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飲酒後の入浴は危険 「ぬるめシャワー」でリスク軽減

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

前回「風呂じゃ酒は抜けない それより危険なヒートショック」の記事で、室温と浴室の寒暖差が大きい時期の入浴が、いかにカラダの負担になるかがよくわかった。では、同じ環境下で「アルコールを飲んで入浴するのは、どれほどの危険性を伴うのだろうか? 酒ジャーナリストの葉石かおりが、「高血圧にならない、負けない生き方」の著者でヒートショックに詳しい横浜労災病院院長の梅村敏さんに話を伺った。

◇        ◇        ◇

「飲酒には、"一時的"に血圧を下げる作用があります(図1)。アルコールを飲むと、アルコールの代謝生産物のアセトアルデヒドの血中濃度が増えることで、血管が拡張し血圧が下がるのです。この血圧低下に反応し血圧維持のため、交感神経系が活性化し、脈が増加すると考えられます」(梅村さん)

「飲酒時は普段よりも血圧が下がっています。これにより、飲酒後の入浴は、血圧のアップダウンの変化の幅がより大きくなる危険性があります。『飲酒後』+『寒い季節』の入浴はより一層危険です。また、飲酒後は、アルコールによって意識が朦朧(もうろう)としているため、危機管理能力も低下しており、これがさらに危険度を高めてしまうと考えられます」(梅村さん)

この話を聞いて、筆者が体験したヒートショックの原因が見えてきた。アルコールを飲んで一時的に血圧が下がっている状態で、温かい部屋から、暖房なしの寒い脱衣所で着替え、44度の熱々の湯船に一気に飛び込んだことで血圧が急上昇し、その後湯船に漬かっているうちに急降下したのだろう。そして、血圧が下がっているところで、勢いよく立ち上がったから、めまいがしたのだ。私の場合は運よく溺死に至らず、けがもしなかったが、「もう少し高齢だったら、意識を失いそのまま倒れて溺死されていたかもしれません」と梅村さんは話す。考えるだけで背筋が寒くなる。

常日頃から飲んでいる人ほど、血圧は高くなる

梅村さんによると、特に筆者のようなアルコール常飲者は注意が必要で、さらには「定期的な血圧チェックを欠かさないほうがいい」という。それにはこんな理由があった。

「アルコールと血圧の関係性は深く、常日頃から飲んでいる人ほど高くなる傾向にあります(図2)。1日あたりのアルコール摂取量に比例して血圧が高くなります。これは人種や酒類に関係なく共通して言えることです」(梅村さん)

先ほど、飲んだ後に血圧が下がると説明したのは、飲酒直後の一時的なもの。日々お酒を多く飲み続けると、恒常的な高血圧につながるのだ。

さらに梅村さんは、こう畳みかける。「現在、国内の4300万人が高血圧といわれています。そもそも血圧は年齢とともに上昇する傾向にありますが、仕事上のストレスが多い50代男性は一気に高血圧が増えます。アルコール常飲者は、今は高血圧ではなくても、今後高血圧になる可能性が特に高いのです」(梅村さん)

確かに思い返すと、私の周辺の左党の多くは高血圧を抱えている。酒豪ほどその傾向が高く、50歳を超えたあたりから増えているように思う。左党の場合、今は正常値でも安心できないのだ。

どうしても入浴したいときはどうすればいい?

飲酒後の、特に寒い時期の入浴の危険性を知ってもなお、「それでもその日のうちにさっぱりしたい」と思う人は少なくないはず。何かいい方法はないものだろうか? 梅村さんに聞いてみた。

「さっぱりしたいという気持ちはわかりますが、入浴するのはアルコールが代謝され、アルコールの影響がなくなった後にしてください」(梅村さん)

体重60kgの成人男性の場合、1単位(純アルコール20g=ビール中びん1本、日本酒1合、焼酎0.6合)のアルコールが体内から消えるまでに約3~4時間かかるといわれている(詳しくはアルコール健康医学協会のホームページ内「飲酒の基礎知識」を参照)。

「アルコールの代謝能力は人によって差があるのであくまで目安ですが、最低3~4時間はあけるようにしてください。お酒を飲んで顔が赤くなる人はアルコール代謝能力が弱い人なので、もっと時間を空けるようにしてください。もちろん、酒量が増えればそれだけアルコールが体内に残る時間も長くなりますので注意が必要です」(梅村さん)

梅村さんは、入浴まで十分に時間をあけた上に、さらに図3で示した4つの点を注意してほしいと話す。このほか、食後すぐの入浴や、睡眠薬・精神安定剤などを服用した後の入浴も避けるようにする。

できればぬるめのシャワーにする

それでもなお、お風呂に入りたそうな私の顔を見て、梅村さんは別な一手を提案してくれた。それは「シャワー」だ。ヒートショックのリスクを減らすには、「ぬるめのシャワーにするといい」という。

「ぬるめのシャワーであれば、湯船に漬かるよりカラダの負担が少なくなります。そして万が一、倒れたとしても溺死することはまずありません。気を失って倒れた際に怖いのは溺死です。日本は湯船に漬かる習慣があるため、他国に比べて圧倒的に湯船での溺死者が多いのです」(梅村さん)

そうだった! 海外では一般的なシャワーという選択肢があるのだった。「汗をかいてアルコールを抜く」という間違った考えから、恥ずかしながら、湯船という考えしか頭になかった。確かにシャワーなら、倒れても打撲程度で、死に至る可能性は湯船に漬かるよりずっと低そうだ。今後、飲酒後はシャワーを選択するようにしよう。もちろん、脱衣所や浴室を暖めて温度差をできるだけなくすのはシャワーでも同じ。湯温も"ぬるめ"だ。

◇        ◇        ◇

飲酒後の、特に寒い時期の入浴には注意を払わなければならないことはよくわかった。個人的にはちょっと物足りないが、お酒を飲んだ後はシャワーにしよう。しかし、ヒートショックとお酒の関係を聞きに来たら、常飲者が高血圧になる可能性があることがわかるとは何とも驚きの展開である。やっぱりよくないのは飲み過ぎだ。「適量」(純アルコール換算で20g=日本酒なら1合程度)に勝るものはない。50歳を超えたら、普段から自分の血圧を測り、変化がないかを常にチェックすることもまた大事。そして高めとわかったら酒量をセーブしよう。自分のカラダを守れるのは最終的に自分でしかないのだから。

梅村敏(うめむら さとし)さん
 横浜労災病院院長、横浜市立大学名誉教授。1975年横浜市立大学医学部卒業後、米国クレイトン大学医学部高血圧研究所・助教授を経て、1998年横浜市立大学内科学第二講座・教授、2008年同大医学部長、2010年病院長、2012年より横浜市立大学学術院・医学群長を歴任。2016年4月より現職。著書に『高血圧にならない、負けない生き方(日本屈指の名医が教える「健康に生きる」シリーズ)』(2015年、サンマーク出版)ほか多数。

(エッセイスト・酒ジャーナリスト 葉石かおり)

[日経Gooday 2017年3月3日付記事を再構成]

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