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もうかる家計のつくり方

貯蓄2000万円でも… 実は「隠れメタボ家計」 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017/2/22

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 「ずっと切り詰めて暮らしてきたので貯蓄はあるのですが、今後の教育費や老後資金が心配で……」と家計相談に来たのは、都内在住の主婦のSさん(44)。結婚後も正社員で働き、産休、育休以外は休みもとらず、ひたすら切り詰めた生活をしてお金をためてきたそうです。

 会社員のご主人(46)、中学2年生の双子の長女長男、小学5年生の次女の5人家族です。5年前に頭金1200万円を入れてマンションを購入、300万円ほどの自家用車も一括で購入しました。マンションや車を買った後でも2000万円ほどの貯蓄があります。

■お金があっても不安

 「余分な支出はしない」が生活のモットーで、相談時も毎月10万円を貯蓄していました。高額な買い物をする場合は、金利がもったいないので分割払いやローンは使わず、一括払いで購入。できるだけムダ支出をなくし、ためることを考えて生活しているそうです。

 「それでも、将来的なお金の準備が心配」とSさん。非常に慎重で神経質な印象です。Sさんの今の悩みは、「住宅ローンの繰り上げ返済をすべきか」「資産運用をしてゆっくり資産を増やせるのか」という2点です。

 Sさん一家の住宅ローンは5年前に2600万円を固定金利2.6%、返済期間25年で借り入れ、現在は残期間20年、ローン残高2200万円です。住居費は毎月の返済額の11万8000円と駐車場代と管理費で、合計毎月15万1000円です。

 借入金利やローン残高、残期間などをみると、借り換えの効果がありそうです。また、貯蓄があるので一部を繰り上げ返済し、残りを低金利のローンで組みなおすという選択肢もあります。

 ただ、Sさんはこれから教育費がかかるし、今後貯蓄を増やせる確証はないので手元資金は減らしたくないという強い希望を持っていました。ですので、繰り上げ返済はせず、借り換えを検討してもらいました。マイナス金利導入以降、住宅ローン金利は一段と下がっています。例えば、フラット35の返済期間20年以下は2月の最低金利は0.99%と1%を切っています。

■貯蓄を減らさず住宅ローン繰り上げ返済

 Sさんはお得情報には敏感なようで、次の面談までにしっかりと調べてきました。これまで住宅ローン減税の仕組みをよく知らないまま適用を受けていたそうですが、これを機にいろいろ勉強したようです。

 「単純に考えると、住宅ローンの年末残高の1%が減税で戻ってくるなら、0.8%の金利で借りられれば、0.2%分得をするということですよね? ということは、うちの場合、今年だけで4万4000円の得になる」と意欲的でした。

 住宅ローン減税の適用はあと5年。金融機関に相談し、金利0.7%の5年間固定金利の住宅ローンに借り換えできました。この間はさらに貯蓄に励み、住宅ローン減税と固定金利期間が終わる5年後に、可能な範囲で繰り上げ返済するという計画を立てました。

 今は毎月10万円の貯蓄ができているので、このままいけば年間120万円、5年で600万円の貯蓄ができます。加えて、住宅ローン減税額と5年間で支払う利息額の差額が約27万円のプラスになるため、その分も上乗せできます。それでも、今ある貯蓄をできるだけ減らしたくはないという希望があるので、さらに繰り上げ返済額を上乗せできるよう、現在の家計を見直すことにしました。

■家計の見直し余地は大きい

 すると意外なことに、家計はメタボ状態でした。58万円の収入に対し支出は48万円あり、食費、通信費、被服費、交際費などが高額でした。特に食費です。仕事で疲れて帰ってきてから食事をつくるのが面倒になるので、外食が中心とのこと。総菜を買うなどして外食を控え、自宅で食事をとるという方針に変えてもらったところ、自然に自炊の機会も増え、支出が減りました。

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