検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

ラ・ラ・ランド、ムーンライト 独立系に勝利の戦略

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

第89回アカデミー賞の作品賞を競った『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』。最後は大逆転で『ムーンライト』が受賞したが、いずれも芸術性や革新性で群を抜いた作品であることは間違いない。この2作品を製作や配給したのは、いずれも独立系とよばれる映画会社。メジャースタジオにはない独自のカラーで、クオリティーの高い作品を送り出している。それぞれの特徴や戦略を紹介しよう。

ミニメジャーとも呼ばれる独立系最大手

『ラ・ラ・ランド』を製作したサミット・エンタテインメントは、1991年に設立され、『トワイライト』シリーズの大ヒットで知られる。2012年にライオンズゲートに4億1250万ドルで買収された。同社の傘下に入ってからも、サミットレーベルで製作を続けている。

親会社にあたるライオンズゲートは76年に設立された株式上場企業で、『ソウ』シリーズや『ハンガーゲーム』シリーズの大ヒットで知られる新興勢力だ。だが、近年はヒット作が減っており、昨年から体制を刷新して復活を期していた。その最初のラインナップである『ラ・ラ・ランド』が大ヒットして勢いづき、映画業界では再び注目を集めている。

詳しく見ていこう。ライオンズゲートは『マッドメン』『オレンジ・イズ・ニューブラック』などのテレビドラマも製作し、1万6000タイトルの映画とテレビドラマのライブラリーを所有する。買収に積極的で、12年にサミット、16年に有料チャンネル「Starz」を44億ドルで買収した。ウォルト・ディズニーや20世紀フォックスと同様、映画会社の枠を超えた複合メディア企業だ。

映画部門では16年に24本を配給し、年間興行収入シェアは5.8%。ハリウッドメジャー6社中6位のパラマウントの7.7%に次ぐ興行成績。独立系としては最大手で「ミニメジャー」と呼ばれることもある。

米国ではライオンズゲートが『ラ・ラ・ランド』を配給した。配給作品が作品賞にノミネートされるのは、『クラッシュ』(05年)、『プレシャス』(09年)に続き3度目。今年のアカデミー賞では『ラ・ラ・ランド』のほかにも『ハクソー・リッジ』『最後の追跡』が作品賞にノミネートされた。

監督の才能を信じて巨額の製作費を投入

『ラ・ラ・ランド』製作のキーマンはパトリック・ワックスバーガーだ。93年にサミットを共同で設立。12年にサミットがライオンズゲートに買収されてからは、サミットと共にライオンズゲート・モーションピクチャー・グループの共同会長を兼ねている。

ワックスバーガーは、サミット在籍時の07年に『トワイライト』の原作権をいち早く獲得。08~12年にかけてシリーズ5作を製作し、全世界で33億ドルを超す興収をあげる大ヒットとなった。ライオンズゲートでは『ハンガーゲーム』シリーズの製作を統括した。

『ラ・ラ・ランド』の製作にあたり、ハリウッド・レポーター紙のインタビューでワックスバーガーは「リスクのない映画製作など存在しない。(青春ダンスムービー)『ステップ・アップ』シリーズを製作した経験からいえば、良いミュージカル映画は低予算では製作できない」と答えている。

そして『セッション』で脚光を浴びたとはいえ、興行的には実績のないチャゼル監督の才能を信じ、『ラ・ラ・ランド』の製作費を『セッション』の10倍となる3000万ドルに増やした。そしてベテランプロデューサーのマーク・プラットを起用。ブロードウェイのミュージカル劇『ウィキッド』やミュージカル映画『イントゥ・ザ・ウッズ』などを手がけてきた彼のノウハウを『ラ・ラ・ランド』に投入した。

この判断が当たり、米国で『ラ・ラ・ランド』は大ヒット。興収は1億4100万ドル(2月26日時点)。『シカゴ』の記録(1億7070万ドル)を抜き、ミュージカル映画最大のヒット作になりそうだ。

キアヌ・リーブスの新作もヒット

『ラ・ラ・ランド』の成功はライオンズゲート復活の第一歩でもある。同社では、『ハンガーゲーム』に続くヤングアダルト小説の映画化『ダイバージェント』シリーズを14年から製作しているが、16年のシリーズ3作目『Allegiant』が全米興収6600万ドルと前作の約半分しかあげられなかった。製作費に1億ドルを費やしていることもあり、不振の責任を取って、ワックスバーガーと共にライオンズゲート・モーションピクチャー・グループの会長を務めていたロブ・フリードマンが16年秋に辞任した。

『ラ・ラ・ランド』は新体制となった同社の今後を占う試金石でもあり、まずは幸先の良いスタートとなった。今年に入り、同社では『ラ・ラ・ランド』の他にもヒットが生まれ、今後も話題作が目白押しだ。

まず、キアヌ・リーブス主演のアクション映画続編『ジョン・ウィック:チャプター2』が興収7300万ドル(2月26日時点)のスマッシュヒットを記録。今後の公開作には、日本の特撮「スーパー戦隊」シリーズの英語版ドラマをハリウッドで映画化した『パワーレンジャー』や、04~10年まで続いた『ソウ』シリーズの復活新作などがある。さらに、『ステップ・アップ』の新作を全編中国語で製作したり、ヤングアダルト小説『混沌の叫び』『キングキラー・クロニクル』の映画化企画も進めている。同社の強みである若者向けの娯楽作を充実させていく考えだ。

作品賞効果に期待かかる『ムーンライト』

一方、作品賞など3冠に輝いた『ムーンライト』を配給するA24は14年に設立されたばかりで、ニューヨークを拠点としている。16年の配給本数は18本あるが、年間興収シェアはわずか0.6%で、ライオンズゲートに比べれば「小規模の独立系」といえるだろう。作品賞候補となるのは昨年の『ルーム』に続き2度目。昨年のアカデミー賞では『ルーム』が主演女優賞を受賞、『エクス・マキナ』が視覚効果賞を受賞した。同社にとってアカデミー賞は「生命線」ともいえる。

設立以来、40本以上を配給してきたが、全米で同社史上歴代1位の興収を記録したのが『エクス・マキナ』(2540万ドル)で、4位が『ルーム』(1470万ドル)。『ムーンライト』の興収はアカデミー賞当日の2月26日時点で2230万ドル。今後、アカデミー賞効果で興収を伸ばし、『エクス・マキナ』を超えて同社最大のヒット作となる可能性は高い。

なお、『ムーンライト』はA24とブラッド・ピットの製作会社プランBエンターテインメントの共同製作。本作でピットはエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねている。プランBの製作作品はこれまでに、アカデミー賞で『ディパーテッド』『それでも夜は明ける』が作品賞を受賞、『ツリー・オブ・ライフ』『グローリー/明日への行進』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』が作品賞候補になっている(ピットがプロデューサーに名を連ねる『マネーボール』もノミネートされているが、プランBの製作ではない)。本作が3度目の作品賞受賞で、他社がしり込みするような企画に挑むチャレンジ精神や目利き力が光る。

(ライター 相良智弘)

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_