株式・投信

七転び八起き

インフレ・円安に備え外貨資産8割

2017/3/13

 「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
 今回は石泉茂次郎さん(仮名、57) 公認会計士の資格を持つ経営コンサルタント。M&A(合併・買収)や経営も経験した。

■~2006年

石泉茂次郎さん 投信の分配金には高値での再投資を回避できる利点も

 バブルのさなかに社会人になった。お金を預金に置いておくのは嫌で、公認会計士の資格取得で興味を持った株式に投資した。最初に買ったのはコマツだ。放出されたNTT株も買ったものの、じきにハイリスク・ハイリターンの投資が中心になった。プロミス(現・SMBCコンシューマーファイナンス)など、投資対象の3分の1が上場廃止になったほどだ。

 栃木富士産業(現・GKNドライブラインジャパン)の株価が4倍になるなど、成功した例も多い。経営破綻したアーバンコーポレイションは2000万円は利益が出た。ただ、800万円の投資が一時は時価で5億円になっていただけに売り時を捉えきれずくやしい。

■07年~

 会社の業務上、個別株投資が難しくなり、投資信託にシフトした。失敗したのは、カナダの高配当株と通貨などのオプションを組み合わせた投信だ。円高で基準価格が大幅に低下した。ブラジル株の投信も大やられとなった。アベノミクス相場で円安に向かう前に買った新興国債券ファンドは好調で、全体では利益が出た。

 確定給付年金でも8割を外貨建て投信に投じている。自社株を含めても金融資産全体の8~9割が外貨建てだ。若い時には、インフレに伴って給料も増えていくからいい。だが、今後は資産を守る立場になる。インフレになると円安を伴うから、外貨建て資産を買うというわけだ。インフレに強い不動産の投資も検討している。

■16年~

 投信はコストによる目減りが大きいため、どうも信用できない。配当を増やすような個別株に投資した方がいいと思い、対象を探している。例えば、キヤノン(7751)は配当利回りが4%台半ばで魅力的だ。人口減少の問題があり日本株全体は上昇しないだろう。

[日経ヴェリタス2017年3月5日付]

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