ライフコラム

立川談笑、らくご「虎の穴」

お取り寄せに乗り切れぬ、不器用なお店も一興 立川談笑

2017/3/5

PIXTA

 東京から沖縄に向かう飛行機の中で、これを書いています。昨日(1日)は昼まで熊本にいましたよ。ひたすらてくてくと歩いて旅をした時代を思えば、まるで天狗(てんぐ)様にでもなった気分です。時速725キロメートルの速度で移動しながらお送りする今回のテーマは「お取り寄せ」。

 目の前のモニターには高度9750メートル、外の気温はマイナス45℃と表示が出ています。そうかそうか。ではここでなぞなぞです。

 「高くなると低くなるもの、なーんだ?」

 答えは、この段落の最後に。我ながら不思議なテンションです。話が散漫ですみません。気を取り直して話を進めます。つい先日、マイナス55℃の世界を体験したのです。それはマグロ用の冷凍倉庫。あれは寒かった。一般の冷凍倉庫は何度も入ったことがあって、そっちはマイナス20℃程度。55℃はすさまじかった。つまり、内と外の気温差が60℃以上もあるのです。2枚のドアを通ると、いきなり酷寒の世界。完全防寒態勢でも5分と入っていられませんでした。また5分と限界時間を決めたところで、計測手段にまた困るのです。瞬時に液晶パネルが凍り付くからストップウオッチが役に立たない。もちろんスマートフォンはぶっ壊れてしまうので持ち込み厳禁。

 (なぞなぞのこたえ。「天井」)

 

 テーマはお取り寄せ。ここの冷凍マグロがおいしかったのです。しかも安い。冷凍たってバカにしたもんじゃありません。冷凍ものは水っぽいと思っているのは、たぶん解凍が上手にできていないから。手間を惜しまずに解凍することで、生のマグロに近いクオリティーを再現できるといいます。

 「そりゃ、生マグロの方がおいしいですよ。でも冷凍だっておいしいとわかってほしい。まだまだ誤解があるんです」

 とは関係者の弁。うん、正直で好きだぞ。

 そんなマグロの解凍方法。(1)塩を加えたぬるま湯の中でぐるぐるして少しとかす。(2)水でさっと塩気を洗い流す。(3)キッチンペーパーに並べて上からもペーパー。(4)ドリップ(水気)が収まるまでペーパーを新しく交換する。正確で分かりやすい解凍手順は、解説書も添付されているしウェブでも確認できます。

立川談笑一門会で高座に上がる落語家の立川談笑さん

 この会社では冷凍マグロを丸い魚の形のまんま仕入れて、冷凍のままカットしていわゆる「サク」の形状にしてスーパーなどに出荷します。この過程で出る、「質はいいのに商品としては出せない」ものが、やけに安くておいしいものです。私のお勧めは「中おち」。「ネギトロ」用もおいしかった。

 この会社「東水フーズ」は千葉県船橋市にあります。社食の一部を一般開放した食堂が人気です。赤身、ヅケ、ネギトロの3色マグロ丼(600円)を私も食べました。うまい! やすい! 量、多い! 都内なら1000円以上の価格でも十分に満足するほどの丼でした。驚きのコストパフォーマンスです。こちらでは専門の通販サイトに商品を提供しているのでそれを利用するのもいいのですが、もっとお勧めなのはこの食堂の中の売店、というか販売コーナーで直接購入すること。通販に出ていない商品がどっさりあります。私が興奮しながら買ったのが、中落ち、ネギトロ(6袋)、タラコ、メンタイコ、松前漬け。持ち帰れないから必死でセーブした結果です。

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