お気に入り写真、見違える ネットでパネル発注
写真家派遣も
写真を様々な方法で楽しめるネットサービスが次々と登場している。富士フイルムは撮った写真を大きなパネルやおしゃれな額付きに加工し配送するサービスを1月に開始。プロ級の写真家をパーティーや旅先などに気軽に派遣してもらえるサービスも出てきた。誰もがスマートフォン(スマホ)で撮影する時代になったが、ネットの力でさらに一段上の楽しみ方が広がっている。
「パネルがこんなに簡単に注文できるとは」。都内の会社員、松島浩平さん(43)はトルコ旅行で撮ったお気に入りの写真を注文した。利用したのは「ウォールデコプリントサービス」。ウェブ上で自分が撮った写真をパネルや額に入れるなど飾り方を選んで注文する。大きさや額の種類などで変わるが価格は3600円(税別)から。
額やサイズ自在
リビングや寝室など部屋に飾るイメージをシミュレートしながら額や大きさを選べる。松島さんはアルミパネルにプリントする「ミュージアム」を選択。壁から浮き上がる、まるで美術館に飾ってある写真のようだ。額のないタイプから木製の額があるものまで様々に写真を飾りやすく加工してくれる。
「軽くて壁にかけても安心。いくつか作って気分で入れ替えたい」と松島さん。A3サイズの大型写真は、以前はプロの工場に頼んでいたこともある。
利用者の4割は女性だ。写真も子供の寝顔や泣き顔、ペットの写真などが多い。スマホで撮った写真も少なくない。七五三や結婚式など改まった写真ではなく日常の何気ない写真を、これまで写真を飾る習慣のなかった人が活用しているようだ。
日常の写真を写真家が出張撮影する安価なサービスもある。「アワーフォト」は写真を撮ってほしい人と、プロやアマチュアの写真家を結ぶマッチングサービスだ。価格は撮った写真データや写真家の交通費も含め、50分の撮影で6480円から。
2月半ば、さいたま市の大宮公園広場で、親子3人で遊ぶ様子を写真に撮ってもらった伊藤ゆさとさん一家。6カ月になった慎之介君のハーフバースデーに、公園で遊ぶ様子の撮影を頼んだ。やってきた写真家はKuboriさん(28)。会社員だが以前写真館でカメラマンをしていた。現在は週末写真家だ。
Kuboriさんはまず写真を撮る予定の公園を下見。そして芝生の広場に寝転がり高い高いをする伊藤さん一家を撮影した。子どもがかぶる冠など小道具も用意した。こうした準備態勢はアワーフォト側が写真家に指示を出すという。
低価格で気兼ねなく
伊藤さんは「写真館は高い。安い所を探した。最初に結婚式の前撮りで使った」と話す。写真の買い取り費用がなく、様々なカットを大量に気兼ねなく撮ってもらえる。それが気に入り、年賀状の写真も頼み、今度は普段の写真撮影も依頼した。「自分たちで撮ると誰か1人写らないから」。家族3人で遊んでいる写真に満足そうだ。
アワーフォトには約300人の写真家が登録。アワーフォト側が面接をした写真家のみ。写真家との連絡や写真のやり取りは全てサイト上ででき、住所や電話番号など連絡先の交換も不要だ。気軽さから、まず結婚式などで利用し始めて、家での誕生日パーティーや旅行先など、ちょっとした記念写真での利用に広がったという。
撮った写真でフォトブックを作るサービスも多い。「しまうまプリント」の1冊198円と低価格で翌日配送可能なサービスから、高価格で高品質なものまである。オンラインで自動レイアウトなどの機能を活用して手軽に作れる。これを機に自分の生活に合う写真の楽しみ方を探してみてはいかがだろうか。
(企業報道部 小河愛実)
[日本経済新聞夕刊2017年2月23日付]
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