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いま注目のサファリリゾート アフリカで「野生」満喫

旅エディター・ライター 坪田三千代

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NIKKEI STYLE

アフリカのサファリというと、「ほこりまみれで汚いでしょ」「体力的にきついのでは」などと言われることがある。だが、設備の整ったロッジでは、一定のルールを守れば、思いのほか快適にサファリライフを満喫することができる。

もし地球上に人間がいなかったら、動物たちが繰り広げる野生の世界はどんなものだったのだろう――。そんなことを思わせる体験は、五感のインパクトとともに心に深く刻みこまれ、大きな感動を得られる貴重な機会だ。

タンザニアのセレンゲティ国立公園にある「フォーシーズンズ サファリロッジ セレンゲティ」(以下フォーシーズンズ)を例に、サファリリゾートの醍醐味を紹介しよう。

ロッジの周囲すべてがサファリの舞台

キリマンジャロ国際空港で小型機に乗り換え、サバンナの中に設けられたエアストリップ(簡易滑走路)に降り立つ。そこから車で45分。ロッジに到着したとたん、スタッフから「今、ゾウの群れがプールに来ていますよ!」と声がかかる。

小走りで向かうと、20頭ほどのアフリカゾウが水飲み場に集まり、のんびりと憩っていた。ゾウの群れがいるのは、プールの縁からわずか10メートルほどの距離。一生懸命に水を飲む子ゾウのしぐさがなんとも愛くるしい。

セレンゲティは、キリマンジャロの裾野に広がる壮大なサバンナ。ユネスコの世界自然遺産にも登録された自然保護を目的とした国立公園で、約300万頭ものさまざまな動物が生息する。サバンナの中にポツンと建つロッジでは、周囲のすべてがサファリの舞台。いながらにして野生動物を眺められることもあるし、専用の四輪駆動車で動物を探して遠乗りするゲームドライブは、サファリのメインアトラクションだ。

ゲームドライブでライオンも間近に

そもそもサファリとは、スワヒリ語で「長い旅」。転じて狩猟旅行を意味したが、近年は野生動物を観察するツアーのことをサファリ、もしくはゲームドライブやゲームウオッチングと称している。

ゲームドライブが行われるのは、主に野生動物が活動する朝と夕方。動物観察のプロであるレンジャーが運転するサファリカーに乗り、2、3時間のドライブで、動物を探し、可能な限り近寄って、静かに観察する。

「ライオンが近くにいる!」

道に残された足跡を見て、レンジャーが静かに車を進めていく。足跡の新しさで、どのくらい前に道を通ったかを判断するのだ。

雌ライオンが、サバンナのけもの道を悠々と歩いていた。車で1メートルほどのところまで近寄っても、全くこちらを気にする様子はない。前脚で顔をなで、草の上にごろりと寝転ぶ様子は、まるで大きなネコ!

哺乳動物は、車をある種の動物のように認識しているのだという。そのためサファリに参加する際は、赤などの原色、つまり動物にとって警戒色の服の着用は原則的に禁止。車の中で突然動いたり、大きな声を出したりするのも厳禁だ。緊張感を持って、静かに、動物を敬う気持ちで観察すべし。

ライオン、チーター、バファロー、ヌー、シマウマ、キリン、セグロジャッカル、インパラ。さて、次はどんな動物に出合えるのか。ゲームドライブは、探索-発見-観察-移動-探索-発見-観察-移動……の果てない繰り返しだが、不思議と飽きることがない。動物が見つからないときは、どこまでも広がる草原の地平線や、空を眺めやるだけでも爽快だ。

弱肉強食の世界 目の当たりに

私のサファリ体験はこれまで30回ほどだが、初めてのゲームドライブの際、忘れがたい光景を見た。夕暮れ時、車の前に飛び出してきたインパラの喉に、1匹のワイルドドッグが噛みついた。すぐに群れの残り6匹のワイルドドッグもインパラを囲み、噛みつき、肉を食らい、骨になるまでしゃぶり尽くした。

ずっと集中して観察すること、2時間ほど。その一部始終、音やにおい、次第に暗くなる光の移り変わり、最後に残された骨のあっけらかんとした絵は、今も生々しく心に残っている。人間が立ち入ることのできない、尊厳ある野生の世界の現実。弱肉強食の現場を目のあたりにして、心がざわざわするような、日常との乖離(かいり)を強く感じた。

歩くのも、空から見下ろすのもサファリ

サファリロッジのタイムスケジュールは、動物優先で組まれている。朝と夕方、動物が活動する時間は人間もゲームドライブに出かけ、動物が寝ている昼間は人間もロッジでくつろぐ。プールやスパが備えられているところもあるので、のんびりリラックスしたい。ゲームドライブの間は、トイレ休憩を除くと、車から降りることは基本的にできないので、足腰のストレッチなども欠かさずに。

ロッジには、自然や動物に詳しい専門家が常駐しているところが多く、昼間にゲスト向けの講義が行われることもある。また、ロビーなどにログブック(日誌)が置いてあるので、きのうはどのあたりでどんな動物が見られたか、チェックするのも面白い。

サファリは車だけでとは限らない。ロッジの周囲を歩きながら、昆虫や植物、動物の足跡などを観察するウオーキングサファリも意外に面白い。大きな捕食動物と鳥や虫が共生する様子や、地域独自の植生や生態系を知ることができる。

気球や小型飛行機で上空から動物の群れを観察するのも、これまたサファリ。天、地、人の視点とでもいおうか、いろいろなアングルから動植物を眺めることで、その場所への理解もぐんと深まる。

動物たちの息づかいにドキドキする夜

夕方は、またゲームドライブへ。夜行性の動物が活発になる時間帯は、昼間寝ていたライオンの群れがのっそりと起きてきて、捕食に出かける様子なども見られる。鳥のさえずりが聞こえる静かな昼間とは異なり、動物たちの遠ぼえが聞こえてくる夜は、ちょっとドキドキする時間帯だ。

日が暮れて星が輝くころにロッジへ帰還。サファリロッジでは、ビュッフェスタイルの料理を提供するところが多いが、フォーシーズンズでは、街なかの高級ホテルと同様のおいしい食事がアラカルトで楽しめる。サバンナの真ん中、見渡す限り村も家もないへき地で、これほどの美食が楽しめるのはなんとも不思議だが、そこが「ラグジュアリーロッジ」といわれる理由の一つだ。

夜間はロッジの要所要所にマサイ族のガードが立ち、動物たちの出現を見張っていてくれる。現地部族との共存や雇用機会の創出も、近年はサファリロッジの使命だという。 

「バホッ」「ブヒヒヒ」「ピーーッ」。暗闇から漏れ聞こえてくる動物たちの鳴き声に、少しだけ緊張しつつ耳を澄ませ、部屋の窓から満点の星を眺める夜。これもまた一生の思い出に残るはずだ。

食事や飲み物はインクルーシブで気軽

さて、気になるのが費用面。ロッジのレベルや季節により異なるが、たとえば、「フォーシーズンズ」なら2人で1泊1室が1000ドル程度から。確かに値は張るが、3食とハウスワインやビールを含む飲み物代が込みで、10歳以下の子どもは大人と部屋を一緒にする場合は無料。アフリカまでの移動費と時間はかかるものの、現地費用は日本の高級旅館並みともいえる。

移動や現地での動きを考えると、最低3泊はしたいところ。旅行会社のツアーを利用するのもいいし、ある程度の英語力があれば、近隣の国際空港からの小型飛行機での移動手配を含めて、ロッジとメールのやり取りで予約することもできる。

アフリカで観光客向けのサファリロッジが多くある国は、ケニア、タンザニア、ボツワナ、南アフリカ。一口にアフリカのサファリといっても、国やエリアによって動物相や植物相が異なり、楽しみ方にも個性がある。ただし、いずれも野生動物の世界に驚きと感動を覚え、人間の社会や生活、ひいては我が身について考え、さまざまな知識欲をくすぐられることは間違いない。

日々、地球上から失われつつある野生の世界。その貴重なシーンに触れるために、時間と費用をかける価値は、きっとある。

坪田三千代(つぼた・みちよ)
旅エディター・ライター
女性誌や旅行誌を中心に、旅の記事の企画、取材や執筆を手がける。海外渡航先は70カ国余り。得意分野は自然豊かなリゾート、伝統文化の色濃く残る街、スパ、温泉など。

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