ヘルスUP

日経Gooday 30+

歯磨き後のうがいは少なめに 「歯ケア」6つの新常識 30~40代のうちに身に付けたい歯の健康習慣(2)

日経Gooday

2017/3/21

 歯間ブラシを使う場合には、歯間部にブラシを挿入したら、2~3ミリメートルのストロークで2~3回ゆっくり動かす。歯の外側と内側の両方から行うといい。奥歯はL字タイプが使いやすい。

 熊谷院長は、「適切な歯間清掃用具の使い方、選び方なども、まずは歯科医院で教わるのがいい」と話す。

【Q】たばこを吸うと歯周病になりやすい?→○喫煙は歯周病や虫歯のリスクを上げる

 「喫煙は、ヤニで歯が汚くなるだけでなく、歯周病や虫歯のリスクも上げます。口腔・咽頭がんのリスクも、非喫煙者の3倍という報告も。喫煙者本人だけでなく、受動喫煙した人にも影響があります」と熊谷院長は警鐘を鳴らす。さらに喫煙は、歯ぐきのメラニン色素の沈着や、口臭なども起こす。

 なぜこうしたことが起きるかについては様々な原因が考えられるが、一つは喫煙すると唾液の分泌が減ることだ。これにより口の中をきれいに保つ作用が弱くなる。また、歯にヤニが付くと、そこに歯垢が付着しやすくなるため、歯周病や虫歯が助長される。また、ニコチンや一酸化炭素の影響で血行が悪くなることや、喫煙による免疫力の低下も歯周病が起こりやすくなる原因と考えられる。

【Q】よくかむと歯周病や虫歯を防げる?→△よくかむと、唾液の分泌量が増え、口の中がきれいに保たれやすくなる

 よくかんでいるだけで歯周病や虫歯を必ず防げるわけではないが、防ぎやすくはなる。「よくかむと、唾液の分泌量が増え、口の中がきれいに保たれるからです。また、歯のエナメル質にできた小さな傷も、唾液によって修復されやすくなります」と熊谷院長。

 よくかむには、食事の際にかみごたえのある食材を選んだり、ひと口当たりのかむ回数を決めるといい。

 また、「食習慣で留意すべきなのは、間食を頻繁にしないこと」と熊谷院長。食べ物を食べるごとに口の中は酸性に傾く。唾液の力でそれを徐々に中性にしているが、頻繁に間食すると唾液が中性にするのが間に合わず、歯が溶けやすくなるからだ(図2参照)。

食事のたびに口の中は酸性になり、歯の表面の成分が溶け始める。しばらくするとpHは高くなり、歯が修復される。おやつや夜食など頻繁に間食をすると、口の中の酸性状態が長くなり、歯が溶けた状態が連続することになる。

 お口の健康を保つには、何より生活習慣が大切だ。最初は面倒に感じる丁寧なブラッシングやフロスも、一度正しいやり方を習得すれば、その気持ちよさにやめられなくなるはずだ。将来の全身の健康のためにも、しっかりとホームケアを行いたい。

【おわび】2017年3月21日公開の本記事にあった「食後すぐの歯磨き、実はNG」に関し、日本小児歯科学会等の専門家による最新の見解では定説とはされていませんでした。該当部分を訂正し、見出しを修正するとともに、おわび申し上げます。

熊谷直大さん
 日吉歯科診療所汐留 所長。2005年新潟大学歯学部卒業、2006年タフツ大学歯科大学院審美歯科専攻課程修了、2009年タフツ大学歯科大学院歯科補綴専門課程修了。米国歯科補綴専門医。2009年から日吉歯科診療所 歯科補綴専門医、2010年タフツ大学歯科大学院修士課程修了、2010年~15年タフツ大学兼任講師、2012年米国歯科補綴ボード認定専門医、2013年から新潟大学非常勤講師、2015年~2016年東京工業大学非常勤講師、2016年から現職。

(ライター 武田京子)

ヘルスUP新着記事