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人生を変えるマネーハック

子の学費と自分の老後 子のためあえて奨学金選択も 子育てとお金の問題をマネーハック(3)

2017/2/20

PIXTA

 今月のマネーハックのテーマは、「子育てとお金」です。今週は「奨学金」について取り上げてみたいと思います。

 奨学金というと、昨今のイメージはあまりよくないと思います。「子どもが将来的に返済に苦しむことになるかもしれない」と考えて奨学金の検討をやめてしまう家庭もあるでしょう。

 ですが、マネーハック的には「あえて奨学金」の発想法を提示したいと思います。

■かつては子に投資するとリターンを得られた

 かつて高度経済成長時代は、親よりも子のほうが確実に豊かになりました。そんな時代には、子は親を経済的に支えてあげることができました。親も経済的に無理をしても子を進学させることで将来報われました。冷徹な言い方をすると、子はひとつの投資対象であり、将来的にリターンを得ることができる存在でした。

 しかし、低成長時代の今は違います。子は将来的に親にリターンをもたらす存在ではなくなりました。これはおそらく歴史的にみて初めてのことです。

 実際、子が社会人になったからといって、親が仕送りを求めようにも子の年収は低くてその余裕はありません。

 子が社会人になってから親が死ぬまで、仮に30年とすれば(実際にはもっと長いでしょうが)、子が毎月6万円仕送りすれば、親は2160万円をもらえます。もし本当にもらえるなら、子育て費用はほぼ回収できる計算です。しかし、これはもはや非現実的でしょう。

 学費の問題をマネーハック的に考えるなら「子にかけたお金は戻らない」を前提にしなければなりません。つまり、「老後のお金は自分で確保する」という意識が重要です。

仕送りを求めると子の人生は厳しくなる

 親が自分の老後に経済的に苦しみ、子に仕送りを求めたとしましょう。しかし、子が月収20万円台では自分の生活と将来のための貯蓄に精いっぱいで、親に仕送りできるはずがありません。

 かくて親子は衝突します。親いわく「おまえをここまで育ててやったのは誰だ」、子いわく「頼んだわけじゃない」というように、親子関係は悪化することになってしまいます。

 親が仕送りを求めると、子が結婚に踏み切れない障害になってしまいます。結婚しても子ども(親にとっては孫)をつくることをためらう要因になります。親の老後の経済不安は子の人生を制約してしまうことになるわけです。これはとても悲しいことです。

 もし、親が「自分の老後は一切、子に面倒を見てもらうつもりはない」と宣言できれば、子はずいぶん人生が楽になります。親が自分の老後の生活資金を確保し、そのことをはっきりと子に告げてあげることは、「子に対する最後の親心」でしょう。

 多くの人は「大学の学費をなんとか苦労して出してあげること」を親心だとみなします。しかし、発想は逆なのです。「奨学金を取らせても、自分の老後の負担を求めないこと」こそが、「子に対する最後の愛情」になるのです。

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