赤ワインの健康効果、間違いはどれ?
この記事では、今知っておきたい健康や医療のネタをQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)熟成年数が長ければ長いほど抗酸化作用が高い
(2)最もポリフェノールを多く含むブドウの品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンである
(3)赤ワインに含まれるポリフェノールの量は緑茶の6倍に上る
正解は、(1)熟成年数が長ければ長いほど抗酸化作用が高い です。
赤ワインのポリフェノール含有量は圧倒的
日本人の食卓にすっかり溶け込み、「健康にいい」というイメージも定着したワイン。ワインの健康効果を示唆する現象として有名なのは、「(ワインを多く飲むことで知られる)フランス人は、喫煙率が高く、バターや肉などの動物性脂肪の摂取量が多いのに、心疾患による死亡率が低い」という、いわゆる「フレンチパラドックス」です。
ワインが健康効果をもたらす理由として考えられているのが、ポリフェノールの存在です。ポリフェノールは、植物が光合成によって生成する色素や苦味の成分で、活性酸素による酸化からカラダを守る抗酸化物質です。ポリフェノールは5000以上の種類があり、赤ワイン(ブドウ)に含まれる代表的なものとして、アントシアニン、リスベラトロール、タンニンなどが挙げられます。
ブドウのポリフェノールは、果皮と種子に多く含まれています。このため、果皮と種子を除いて仕込む白ワインに比べ、まるごと発酵させる赤ワインの方がポリフェノールが豊富なのです。「緑茶と比べると、赤ワインには実に6倍ものポリフェノールが含まれています。ビールや日本酒など、他の醸造酒と比べても赤ワインのポリフェノール含有量は圧倒的です」と、山梨大学大学院・ワイン科学研究センター客員教授の佐藤充克さんは話します。
カベルネ・ソーヴィニヨンが最もポリフェノールを含む
佐藤さんらの研究によると、ワイン用のブドウの品種では、仏ボルドーのメドック地区などのワインに使われるカベルネ・ソーヴィニヨンが最もポリフェノールを含み、抗酸化作用が高いことが分かっています。また、「若い赤ワインよりも熟成を重ねた赤ワインの方が、抗酸化作用が高くなる傾向が確認できました。ピークは約5年で、その後は緩やかに効果が減っていきます」(佐藤さん)。
(日経Gooday編集部)
[日経Gooday 2017年1月16日付記事を再構成]
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