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タンス預金で投資してみませんか(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2017/3/7

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「お金を節約することは大切だが、日本人は節約に傾きすぎるきらいがある」

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープを買収する契約を結んだのが2016年の4月初めでした。そのときの鴻海のシャープ株の取得価格は1株当たり88円。郭台銘(テリー・ゴウ)董事長の手腕もあり、株価は17年3月3日時点で344円に上昇しました。経営再建はまだ成功とはいえないでしょうが、株価は1年もたたないうちに見事に回復したのです。

■シャープの再建でリスクを取った鴻海

 リスクを取ったテリー・ゴウ氏の勇気と手腕は称賛に値します。会社は経営者次第。一方で、それを日本のファンドや企業経営者が実施できなかったことに寂しさも感じます。

 新生銀行が再上場したとき、出資していた海外のファンドが大もうけしたと批判されたことがありました。国会では「ハゲタカは不当にもうけた」との声が出ました。しかし、誰もが平等に買うチャンスがありながら、日本人は手を挙げる人がいなかったのです。

 かつて堀江貴文氏が経営していたライブドアも韓国のネイバーの子会社と経営統合しました。その会社が現在のLINEです。LINEが株式上場してネイバーは大きな利益を得ることになりました。外国資本にチャンスを奪われているようで、日本の投資家としては残念に思います。

 わたしはいま、東芝に関心を持っています。米原子力事業の巨額損失の穴埋めとして、半導体部門を分社化したうえで、株式の過半を含めた売却が検討されているからです。買収に手を挙げている会社は韓国や台湾の企業がほとんどで、日本の会社は静観しています(これから手を上げるかもしれませんが)。

 東芝は確かに良いガバナンスの会社ではありませんでした。最も問題なのは不適切な会計処理をして、投資家を欺いたことです。そのような経営者は当然責任を負うべきだと思います。

 とはいえ、東芝の半導体部門には確かな技術力があり、特にNAND型フラッシュメモリーは最新の記憶媒体ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)に使われる虎の子の技術です。ライバルのサムスン電子は主力製品の不具合やガバナンスの問題が発生し、盤石とはいえないので十分に勝機はあります。

 また、インターネットの普及、特にクラウド需要の増加によりデータセンターにおけるサーバー需要は急拡大しています。この勢いはしばらく続くことを考えれば、大きなビジネスチャンスがありそうです。このディールだけは日本の資本や企業経営者に手を挙げてもらいたいと強く思います。

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