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2020年までにクラウドナンバーワン企業になる――。データベースで市場シェア5割を持つ日本オラクル(東京・港)が、そんな長期ビジョンを掲げてから丸3年が経過しようとしている。変革をリードしているのは、2014年に社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した杉原博茂氏だ。就任直後、北海道から九州までの顧客を訪問し「オラクルのこと嫌いでしょ?」と聞いて回った逸話の持ち主。杉原氏が掲げる「ビジョン2020」とは何か、堅いイメージが先行しがちなBtoB(企業間取引)企業をやわらかく変えるための変革について聞いた。

◇   ◇   ◇

――杉原さんは1980年代、キャリアのスタート地点では情報通信・経営コンサルティング会社のフォーバルで電話機の営業をしていました。それが今、日本オラクルの社長兼CEOとして、クラウド化を推し進めている。経歴からも時代の変化が読み取れます。

「おもしろいのは、電話サービスは以前、日本電信電話公社(現NTT)が独占的に電話機を貸していた。これは、今でいう通信のクラウドサービスと同じビジネスモデルなんです」

「1985年に電電公社が民営化されると、今度は借りていた電話機を自分で買ってもいいですよ、ということになった。IT(情報技術)の場合は逆で、もともと資金力のある大企業や組織がサーバーを所有し、自分でネットワークを構築しなければ使えなかったのが、クラウドの時代になり、かつての電話機と同じように、月々の使用料さえ支払えば、誰でも気軽に使えるようになってきました」

「つまり、技術がだんだんと社会に認知され、クラウドが必要不可欠なインフラにもなってきた。今はちょうどその入り口かなと思っています」

一寸先が読めない「ブーカの時代」

――2014年、杉原さんが日本オラクルの社長に就任した際、違和感を覚えた人が多かったと聞きました。

「親会社の米オラクルはもともと、米国のシリコンバレーで1977年に誕生したベンチャー企業でした。それが現在、日本でも世界でも、データベース管理システムに関しては市場シェア5割を持つ大会社へと成長しています。そんな勝ち組企業で、私のような異端者が社長に就任するのは異例のことでした」

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