役が違うのではないだろうか。どんな漬物が主役になっているか、ひょっとしたら地図が書けるかも。

さんさんは文面からすると久留米の梅林寺という禅寺で雲水をしておられたことがあるようである。当時、たまに山汐菜が食事にでると「麦6分の僧堂飯がいくらでも入っていった」とか。

で、現在は「オーストラリアの東海岸でバナナ百姓をして20年」と書いてある。

なかなか波乱に富んだ人生のようである。偉いなあ。

京都のぶぶづけ問題に関連して。ちょっと長いが貴重な話なので全文を。

ご意見「ぶぶづけ」と言うと京都の専売特許のように思われてる節もおますけど、なにわの「ぶぶづけ文化」も捨てたもんやおまへんで。私は生まれてこの方自宅での朝食は「ぶぶづけ」一筋でおま。冷やご飯に熱いぶぶをかけて、おこうこぽりぽりの「ぶぶづけ」は商家のせわしない朝(せわしいと同意語、ないは否定形ではありません)の象徴です。「こうこ」いわゆるたくあん漬の材料は天満大根(絶滅)とか、田辺大根(復活)といったなにわ野菜が定番です。寒にはいると盛りの大根を買い求め、寒干ししてから漬物桶に漬け込みます。特に田辺大根は糖度も高く、漬かり上がると自然な黄色を呈し、極上の「こうこ」となります。
 野沢菜のご先祖と言われている天王寺蕪は、煮炊きものやなますも美味しいのですが、塩漬けにしてしっかりと重しをして1週間ほど置くと、ほんまにええあんばいの漬物になります。
 野沢菜のご先祖はんですよって、もちろん葉っぱ部分も美味しおます。大根や蕪の糠漬けも美味しいですし、大阪しろ菜のお漬もんも良いです。
 水菜や高菜やからし菜や真菜(菜種菜)も良いですし、守口漬や奈良漬や粕漬や千枚漬やわさび漬やら広島菜も時期に応じて。柴漬やふくしん漬やラッキョウは新鮮な漬けもんのないおりにも重宝します。
 夏野菜では千両なすや泉州水なすや毛馬胡瓜(けまきゅうり)の糠漬も定番です。ただ、径山寺(きんざんじ)味噌と到来物の鉄砲漬以外の味噌漬類には馴染みが薄いです。はやくから醤油が普及したからでしょうか(豊下製菓の豊下さん)

なにわの漬物が出そろったようである。大阪の古い商家ではいまでも「おこうこにぶぶづけ」の食習慣が残っていることを知って感動した。大阪で「ぶぶづけでも」と言われたらどういうニュアンスになるのだろうか。

それはともかく、天王寺蕪が野沢菜のご先祖とは初耳であった。早くから醤油が普及した大阪では味噌漬け文化が希薄という指摘は重い。

ところで豊下さんも「ふくしんづけ」派?

私は漬物が好きである。毎朝なんらかの漬物を食べている。冷蔵庫の中には安物のたくあん、高菜、キュウリのぬか漬けが入っている。明朝は豊下さんの真似をして高菜のぶぶづけにしようかな。

デスク賛同 僕も漬物好き。きょうの昼食時、会社近くのお店で「ご自由にどうぞ」とテーブルに置いてあったたくあんを2皿もたいらげてしまいました。社員食堂の漬物取り放題も愛用しております。

(特任編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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