女子アイドルの新星 「欅坂46」に続くグループは?
メジャーデビューから約8カ月で、2016年末に『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした欅坂(けやきざか)46。後に続く新星グループは、欅坂46に追いつくべく「女性」や「異なる音楽ジャンル」など、既存のアイドルシーンの外から新たなファンを取り込む工夫を重ねている。3回に分けて、そんなネクストブレイクを狙うグループの素顔に迫る。
16年の女子アイドルシーンで一躍知名度を高めたのは欅坂46だった。『サイレントマジョリティー』で女性アーティストのデビューシングル初週売り上げ歴代最高記録を更新。3rdシングル『二人セゾン』でセールス50万枚を突破し、紅白初出場を果たすなど、話題が途切れることなく勢いを示した。
すでに頭ひとつ抜け出している欅坂46だが、彼女たちがデビューした以降も、後を追って新しいアイドルグループが続々とメジャーデビューしている(表参照)。
ももいろクローバーZらを擁するスターダストプロモーションからは16年4月に大阪発のたこやきレインボーと福岡発のばってん少女隊、同年11月にはときめきハート宣伝部がメジャーデビュー。ハロー!プロジェクトからは、つばきファクトリーが17年2月、AKB48グループからは、新潟を本拠地にするNGT48が4月に続く。すでに3000人規模の会場でワンマンライブを行ったグループもあり、少しずつ支持層は広がっている。
16年は301組の女子アイドルグループが出演し、3日間で約7万6000人を集めた、世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL」を手がける、フジテレビジョンの菊竹龍氏は「欅坂46をはじめとして、新顔アイドルグループに勢いがあり、人気が高まるスピードが速まっている」とシーンの現状を語る。
その理由は、アイドルファンの総数が「頭打ち」(菊竹氏)のなか、欅坂46以降の多くのグループが、これまで女子アイドルに興味がなかった層にも訴求し、新たなファンを呼び込んでいるからだ。
市場拡大の鍵は女性が握る
新たなファン層の1つが「女性」。欅坂46からは昨年開催されたファッションイベント「Girls Award2016」に小林由依、土生瑞穂、平手友梨奈、渡邉理佐の4人が、モデルとしてランウェイ出演し、同性から歓声を浴びた。「乃木坂46や欅坂46など女性ファンが多いグループは、男性もファンと公言しやすく、すそ野の広がりにつながる」(菊竹氏)。
ときめき宣伝部のメンバーには「ミスセブンティーン2015」に選ばれ、『Seventeen』(集英社)の専属モデルを務める坂井仁香が所属。エイベックスのアイドル専門レーベル「iDOL Street」から16年5月にメジャーデビューしたわーすたも、女子中・高生向けのファッション誌『LOVE berry』(徳間書店)専属モデルの三品瑠香がグループの人気をけん引。マジカル・パンチラインのリーダー佐藤麗奈と、小山リーナも同誌のモデルを務める。つばきファクトリーは、乃木坂46や欅坂46に通じる清楚な魅力を持ち、握手会などのイベント会場では女性ファンの姿が目立つ。
新たなファン層の2つ目は「異なる音楽ジャンル」から。これまでは女子アイドルに縁遠いと思われていたジャンルを融合した新鮮なサウンドをきっかけに、新しいファン層の取り込みに成功しているグループも目立つ。PassCodeはラウドロックやEDMをミックスした楽曲を展開して、ロックファンにアピール。アイドルラップグループのlyrical schoolはヒップホップファンの注目を集めている。
(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎、ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2017年3月号の記事を再構成]
3月24日(金) 「欅坂46」に続くグループは?
3月25日(土) つばきファクトリー、ときめき宣伝部
3月27日(月) PassCode、lyrical school
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