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花見に行きたい城10選 名城から知られざる秘城まで かみゆ歴史編集部 滝沢弘康

2017/3/13

姫路城の内堀を進む観光和船。桜のシーズンは毎日運航される(提供:姫路フィルムビューロー)

 四季折々の美しい姿を見せてくれる日本の城。その中でも、日本の美を象徴する桜と、豪快かつ優美な城とのコラボレーションは格別だ。桜の植樹が積極的に行われ、花見の名所となっている城も数多い。今回は、誰もが知る天下の名城から知られざる秘城まで、お花見と城鑑賞の両方が楽しめる全国の城10カ所を厳選した。北上する桜前線にあわせて、九州の城から紹介しよう。

■岡城(大分県竹田市)――九州を代表する「天空の城」の桜景色

 岡城の鑑賞ポイントは、何と言っても山上に延々と連なる高石垣。「天空の城」といえば兵庫県の竹田城が一躍有名になったが、山上に浮かぶ石垣群という点では、岡城は九州を代表する「天空の城」だ。この城は歌曲「荒城の月」のモデルとなった城でもある。作曲家の滝廉太郎は、幼少期を城がある竹田で過ごしており、この城から曲のインスピレーションを受けたという。

 壮大にして武骨な高石垣だが、桜が加わると印象が和らぐ。岡城の桜は、立すいの余地もなく咲き乱れるというような規模ではないが、まばらに咲くだけに石垣との組み合わせが妙で、どこか雅(みやび)な風情を醸し出す。これはどの城にもいえることだが、普段見る城と桜が咲いているときに見る城では印象が異なる。一度行ったことがある城でも、桜の季節に訪れると、また違った表情が楽しめるだろう。

大手口の桜。岡城は山城だが山上に駐車場があるため観光しやすい(提供:竹田市観光ツーリズム)
二の丸跡に立つ滝廉太郎銅像(提供:竹田市観光ツーリズム)

桜の見ごろ:3月下旬~4月上旬
イベント:岡城桜まつり(4月2日予定)
アクセス:JR豊後竹田駅から徒歩約20分、またはバス

■能島城(愛媛県今治市)――「海賊の砦(とりで)」で味わう花の宴

 能島城は、瀬戸内海に浮かぶ周囲720メートルの小島を丸ごと城砦(じょうさい)化した、海賊たちの居城だ。2013年に刊行されてベストセラーとなった和田竜の小説「村上海賊の娘」の舞台となった城でもある。海賊といっても城主である能島村上氏は戦国大名であり、瀬戸内海の海運を警備し、行き交う船から通行料を徴収することをなりわいとした。島内に建物は残らないが、本丸を中央に配した城の構造はわかりやすく、岩礁には船を留めるピット(柱穴)が無数に残されている。

 江戸時代以降は無人島だった能島に、桜が植えられるようになったのは昭和以降のこと。植樹は近隣の島民の手で進められ、今では知る人ぞ知る桜の名勝地になった。現在、能島に渡る定期便はないが、例年4月上旬の土日にイベントが開催され、臨時便が運航される。現在まで無人島であったため城の遺構がよく残っているうえ、小説のヒット以降は整備も進められている。花見にあわせて、普段は行くことが難しい海城鑑賞というのも乙ではないだろうか。

写真中央が能島。城の周辺は潮流が速く、天然の要害だった(提供:今治市観光課)
能島城跡から見た瀬戸内海としまなみ海道(提供:今治市観光課)

桜の見ごろ:4月上旬
イベント:能島の花見(4月1日、2日予定)
アクセス:今治市宮窪港より臨時便が運航(詳細はホームページなどで要確認)

■松江城(松江市)――国宝になったばかりの天守を桜が彩る

 「日本さくら名所100選」にも選出されている松江城。毎年3月下旬からは桜まつりが開催され、ぼんぼりやライトアップで照らされる夜桜が人気だ。

 城としての最大の見どころは、黒い外観と大きな破風(屋根の飾り)が特徴的な天守だろう。日本に12しか存在しない現存天守のひとつで、2015年に国宝指定を受けたばかりである。この天守は徹底的に戦い抜くことを目的として築かれており、籠城のために天守内に井戸があり、侵入した敵を攻撃する狭間(鉄砲を撃つための穴)が用意されている。天守の構造を観察しながら、最上階まで昇ってみよう。

 最上階の望楼からは、360度城下を見下ろすことができる。ライトアップで妖しく浮かぶ桜も見応えがある。

こぼれんばかりに咲き誇る桜。左手前は復元された南櫓(提供:松江市)
ライトアップされた天守と桜。城内にはぼんぼりが立ち並ぶ=PIXTA

桜の見ごろ:3月下旬~4月上旬
イベント:お城まつり(3月25日~4月14日予定)
アクセス:JR松江駅からレイクラインバスで「国宝松江城(大手前)」下車、徒歩約3分

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