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東日本大震災から6年 地震保険、入っておくべき? 知って得するお金のギモン

日経ウーマン

2017/3/9

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日経ウーマン

 最近、相談者から「地震保険は必要ですか」とよく聞かれます。メディアからは「地震保険料が上がっていても、入るべきですか」と質問を受けることも。

 私のアドバイスは「原則として入っておきましょう」です。地震による被害は経済的ダメージが大きい上に、新たに住まいを確保するなど、手当てにかかるお金の緊急度が高いからです。

 保険料値上げの背景には、地震のリスクが高まっていることもあります。となると、加入の必要性は増しているわけですね。「自分の貯金で手当てできないリスク」は、たとえ被害を受ける確率が低くても「保険」で備えるのが基本です。

 特に、住宅ローン返済中の持ち家の人は、地震保険加入はマストです。地震で建物が倒壊しても、ローン返済は原則として免除されないからです。

(イラスト:いいあい)

 では、賃貸住まいの人は? 地震保険の記事は、持ち家の人向けのものがほとんどで、賃貸向けのアドバイスはあまり目にしませんね。今回はそこをじっくり解説しましょう。

 地震保険は原則、単独加入できず、火災保険とセットで入るものです。どちらにも、それぞれ「建物」と「家財」(家具や洋服など部屋にあるもの)が補償される保険があり、別々に入る必要があります。ただし、賃貸では建物の補償は不要。なぜなら建物は大家さんのものだからです。賃貸住まいの人は、家財の火災保険に、家財の地震保険をセットする形になります。

 もう1つ知っておきたいのは、地震保険の補償額は火災保険の半分までということ。火災保険の家財の保険金額は、ひとり暮らしなら200万円前後が目安。その場合、地震の家財の保険金額は100万円となります。

 家財の火災保険(200万円)に、自分が火事を出したとき大家さんへの賠償責任を補償する「借家人賠償責任特約」(1000万円)を付けた場合、保険料は年払い2250円。これに地震保険(100万円)を付けると、計4480円(同)です。思ったより高くないですよね。

■火災保険が「ミニ保険」なら地震保険は付けられない

 賃貸住まいの人は、部屋を借りる際、不動産屋さん経由で家財の火災保険に入っているはずです。地震保険を付けるなら、現状の火災保険に途中で付加することができます。ちなみに地震保険は、法律に基づいて国と保険会社が共同運営しているので、保険料はどこで入っても同じです。

 ただし「ミニ保険(少額短期保険)」というタイプの火災保険だと、地震保険をセットすることができないので注意が必要。近年、不動産屋さんはミニ保険をすすめるケースが増えているので、賃貸住まいの半数前後が該当すると思われます。

 現在加入している火災保険がミニ保険だった場合は? 選択肢は次の2つ。1つは、損保会社の火災保険に自分で新規加入し、それに地震保険を付け、ミニ保険を解約すること。火災保険は不動産屋さんを通さず加入していいんですよ。その際、「借家人賠償責任特約」を忘れずに。

 もう1つは、ミニ保険を継続し、地震の備えは貯蓄でカバーすること。建物が全壊した場合、火災保険の家財の補償が200万円なら、地震保険でもらえるのは最大100万円。地震で住まいを失い、引っ越しをしなくてはいけないとき、それだけの金額を貯蓄から捻出できるかどうかで判断するといいでしょう。

 私のおすすめは、前者の入り直しです。この機会に自分がどんな火災保険に入っているのか確認してみるといいですね。

注)保険料は、損保ジャパン日本興亜の「賃貸住居入居者専用火災保険『THE 家財の保険』」(東京都のマンション)の例

今月の回答者
深田晶恵さん
 ファイナンシャルプランナー。株式会社生活設計塾クルー取締役。外資系電機メーカー勤務を経て、1996年にFPに転身。現在は、特定の金融商品を販売しない独立系FP会社生活設計塾クルーのメンバーとしてコンサルティング業務を行うほか、雑誌等の原稿執筆、講演などを手がける。

[日経ウーマン 2017年4月号の記事を再構成]

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