不動産・住宅ローン

転ばぬ先の不動産学

土地選びの盲点 高台でも無視できない水害リスク 不動産コンサルタント 田中歩

2017/3/8

PIXTA

 東京都区部の土地価格は「西高東低」といわれています。西は価格が高く、東は価格が低いという意味もありますが、西は高台の山の手エリア、東は低地の下町エリアという意味もあります。

■土地によって異なる自然災害リスク

 西が高台、東が低地であることがよくわかる地図が「土地条件図」です。土地の成り立ちを示した地図で、高台の「台地」がオレンジ色、低地の「盛土地」が薄い黄色に赤い斜破線、低地の中にあるちょっとした高台である「微高地」(自然堤防や砂州)が黄色で示されています。

国土地理院の「土地条件図」

 一見して、左半分の西側は台地、右半分の東側は低地であることがすぐにわかりますよね。東側は太古の昔より荒川が台地を削り、現在のような地形になったのです。ですから、東側のエリアでは固い岩盤が地表から30メートル以上も深いところにあることが多々あります。

 岩盤の上には川が運んできた土砂が堆積していますので、地盤は柔らかく、地震の際には揺れが増幅しやすいといわれています。また、低地であるがゆえに大雨の際は、浸水するリスクも高い場所となります。

 一方、西側の台地は高台にあるため浸水リスクは少ないし、地盤も固く良好とされていますので、地震の揺れも低地ほど増幅しない安全な立地とされています。しかし、西側だから安心というわけでは実はないのです。

 西側の台地(オレンジ色)の中には、薄い黄色に赤い斜破線で塗られた部分が幾筋も入り組んでいます。これは、台地の中の谷を示しています。つまり、いくつもの小さな川が東京西部には流れているのです。

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