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いま注目のサファリリゾート アフリカで「野生」満喫 旅エディター・ライター 坪田三千代

2017/3/21

(写真=山口規子)

 アフリカのサファリというと、「ほこりまみれで汚いでしょ」「体力的にきついのでは」などと言われることがある。だが、設備の整ったロッジでは、一定のルールを守れば、思いのほか快適にサファリライフを満喫することができる。

 もし地球上に人間がいなかったら、動物たちが繰り広げる野生の世界はどんなものだったのだろう――。そんなことを思わせる体験は、五感のインパクトとともに心に深く刻みこまれ、大きな感動を得られる貴重な機会だ。

 タンザニアのセレンゲティ国立公園にある「フォーシーズンズ サファリロッジ セレンゲティ」(以下フォーシーズンズ)を例に、サファリリゾートの醍醐味を紹介しよう。

■ロッジの周囲すべてがサファリの舞台

アフリカゾウがロッジ近くの水飲み場に集まってくる(写真=山口規子)

 キリマンジャロ国際空港で小型機に乗り換え、サバンナの中に設けられたエアストリップ(簡易滑走路)に降り立つ。そこから車で45分。ロッジに到着したとたん、スタッフから「今、ゾウの群れがプールに来ていますよ!」と声がかかる。

 小走りで向かうと、20頭ほどのアフリカゾウが水飲み場に集まり、のんびりと憩っていた。ゾウの群れがいるのは、プールの縁からわずか10メートルほどの距離。一生懸命に水を飲む子ゾウのしぐさがなんとも愛くるしい。

 セレンゲティは、キリマンジャロの裾野に広がる壮大なサバンナ。ユネスコの世界自然遺産にも登録された自然保護を目的とした国立公園で、約300万頭ものさまざまな動物が生息する。サバンナの中にポツンと建つロッジでは、周囲のすべてがサファリの舞台。いながらにして野生動物を眺められることもあるし、専用の四輪駆動車で動物を探して遠乗りするゲームドライブは、サファリのメインアトラクションだ。

■ゲームドライブでライオンも間近に

ライオンの行動を邪魔しないようサファリカーの中から観察(写真=山口規子) 

 そもそもサファリとは、スワヒリ語で「長い旅」。転じて狩猟旅行を意味したが、近年は野生動物を観察するツアーのことをサファリ、もしくはゲームドライブやゲームウオッチングと称している。

 ゲームドライブが行われるのは、主に野生動物が活動する朝と夕方。動物観察のプロであるレンジャーが運転するサファリカーに乗り、2、3時間のドライブで、動物を探し、可能な限り近寄って、静かに観察する。

 「ライオンが近くにいる!」

 道に残された足跡を見て、レンジャーが静かに車を進めていく。足跡の新しさで、どのくらい前に道を通ったかを判断するのだ。

木の枝から葉っぱを食べるキリン。なかなかに優雅(写真=山口規子)

 雌ライオンが、サバンナのけもの道を悠々と歩いていた。車で1メートルほどのところまで近寄っても、全くこちらを気にする様子はない。前脚で顔をなで、草の上にごろりと寝転ぶ様子は、まるで大きなネコ!

 哺乳動物は、車をある種の動物のように認識しているのだという。そのためサファリに参加する際は、赤などの原色、つまり動物にとって警戒色の服の着用は原則的に禁止。車の中で突然動いたり、大きな声を出したりするのも厳禁だ。緊張感を持って、静かに、動物を敬う気持ちで観察すべし。

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